魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

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始まりの勇者編

6 泉

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「確かににているな」

 トウカは美希が話した日記の話しと自分達が見てきたものが似ていると思った。
 
「だが、その話がどこまで本当なのかは分からないね」

 そう聞いた美希は、『そうですよね』と納得した顔をした。
 すると、トウカがこの話しは止めて今から一彩を回復させるために泉のある所にいこうかねと言い出すと「いまからですか」と応えるとトウカは「私達も忙しいからね」と言いながら、すっと立って美希に手を振って「準備しとくんだよ」と言って部屋から出ていった。


 村の入り口に来た美希は、昨日の夜には気付かなかったかがは15人ぐらいの人がトウカさんと一緒に来た。

「こんなに居たんですか」

と、驚くもトウカは「戦えるのは8人ぐらいだけどね」と言った。

────

 一彩を起こすために森に来たのはトウカだけだった。理由は皆も疲弊しているし王国に報告もしなきゃいけないからという理由だった。

「トウカさんまだ泉には着かないんですか?」
「いや、もうすぐ着くはずだ」

 そう切り返すと、目の前に泉が現れた。
 美希は目の前に現れ「やっと着いた……」と言うとトウカが美希の焦る足を手で止めた。

「魔物がいる……」

 泉が見える範囲で右側の茂みから自分達より二倍三倍はある怪物が現れた。
 その姿は、赤黒く二本の角が生え手持ちには大きな棍棒を持っていた。

「オーガ……」

 美希はその体躯からあの戦いで見たオーガの姿と重ねた。

「いやぁ、こいつは日本のお伽噺に出てくる赤鬼というべきだろう」

 そう言うと、トウカは一彩を降ろすと自分の武器である弓を取り出し戦闘態勢に入り「美希やれるか」と美希は手に持っていた杖を強く握ると「いけます!」と強く返した。

 二人は話し合い赤鬼の倒すすぐに作戦を考えるとすぐさま行動に移した。

 そして、美希は赤鬼の前に姿を現すように茂みからでた。赤鬼は当然、彼女に気付くと美希の方に歩み始めた。

「こっちに来なさい!」

 そう言いながら、赤鬼を誘き寄せながら泉の外周を走ると。

『びゅっ!』と美希が向かって走っている方向の森から鋭く矢が飛んで赤鬼の右目に向かっていった。しかし、赤鬼はその矢を容易く左手で受け止め右手で持っていた棍棒を矢が来た方向に向けて投げた。

 それを見ていたトウカは「外した!」と小声で呟き赤鬼が投げるフォームを見るとすぐさま木から下りて美希とは反対側の方に逃げた。

 棍棒はそのまま放物線を描くようにぐるぐると回りながら矢が射ぬかれた所一体の木々が棍棒によって押し潰された。

 それを見た美希は見た目どおり一撃で死ぬかもしれないと感じた。

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