勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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一章 ジッパンの長い一週間

5 人魚の伝説

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 港から一悶着すると僕達は港を男に先導され移動していた、

「ニィ……さん……」

 僕は幼女に畏敬の念を込めて言うと、ニィは頭を傾げる、

「どうしたのハックお兄ちゃん?」

 こ、この幼女は……、

「お家に帰らなくていいのですか?」

「お家帰りたかったけど帰れなくなっちゃった」

 どういうことですかニィさん?

「それは私が話しますハック殿」

 殿!?  先程手を着いていた男が僕をそう呼ぶしかも一人称が私に変わってる……、

「はっ、はぁ、それで何故帰れなくなったんですか?」

「私達一族は女王と王女を救うために兵を起こしここまで来ました」

 兵!? 物騒ですね戦争でも起こすんですか?

「ニィ王女は女王と共にこの街の人間に拐われたので救出をしにここまで来ました、するとニィ王女は貴方方に保護されていました」

「そういう事になるのか……」

「はいそうなります、そして王女が帰れない理由とは」

「貴方のように見境無しに人を殺してしまわないようにニィちゃんが残ってなきゃダメって事ね」

 話しに割り込んで来た女神様は、ニィさんを抱きかかえながら答える、

「なるほど……」

 納得はしたが一つ疑問があり聞いてみよう、

「貴方方が来た理由とニィさんが帰れないのは分かりました……ただ、なぜ二人が拐われたのですか?」

「そ、それは……」

 男は口ごもった、何か聞かれなくないのか?

「私達一族……種族は人魚族っていうのハックお兄ちゃん」

「ニィ様!?」

 人魚?

「いいのよ、彼等は信用できます」

 ニィは男を御す、

「ニィさん、その人魚族とは何ですか?」

「やっぱりお兄ちゃんは知らなかったのね……そうよね人間の中でも少数しか知らないはずなの」

 もしかしてそう言うのって各国の偉い人達しか知らないような種族というこですかね?

「さすがハックお兄ちゃん全てを理解したって顔してるねっメイお姉ちゃん」

 女神様は僕の顔を見ながら惚けた顔をしていた。

 女神様その顔はどういう意味ですか、いやされてる僕は嬉しいですけど、

「メイお姉ちゃん……抱っこされて顔を何度も見るけどちょくちょくハックお兄ちゃんを見ながら惚けて……お姉ちゃんのそういうところ見てて飽きはしませんけどの」

 気づいてたのかニィさん……、

「人魚族はどうしてそう言うものになってるんですか?」

「各国の同盟で指定保護種族になっている理由は一つだけ、それは食べると不老不死になれるっていう言い伝えが人間界にあるの」

 不老不死……、

「ニィさまそれは……」

 男がニィの発言に驚く。

 不老不死……、

「人魚を食べると不老不死になれる……何かおかしくないか?」  

「おかしいってどいうことなの?」

「んーそうだな、一言で表すとしたら人魚もその能力があるはすだよな?」

 僕がそう言うとニィは少し驚く、

「私達に不死の力はありません……長寿ではあるの」

「不死はなくとも不老はあるのか?」

 僕はそう返すと、

「不老というより人間よりは老けるのが遅くそれで長寿になりやすいってところなの」

「長寿って幾つぐらいですか?」

「少なくとも500歳までは人間の30歳ぐらいまでしか老化がとまりますそこから一気に老化するの」

 500歳……それでも夢があるよ人間からすれば、

「そんな種族を食べると人間にもその能力が宿るということか?」

「そうなるの」
 
 でも……、そう思った時、

「難しい話しより今は人魚族をどうにかするのが先決じゃないハック?」

 確かに、女神様のいう通り現状は人魚族の問題解決か、

 それは明白だ、

「僕達も人魚族に加勢するよ、今この街に居場所は無くて困ってたんだ」

「ありがとうなの」

 ニィがそう言うと、

「いいのですかニィさま?」

 と、男が言う、

「巻き込んでしまったしその上彼等は本当に居場所がありません」

 そう居場所がないのだ、女神様とデートを重ねようとしたがとんだ問題に片足を突っ込んでしまった、

「ニィちゃんの為に頑張ろうハック!!」

 えぇそうですね女神様。



 そうしていると港の端から端まで来て行き止まりになっておりその先は海だった、

「ハック様、私に掴まってください」

「メイお姉ちゃんは私を抱えててギュッと」

 僕と女神様は二人に言われた通りにすると、

「行きますよ!!」

 そういうと海の中に飛び込んだ、

「ちょっ、ボボボボボ」

 そうしながら後ろを振り向くと女神様に抱えられていたニィが魚のような尾ひれをして泳いでいるのを見た、

「人魚族って本当に人魚……ガブッ」

 僕はその瞬間意識を失った。

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