勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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一章 ジッパンの長い一週間

7 女王救出作戦開始!!

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「ぜぇぜぇ……今回は意識を失わずにすんだけど……吐き気が……」

 海から地上に上がるだけなのにどうしてこんなに……、

「最初の時よりゆっくり浮上しましたが……ダメそうですね」

 ダメそうですねってあんた……そうだけども、

「ハック大丈夫?」

 女神様は何の影響もなく僕の背中を擦ってくれる、

「ありがとうございます女神様」

 しかし相も変わらずニィはかかえられている……一度でもいいからそこ変わってくれ!!

「ハックお兄ちゃん睨まないで……」

「あっ、ごめん……」

 僕は直ぐにニィに謝る。

「これからどこに向かうのニィちゃん?」

 女神様はニィに尋ねる、

「今から領主の家に奇襲をかけてそのままお母様を救出して直ぐに撤退するの、その間に迫りくる敵は殲滅するの」

 見た目に反して過激なことを言う、

「じゃ向かうの!!」

 ニィの言葉通り僕達は領主邸に向かう。




 夜の街中を歩き、領主邸に向かっているが戦闘をしに行くと言うのにほんの十数人ぐらいしかいないな、

「どうなされました顔をキョロキョロとハック殿?」

「向かっている人数が少ないなと思って」

「ははは、それはそうですよ実際に潜入して救出するのは私達を入れても十二人程ですし、既に先発隊が領主邸を囲って人が近寄れないようにするための魔法を展開してます、そのための補充要員もここにいますからね」

 長々と説明ご苦労である。

「そうなんですね……」

 僕はそう納得していると、

「ここなの……」

 領主邸の裏側に着いた。


「何時侵入するんだニィ?」

「ニィ達は領主邸から爆発音が聞こえたら侵入するの」

「侵入したら?」

「そのまま最上層の部屋に向かうのそこが領主の部屋なの」

 そこまで分かっているなら僕達必要ありますかね?

「内部は私しか知らないの外部からの偵察だけだと限界だったの」

「そうなのか……、その領主様はどんな人間なんだ?」

「知らないの……」

「知らないのニィちゃん?」

「うん……」

 ニィは元気なく応えた、

「領主という人に向かう時にお母様がニィだけでもって言って隙を作って逃げてきたの……あそこから」

「あそこ?」

 ニィが指をさした所はおそらく領主の部屋の手前の廊下を指す、

「暗くてよく見えないが確かにあの辺だけ妙に劣化してないな」

 土魔法を使い、魔力を練りやすくした土で塗りかためられており、その上に塗装も施されていた。 そのお陰かその部分と隣の塗装具合が違う、

「それにしても、魔力を練られた壁を破壊できる女王様ってなにもんよ、それに10メートルの高さから飛び降りて脱出できるのニィは……」

「命懸けだったのそのせいでお腹が減ってたの……」

 どういう理屈で腹が減るんだ?

 そつ疑問に思っていると、

「ニィ王女、そろそろ月がの一番高い位置につきます」

 アジトの時に報告に来た女性の人魚族の人が伝えてきた、

「そうか……わかった。 ハックお兄ちゃん、メイお姉ちゃん宜しくなの、そしてベトーは私の護衛だ」

 王女様モードのニィはニィとは呼べない……ニィさんだ。 あとそれと、貴方ベトーと言うんですね、名前わからなかったからずっと『男』と心の中で読んでました、

「でも、ニィは女神様に抱かれて移動するので女神様も頼みましたよベトーさん」

「ん? あっあぁハック殿護って見せますとも」

「どうしました?」

「いや、ハック殿に初めて名前を呼ばれた気がしたので」

「えぇ、今初めて言いましたからね」

「そうで……ありますな……名前言ってませんでしたっけ」

「えぇ……」

「そこ何してるの!! もう作戦は始まってるのそんな悠長な会話しないの!!」

 女神様の腕の中で喚いてる人が何を言ってるんだ……、

「ニィちゃん、あんまり動かないで落としちゃう」

「あっ……メイお姉ちゃんごめんなの」

 暴れていたニィはその一言で大人しくなったその時、

 キィィィーーーン 

 という音が正門側から響いてきた、

「始まったの!! 突撃なの!!」

 えっ、これが爆発の合図!?

「行きますよハック殿!!」

 ベトーが先行していくと僕と女神様はそれを追った。


「裏庭を突っ切ったら案外直ぐに侵入できたな」

「誘導作戦が上手くいってるのでしょうな」

「だといいの……」

 ニィは心配そうに顔をする、

「どうしたのニィちゃん?」

「ん……んーん何でもないの急いで上層に行くの早くお母様を助けるの!!」


 ニィの先導は確かで直ぐに上層の階段を見つけ三階へと辿り着く、

「上手くいきすぎてませんか?」

 確かに館の中から戦闘音が聞こえている、しかし、体中に纏わりつく異様な気配が拭えない、

「ハックの言う通りなの少し上手くいきすぎてる気がするの……そして何よりなのは領主の部屋の前なのに全然敵がいないのは違和感しかないの……」

「そうでありますな……」

 ベトーがニィに相槌を着いた時僕はふとベトーの方を向いた時何か光るものが見えたその時、

「皆屈むの!!」

 ニィのその声と同時に物凄い力で三人は床に手を着いた、

「あっ、ごめんなの咄嗟にしてしまったから全力でスキルを使っちゃったの……」

 こ、これがニィのスキルなのか……俺の意味のわからないスキルより凄い……。

 そう思っていると暗い廊下の中から月に照らされる光るものが見えると同時にコツンコツンと何かがこちらに近づいてくるものがいた、

「ありゃ? 一人は殺ったと思ったけど皆無事ですかぁ」

 奥の方からシェフが着るような白い服を纏った男がやってきた、

「き、貴様は!?」

 ニィがその男の顔を見て驚く、

「あら? 君は五日前に逃げた人魚の娘じゃないか……戻ってきてくれたんだね……」

 男は不気味な笑みを浮かべながら言ってきた。
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