勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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二章 錆びれた都

10 一晩もせず

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「神様いきなり抱きついてきてどうしたんですか……」

 僕はいきなり抱きつかれた女神様の頬を見ると涙が流れているのに気づくと同時に女神様は離れた、

「何でもないよハック」

 と、軽く微笑みながら言ってきた。

「そうですか女神様、それならいいんです」

 僕の口はそう言うが、女神様が何か悲しそうな顔をしているのがわかった。

 ドンッ!

 そうしていると後ろから大きな足音が一つ鳴り響く、

「ハッ、ハック!?」

 女神様が指をさしながら僕の名前を叫ぶと同時に後ろを振り向く、

「魔物!?」

 そこには白色の魔物がそびえ立っていた、

「いつの間に……いや、女神様と僕は結構大きな声で話していたから気づかれたか」

 そう納得すると。 魔物が僕に向かって腕を振りかぶってきた、

「ファイアランス!」

 と、同時に女神様が魔物の腕に向かって放った炎の槍が直撃する。
 すかさず僕は女神様の方に移動する。

「助かりました女神様」

「ハックの命が大事だからね!」

 女神様は僕の心配をしながら魔物から目を離さない、

「ハック、私がもう一発放ったらこの部屋からすぐに出ましょう」

 と、女神様は提案をしてきた。

「そうしますか、まだ日は昇っていませんが一階でも下に降りましょう」

「うん」

 白い魔物はその間に受けたダメージを回復しジリジリとこちらに近づいてくると。
 女神様が両手を重ねながらその間に炎の塊を作り出していた、

「いくよ……ファイアランス!」

 その炎の塊を槍の形状をしつつ何時もよりはっきりと回転が見えるとそのまま魔物に体に突き刺さると炎が身体中に駆け巡る、

「いまよハック!!」

 その掛け声により僕は女神様の片手を手に取り急いでここから脱出する。

 ────

「嘘だろ……」

 あの部屋から脱出するとすぐの廊下に夥しいほどの同じ魔物が徘徊していた、

「ハックどうする?」

 女神様はそう聞いてきたが引き返した先にいる以上応える内容は、

「なるべく気づかれないように乱雑されて置かれている物陰を縫うように行きましょう」

「それしか無いよね……任せて万が一があったら私が道を切り開くは」

 ははっ、頼もしいです女神様……。

 そうして僕と女神様は深夜の脱出が開始することになった
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