魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

始まりの勇者編

5 一夜を明かし

 村の宿で夜を開かした美希達。

 部屋でゆっくりしていると扉からノックの音が聞こえると「美希いるかい」とトウカの声が聞こえた。

 その声に「居ます、今開けますね」と返しトウカ達を自分達の部屋に招き入れた。

「やはり彼はまだ寝たままなのか」

 トウカは美希と同じ部屋で寝ている一彩を見てそう言うと「もう丸一日は寝てます」と俯いて応えた、

「それはそれとして二人は行く宛が無いなら一度ドラコ王国にくるかい？」

「ドラコ王国？」

 美希はその王国の名前に聞き覚えがなくトウカに自分達の居た王国の名前を出した。

「んー、そんな王国あったかな」

 トウカは顔を右上に上げて思い出すように考えるもやはり聞いたことの無いと応えた、

「はぁ、そうですか、行くとこ無いですしトウカさん達についていきます」

 美希はそう言うと「そうかわかった」とトウカは返した、

「その前に、彼の話を昨日の夜の内に聞いて彼が今どういう状況かを皆に話したがもしかしたら魔力枯渇じゃないかと思う」

「魔力枯渇？」

 美希は小さく呟いた。

 トウカ曰く、彼は剣の能力を解放するために必要以上の魔力を使って魔力の回復が鈍化して寝ているらしい。

「そのためにまず、魔力の回復するための泉、アグミックの森に行く」

 トウカは最初の目的、一彩を叩き起こす事を宣言した。

 目的が決まると、ふと美希は彼女等がなぜこの世界に来たのかを聞き始めた、

「トウカさんはどうやってこちらに」

 美希達とは別の転移者であるトウカ達、彼女達は見た目からして自分達より年上だ。

「そうか、私達は飛行機からの転移者だよ」

────

 トウカは話し始めた。

 トウカ達が乗っていた飛行機が離陸し海の上を飛んでいたと思っていたら気がついたらある王国の城の中に居た。

 彼女達はそこの王様達に「戦争に勝つために力を寄越せ」と傲慢な態度を示しそれに対して「ふざけるな」と言ったもの達は目の前で殺され始めた。
 トウカ達、生き残った人間は彼等に反抗をせず一日でも生きるために従った。
 戦争の相手国は帝国という大国で、生きて従っても最初は百人は居たはずの仲間は死に今では半分しか生き残ってない。

 その話を聞くと美希は「元の世界には……」と言おうとするとトウカはその瞬間暗い顔をした。
 暗い顔をした後、トウカは話を続けた。

 自分達が半分になったある日、王国の上の人間達が私達のとこに来て「帝国は滅んだ」と告げる。
 帝国は戦争で負けるでもなく勝手に滅んだ、そこ話を聞いて私達はやっと帰れると思った、でもそれは違った、他国にも私達の戦力を見せつけるために使うと言われた。

 その最初として私達は滅んだ帝国に出向くとそこは人間達の死体が転がっていたんだ。
 トウカ達はその帰りで私達を見つけたらしい。

────

 「一体何でそんな……」

 美希はそう言おうとした瞬間、古びた日記に書かれていた事を思い出し「ワールドオーダー」と溢した。

「ワールドオーダー？なにか知ってるんかい？」

 美希はこの時日記に書かれていた事と彼女達の現状が似ていると思い話し始めた。