勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

クラットス

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三部 反骨の国

5 少年

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 村長からタクヤの話を聞いた後、タクヤの家に行くとそこで子供は静かに呼吸をしながら眠っていた、

「タクヤさん子供は大丈夫ですか?」

 と、側でじっと見ている彼に聞くと、

「運んできた時は体が冷えていたが今は安定している大丈夫だ」

 すると、

「うっうぅ」

 と、少年は意識を取り戻す、

「き、気づいたか!?」

 タクヤは少年の体を起こす。
 起こされた少年はゆっくりと目を開けると同時に意識がはっきりしたのかタクヤの方を見ると否やタクヤの襟を掴み、

「み、皆が死んじゃう!!」

 と、騒ぎだした、

「お、落ち着くんだ」

 タクヤは、少年をなだめるように離そうとするも中々襟を離さなかった、

「ちょっと離れろ」

 僕は少年の背中から引き剥がした、

「皆が皆がぁ!!」

 発狂状態に陥った少年は今度は暴れだす、

「落ち着け!!」 

 バシンッ

 と、少年の頬を叩いた、

「あっ……」

 やっと落ち着いたのかそれとも叩かれた頬が痛いのかようやく落ち着いた、

「少年、落ち着いたか? よければ何があったのか話してくれないか?」

 タクヤは優しく少年の目を見ながら話す、

「は、はい」

 少年はタクヤの目を見たのか叩かれた頬を触りながら応えると少年が今まで起きたことを話した。

 ──────

 少年曰く、

 王都が堕ちる前に都の民達はある程度逃げていたらしく、逃げた先で村……というよりも拠点を作って暮らしていた、そこは少数だがタクヤと同じように騎士が何人かおり反撃の機会を伺っていたらしく橋の向こうで暮らしていたらしい。

 どうして橋を越えなかったのかと聞くと、千人そこそこの人間がそこに生き延びておりこちら側に来るにも全員の安全が保証されるのかわからず騎士を中心に安全を確保することにしていたと少年は語る。

 ─────

「では、なぜ君はこちらに?」

 タクヤは少年にそう聞くと彼の顔が暗くなると、

「奴らがある日を境にこちらに気づいてやって来たんだ」

「奴ら?」

 僕とタクヤは同時にそう言うと、

「魔族です」

 と、応えた。
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