小さな村出身の僕が勇者になったけど急にみんなが冷たくなりました(仮称)

結紬

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返事の手紙

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僕の涙も止まり、三人とも落ち着いたころ、二人はまた僕の頭をなでた。

「一緒に村長のところに行きましょう」

「王都に返事を書かなくちゃな」

村長の家にしか王都に送ることができる便箋と封筒はない。

三人で村長の家に向かった。

向かう途中、道端には昨日、夜遅くまで飲んでいた人たちが寝ていた。

その人たちの多くはやっぱり昔から僕のことをかわいがってくれていた人ばかりで、お母さんたちはクスクス笑ってた。

「みんな、酔いつぶれちゃってるわね」

「外で寝るまで酔いつぶれるなんて、本当に喜んでくれてるんだな。なあ、ブラン」

そう言って僕の頭をグシャグシャと撫でたお父さんに控えめに笑って返した。

照れくさくて口角じわじわと上がってしまうのが隠せない。

そんな僕の頭をお父さんはまたグシャグシャと撫でた。

村長の家について返事の手紙を書く、と村長に言うと、嬉しそうに招き入れすぐに便箋を出してきた。

そうして両親と村長の三人に見守られながら書いた手紙。

『この度の選出において私が選ばれたことを大変光栄に思っております。
 私が勇者に選ばれたことに関しましては、喜んでお引き受けしたいと考えております。
                   フルーク村 ブラン・ブレイブハート 』

息を詰まらせながら丁寧に書き上げた手紙を慎重に封筒に入れて、王の元へ無事に届くことを願いながら王都への配達用の魔法陣の中に手紙をそっと置いた。
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