勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

三部 反骨の国

80 五歳式

　マイに見送られながらハックは町の教会へとと向かう。

「やぁやぁよく来たねハック君」

　教会に辿り着くと外に司祭服を着た男が立って待っていた、

「こんにちは司祭さん」

「うん、いい子だ、さぁ、入りなさい」

　司祭は教会の扉を開け招き入れる。
　中は広く綺麗に並んだ長椅子が前の壇上に向かって並んでいた。

「子供が沢山……」

　ハックは中に入るとすぐに、沢山の子供達がが既に座って待っている姿があった。
　そんな子供達を傍目に見て歩いていると司祭は、

「ハック君、ここで座って待ってて」

　司祭は僕の目線に合わせて腰を折って話す。

「わかりました」

「うんいい子だ」

　司祭はそう言うと頭を撫でるとすぐに立ち教会の入り口まで戻って行く。
　ある程度ハックは司祭に視線を送るもすぐにそれを切ると指定された所に座る。

「やぁ、こんにちは」

「こんにちは」

　隣には一人の男の子がおり話しかけてきた。

「君の名前は何て言うんだい？」

「僕の名前はハック」

「ハック！！ いい名前だね僕の名前はヤマトって言うんだ」

「ヤマト……うんヤマト君よろしく」

　隣の男の子はニコニコしながら、

「教会で僕達をお祝いする日、今日という日は僕楽しみにしてたんだ」

　五歳に成る日、というより実際は五歳に成る年の始めに行なわれる儀式。
　この国というよりも、四国合同で行なわれる一つのお祝い見たいなものだ、

「生きてこの日が来るなんて」

　生きて……ヤマトのその言葉は大袈裟な話ではない。
　魔族に病気などで大体な子供は生きてこれないのが当たり前だからだ、

「ハック君はどうだった五歳に成るまで」

「ハハッ僕は運良く本当に運良く生きてこれたよ」

　少し難しそうな事を思い出しながら彼にそう言うと。

「あー……うん……」

　何かを察したようにヤマトはちょっと声をトーンを落とす。

「いや、ヤマト君がそう難しそうな顔をする事は無いよ、結構ある話だろ生きてるなんて」

「そ、そうだね」

 　二人はその後も他愛のない話をしていると、

「やぁ！！ みんなこんにちは！！」

　壇上からそんな声が聞こえると前の方を向くとそこに居たのは、

「若い人だな……」

　目の前に現れた笑顔が良く合う好青年の男がそこに居た、

「今日皆さんに集まって貰ったのは五歳に成ったこの日を祝うためです、皆さんと一緒に祝いましょう」

　好青年の男がそう言うと左右にある扉からシスターが現れて人数分の担ぎ込まれたよは飴だった。

「皆さんにはこの飴を配るのでその場ですぐに食べて構いません」

　好青年の男のその一言を告げられるとシスター達は子供達に飴を配り始めた。