死が無い世界

名も無き水生生物

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死の恐怖がある世界

死が無い世界での出来事

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1-1死が無い世界
死が無い世界での出来事


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この世界では死と言う概念が無い。

いや、厳密には死はあるのだ。
ただこの世界での死とは、ただの痛みであり、死んだとて、その場で生き返ってしまうのだから。
友達も家族も恋人も一生離れる事は無い。
そんな「平和」としか言いようが無い世界で俺はただの村人だった。
豊かな自然、森の動物、優しい母、親友達、綺麗な恋人。その全てが続くと思っていた。

「ねぇ、私達って未来で何やってるんだろう?」

そう聴いてきたのは彼女の名前はセラ・サリス。俺の恋人だ。

「どうしたんだ?セラ。いきなりそんなことを聞いて」

「いやー、私達ってあんまこうゆう事話さないじゃん?だから、少し話してみたいな~なんて」

「確かにね。セラはなにかなりたい物ってあるの?」

「んー私は作家になりたいな!」

「良いね!それなら色々書いてみたら?」

「確かにね~。あなたは何になりたいの?」

「俺?俺は~冒険家かな?」

「なんで?」

「こんな豊かな自然があるんだから見ないともったいないじゃん」

「確かにね!私も色々見てみたい!」

そんなありふれた幸せな時間。ずっと続くはずだった時間。それは、1日で崩れ去った。

ヒューーーードガァン

「何?なんか落ちた音しなかった?」

「うん、なんか落ちたよ─」

パァン

セラの頭が、あたまが、

ドサァ

セラが、セラの頭が爆発して、血が、ながれて、

「!!セラ!大丈夫か!」

頭が再生してきたセラが話す。

「やばい、あなただけでも逃げ─」

パァン

また、セラの頭が弾けた。
このままセラを見続けたら俺は狂ってしまうと思い、光の粒子が来た方向を見た。
そこには人の形をしていて、俺の方を指さし、気持ち悪い笑顔をした「ナニカ」がいた。

瞬間、視覚が、いや感覚が無くなっていた。ただ感じるのは痛みと、恐怖。まるで体全体の骨が折れたような痛みが自分が死んでしまうとゆう恐怖を掻き立てた。頭が治り、視覚が戻ってきた頃、「ナニカ」は居なくなっていた。俺はみんなが住む町に向かった。走って20分、さほど体力がなかった俺は息を切らして走った。そして、街に着き、町の様子を見た俺は、
吐いてしまった。セラの時は頑張って吐かないようにしていたが、死の恐怖と町の惨状で吐いてしまった。辺りには腕や足、目、内蔵、首なんかも落ちていて、色々な所から
「誰か!助けてくれぇ!」
「おかあさん!おかあさん!ねぇ!おきてよ!」
などといった悲鳴が耳の中で響き、染み付いていった。
俺は増えた「ナニカ」から見つからずに母さんの家に行けた。扉を開け、「母さん!」と家の中に入った。はいってしまった。

「がァるロォ、ニゲェてぇ!」

「う、うわぁぁぁ!」

そこには母さん「だったもの」が俺に逃げろと叫んでいた。腕が溶け、足は木の根の様にかたまり、頭と思われる場所には充血した目のような物があり、その真ん中には口がある。母さんだと分かってしまったのは俺があげたオーダーメイドのネックレスがつけられて居たからである。
俺は何も出来ないことを悔やみながらもいつも遊んでいた丘へ逃げた。あそこには親友のカルマやキーラン、コレアがいるはず、そう思いながら走った。

着いた頃には、もう遅かった。5人の友情の証として持っていた星のペンダントでわかってしまった。カルマは腕が肥大化し、キーランはあの「ナニカ」の左腕と融合した姿に、コレアは左手が刀となり、右腕が溶け、頭がコレアの好きな猫の人形と融合した姿となっていた。
手遅れだと思った俺は5人で作った秘密基地に潜り込み、息を潜めた。だがこのままだと見つかるのは時間の問題、そう思い、どうしようかと頭を悩ませた。だが、時間は問題を後回しにしたくないらしい。
コツ、コツと足音が五人だけの聖域に響いた。来るな、来るなと心で思っても現実は無情なのである。俺の前に「ナニカ」が来てしまった。俺をどうしようかとケタケタと笑う声が聞こえる。
俺は恐怖心で息を忘れていた、腕を切られるのか?頭を吹き飛ばされるのか?はたまた腹をかっさばかれて内蔵を出されるのか?そんな嫌な予想が頭の中でこだまする。チャキ、と「ナニカ」が光の粒子が入った何かを取り出した。
ああ、嫌だ 嫌だよ  なんで俺らにこんなことするんだよ  ああ 死にたくない なんで幸せに生きているだけでこんなことされなきゃ行けないんだよ!
もう、嫌だよ
心の中で恨みの言葉が渦巻く中、いきなり周りが光を放ち出した。
「ナニカ」は驚き、急いで秘密基地から出た。
ああ、俺は助かったのか?助かったとて希望はあるのか?、、、、、この問はいつまでも正解が出ない。多分これからも。
恐怖心が和らぎ外に出ようとしたら、さっきの場所がまた光出し、足が「ナニカ」が放った光の粒子のようになった。それは足から腰、腹、胸と消えていく。
え、俺、消えるの、?
消えたくないよ、、母さん、、、カルマ、、キーラン、、コレア、、セラ、セラ!
そう心の中で叫びながら、俺の体は粒子となり、死が無い世界からカルロとゆう者は消えた。

2-1に続く。
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