魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

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春樹編

8 手紙

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 病院送りにされて、さらに三日が経ったある日、ミデアと共にダンジョンで修行をし終わり宿の前にいる何かに気づいたのかミデアが、

「珍しいですわね、こんな所に貴族の人がいますのわ」

 すると、春樹も宿の方を向くと、そこにいたのは、

「うわぁ」

 服は白くて袖が長い、いかにも海外の貴族が着ていそうな男が宿の前にいた。
 春樹はそれを見て、この世界でもああいう服を着る人が居るんだなと思った。
 
「関わらないでおこう」

 小声で、ミデアに耳打ちをすると、

「ええそうね」

 ミデアは同意した。
 二人は、そう決めると、そそくさと宿の方に入ると、

「そこの、カップル」

 と、呼び止められると、春樹はめんどくさそうに振り返った瞬間、

「か、カップルじゃありません!」

 ミデアが、顔を赤くして貴族らしき男に抗議した、

「これは、失敬、若い男女が一緒に並んで宿に入るから、てっきりそうだと」

 余裕のある返しをした貴族らしき男。

「それはそうと、君が春樹君かい?」

 貴族の口から、自分の名前が出てきた、

「えっ、あ、はい」

 しどろもどろに答えたら。

「よかったよ、間違ってたらどうしようかと思ったよ」

 貴族らしき男は、そう安堵すると。

「私の名前は、サンダー・マックと申します」 

 名前をなのった瞬間、ミデアがなにか思い出した、

 「サンダー・マックと言えば伯爵位の貴族ですわよ春樹」

 ミデアはそう言うものの、春樹はなんの事やらと顔をしかめっ面にしており出てきた言葉が、

「伯爵ってどのくらい凄いんだ?」
 
 そう言うと、

「王様を覗いて、七個の位があるなか上から四番目に位のあるかたですわ春樹」とミデアが春樹に耳打ちで教えた。

 「上から四番目、そうなのか……」

「ははっ、仕方ないよ君達のいる世界にはもう馴染みがあるものじゃないってのは知ってるからね」

 と、返された。
 あまり、ピンときていない春樹だったが、

「その伯爵様が、なぜ僕に用があるのですか?」

 と返すと、

「そうそう、君達にこの手紙を渡してきてくれてバルター様に言われてきたんだ」

 そう言われ、手紙を渡さると、『どうぞ読んでくれ』と言わんばかりの顔をしたので、春樹は封を破り中にあるのを取り出し読むと、

『やぁ、春樹、三日前に君が目を覚ましたという報告があって私は安堵した。

 ミデアに聞いての通り実は今、悟達が行方不明になっていて、我々は四人を全力で捜索していて転移者達の授業は一時止まっているなか、実は困り事が一つ増えた。

 実は、そこから更に西の方にデル山という山があり、その山にどうやら冒険者じゃ、傷を一つもつけられない魔物が出たらしく、その麓にあるデル村から勇者を寄越してほしいということだ。

 ただ、まともに戦える勇者は王都にいなくて現状戦えるのが君でその魔物の討伐ないしは村の退去を春樹とミデア、そしてマックの三人でやってきて欲しい。 バルターより』

 と書かれていたのを読みきると。

「では、頼むよ勇者様」

 マックは、笑顔でこちらを見て眩しく見える歯をちらつかせていた。


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