勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

三部 反骨の国

4 タクヤが見た王都

　タクヤの背中に一向に近づかなくそれだけ速い速度で走り、そのまま村の出入り口に着くと人混みを掻き分けて中に入っていった、

「こ、この子か……」 

　タクヤの声が聞こえると僕も人混みの中を掻き分けて出てこれると、そこに居たのはボロボロの麻のような服を着た少年だった、

「タクヤさん、この子ところどころ服が破けてますね」

「あっ、あぁ、本当にこの子が橋の向こう側から……」

「タクヤさん？」

　タクヤは立ち尽くしながら少年を見つめている。

「誰か暖かい毛布か何かを持ってきてください！！」

　そう言うと、

「いや、私が自分の家に今から連れていく」

　と、タクヤさんがそう言うとそのまま少年を抱きかかえ連れていった、

「どうしたんだタクヤさん……」

　そう口にすると、

「タクヤはの」

　そう誰かが声をかけそちらを見ると、

「村長!?」

　そこに村長が立っていた、

「それは良いだろう、今はタクヤの事だ」

　村長は真剣な眼差しをタクヤに向けるのを見て、

「え、えぇそうですね」

　僕がそう言うと村長は静かに話し始めた、

「タクヤは一度滅んだ王都を見てきたんだ、そこでタクヤが見たのは、倒壊した家屋に半壊した城、辺りから腐った卵のような臭い鼻に来ていたとも言っておった」

　村長は、タクヤから聞いたのか王都の状態を話し始める、

「タクヤさんはそんな状態の都を」

「そうだ、それと都で人が居ないかと探して回っているとあの狼の魔物が居たようでな、その狼達を倒しながら回っても人の子供さえ居なかった」

　だが、その話を聞いてもタクヤがあんな風になるのは考えられないと思うと、

「これだけで、タクヤがあそこまで動揺する程ではと思うだろ、確かにそうかもしれんが彼は最後にこう言っていたよ、どうして私は王都が大変な時に居なかったのかと、騎士の彼は酷く呟いていた、これで終わりだハック君も彼を頼むよ」

　村長はそう言うと、歩いて自分の家へと足を動かした、

「タクヤさんにそんなことがあったのか」

　そして僕、タクヤの家へと足を向けた。