主人公達へ

マシュマロン

文字の大きさ
7 / 11
ワールドパンデミック編

六章 影二と緑

しおりを挟む
明留が科学者の男、石田と奮闘しているのと同時刻、明留の仲間達である影二と緑は東の錆びれた街に足を運んでいた。

「ねーねー、影二君」

「どうしたの緑?」

「ヒマナッツ」

「ボケモソかい?」

「そんな事どうでもいいの」 

「君から話を降ってきたんじゃないか?」

灰色の髪と鋭い目付きが特徴的なイケメン、シャドウ。パンデミックが起こる前までは、明留達の学校の生徒会長という属性を持っているにも関わらず、異常に持てることからハーレム王とも呼ばれていた。

緑色のショートヘアーのパッツン少女、緑。頭につけている四葉のクローバーのピン留めが特徴的である。コミュ力が高く、誰とでも打ち解けることが出来て、異性相手でも話しやすい。

「それにしても、何も見つからないね~?」

「そうかもね……ん?いや、そうでもないみたいだ」

「?」

影二が地面を指さす。そこにあるのは。

「これって、足跡?」

「うん。ここは砂漠のようになっているから、砂に靴の後が残っているみたいだ」

「追跡かな?これ」

「そうだね、警戒して近づこう」

影二が前、緑が後ろを警戒しながら足跡を辿って行く。数分歩いて通りを右に曲がった時、足跡が途切れている事に影二が気づいた。

「恐らく、この中っぽいね」

足跡は、錆でボロボロになっているタワーマンションの中に続いていた。恐らく、何者かがここにいるのだろう。

「頼めるかい?緑」

「おまかせあれ~緑ちゃんのスーパーパワーを見せてあげよう!ナチュラルクイーン!」
 
左手でタワーマンションの壁に触れる。するとその壁にうっすら緑色の線が入っていくのが見える。

「7階に生命反応あり。男。多分1人だね」

「了解。じゃあ僕が中に潜入するよ」

「わかったよ、うちはどうすればいい?」

「そうだな……まずはナチュラルクイーンでタワーマンションの中全体を攻撃して見てほしい。動きがなければそのまま僕が侵入する」

「おっけー」

影二は生徒会長という立場から、指揮能力が非常に高い。他の人間に指揮されるよりも、影二の指揮の方が確実性、成功確率、何においても勝る人はいないだろう。

「ナチュラルクイーン!」

その言葉と同時に、緑色の線が一瞬にして太くなる。時間が経つにつれて色が茶色に変化していく。

「……動いてこないか。緑、お願い」 

「まっかせて!」

壁にさらに力を込め、壁に溜まった力を無理やり暴走させる。すると、

壁や地面を貫いてタワーマンション全体を覆う根がはられる。

「……よし、行ってくるよ」

「うん頼んだよ!」

これだけの攻撃に対して行動してこないということは恐らく、死んでいるか能力によるガードだろう。

「僕も能力使わなくちゃね、シャドウスケート!」

影二の姿はタワーマンションの1階の影を踏むと同時に姿を消した。いや影に吸い込まれたと言うのが正しいのだろう。



名前 緑

能力 ナチュラルクイーン

能力レベル 9

世界の自然を操る能力。ただし、操るものが強ければ強いほど、射程距離が短くなる。
例としては空気などをいじる時は、自分の半径3m内しか射程距離がない。など。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...