勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

二章 錆びれた都

9 再演の夢

「メイ……メイ……」

　メイの体を揺らすも彼女は一向に起きる気配が無い、

「やっぱり疲れいていたんだねメイ……」

　僕はメイの顔に掛かった髪を振り払いジッと見つめる、

「はは、ジッと見つめていてもメイが可愛いのは当たり前か」

　彼女を寝やすいように壁と彼女の背中に腕を入れ横に倒す。

　ドスッ

　メイを横に倒した瞬間、背後に何かがいるような気配がした。
　僕は直ぐに後ろを振り向くいた。

　勿論そこにいたのは例の白い魔物だった。

「っ!?」

　白い魔物はこちらを向いておらず僕に気づいておらず、この部屋の入り口に、一夜を過ごすため作られた簡単な箱の物陰に隠れる、

『しまった……メイが隠れてない!?』

　急いで隠れてしまい野ざらしに寝かされているメイ、

　ドシドシ

　その音を立てながらこちらに歩いてくるのを箱越しにわかった、

『気づかれた!?』

　僕はそう重いながら顔を上を向けると白い魔物は頭だけが見え、そしてその顔はメイの方をしっかりと見ていた、

『ヤバイ』

　そう思っていると白い魔物は右手をおもむろに出すと同時にそこから火が浮くように現れた。

『メイが殺される』

　それはさせまいと僕は手当たり次第に手を振ると何やら棒状のものを掴み白い魔物の頭に目掛けて投げる、

　カンッ！！

　甲高い金属音を響かせると同時に白い魔物は攻撃された方向、つまり僕の方を見始めた、

「メイ起きろ！！」

　僕は直ぐにメイを起こすため声を上げる、

「んっんん……」

　しかし、メイは目を開けることはなくすやすやと寝ている、

「メイ……」

　そんなところも可愛らしいがここは一刻も早く起こさないと僕が殺されてしまう。

　ぼっ

　そんな音が聞こえると僕は魔物の方を向くと奴は赤い炎を灯らせこちらに向けていた、

『発射された瞬間にメイの方に……』

　僕はそう思いじっと炎が発射されるのを待つ、

　ボンッ！

『今だ！！』

　僕は直ぐにメイの方に飛ぶ、

「メイ起きろ！！メイ！！」

「んっんん……ハック？」

　やっと起きた……、

「逃げるよメイ」

「えっ？」

　目を点にした彼女だがすぐに僕の後ろにいる奴に焦点を合わせて事態を把握した、

「ハック……私が倒すから下がってて」

　と、メイは言うが彼女の魔法は昼間の段階で魔法が効かないというのを忘れているのだろうか？

「ファイアランス！！」

　僕がそう思っているとメイはすぐに魔法を放つ、

「ハック、奴が回復する前にここを出よう！！」

　メイはそう言うと僕の手を引っ張る、

「ダメだよ」

「えっ、どうして」

　彼女は僕が歩き出さない事に疑問を持った事を示すため僕は白い魔物の方に指をさす、

「えっ……どうして効いてないの昼は動かなくなってたのに……」

　メイは何を言っているのだろうか昼も奴らから隠れるように逃げてこの塔を脱出しようと頑張っていたのを忘れたのだろうか？

「メイ……」

「どどど、どうしようハック」

「僕が何とかするから君はその間に逃げるん
　だ」

「えっ……」

　僕は彼女にそう言い残し白い魔物に近づく、

「ダメだよハック死んじゃう！！」

　死んじゃうか……

「大丈夫僕はメイが生きている限りずっと側に居るよ」

　そう言うと同時に僕は白い魔物と対峙する、

「ダメッ！！」

　バギュル……ゴトン


　──────

「女神様……女神様……どうしました女神様？」

「ハック……」

「やっと起きた女神様、先程から僕の名前を大声で叫んでましたが何か怖い夢でも見ましたか？」

「えっ……」

「一緒に見張りするっと言ってましたが、直ぐに寝られたので床に倒して寝始めた瞬間に僕の名前を呼び始めたのでびっくりしましたよ」

　僕はさっきまでの女神様の寝言を話した。
　それにしても僕って愛されてるな女神様の夢の中に出てくるなんて、

「うっ……うん」

　と、しょんぼり返されると同時に女神様は抱きついてきた、

「絶対にずっと側に居てね」

　と、女神様の上擦った声で言ってきた。