魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

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始まりの勇者編

14 国王

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「国王陛下、トウカを連れて参りました」

 三人と大男は国王陛下がいる謁見の間というところで膝をついていると、

「帰って来たか……私の下僕」

 国王は帰ってきたトウカにそういい放った。

 同時に美希と一彩はその言葉を聞きヤバイ人の所に連れてこられたと思った。

「それでトウカよ、後ろに居る者達は一体誰だ?」

 国王がトウカの後ろに居る、二人について聞いてきた、

「同郷の者です」

 淡白にそう応えると、国王は「ほう……」と訝しげに呟くと、

「我が国以外にも、召喚が成功した国があるのか……」

 大男がそう言うと続けて、

「異世界召喚はこの国の地下にある極大の魔力、云わば星の魔力と呼ばれるぐらいの……」

「ドルト将軍口が過ぎるぞ、国の秘密をベラベラ喋るものでもないこやつらが敵の間者スパイだったらどうする」

 国王はそう言うと、

「同等の力を持った者かそれとも物をどこかで発見して召喚した……一体だれが」

 と、手を顎に当てながら思案する国王だったが数秒考えると、

「お主ら、私の駒にならぬか」

 美希と一彩はその問いを云われると何と返せばいいのかわからず一瞬トウカを見ると、

「国王陛下、この者達とは既に私の支配下にあります、意思を持たぬ人形であります、彼らは意思の固い者達だったので強力な隷属魔法で締め付けております」

 突拍子も無いことを言い始めたトウカ。

 二人はそれに会わせるしかないと思い国王からの言葉に反応を示さないよう演技をし始めた、

「ならば、解除するがよい」

「良いのですか? この二人が帝国を滅ぼした元凶でありますよ解いたらすぐに暴れてこの国も同じように……」

 意味ありげに言葉を止めたトウカ、

「そんな馬鹿な、そんな報告は聞いてない!」

 横やりをいれたのはドルト将軍と呼ばれた大男、

「えぇ、報告はしていません、同じ同郷の者が強い闇に呑まれ帝国を滅ぼしたそんな憐れな少年少女がやったなんてとてもじゃないが私から部下には言えないと思いまして」

「そうであるか……わかった、ならばトウカにその二人を任せる」

 トウカの嘘を真に受けたのか王はそのまま二人の監視を命じた、

「王よ……」

 そう呟くドルト将軍はトウカを睨み付けると、

「では、トウカよ下がって良いぞ」

「はっ」

 そう言うと、三人は一緒に謁見の間から出ていった、

「王よ! いいのですかあんな嘘をついてあの二人はもしかしたらヤマトが連れていたあいつらの仲間かもしれませんよ!」

 将軍がそう言うと、王は「だろうな」と応えると、

「だが、我々と同じように力を持った国がわからない以上、ここで殺すことが得策なのか将軍、ならば泳がせて奴等がどこから来たのか吐かせてからその国を潰す」

 力強く王はそう言うと、

「な、なるほど、確かにあの二人が言っていたあのような国は我々は知りませんからな……」

 将軍は王の言ったことに賛同した、

「それにしても将軍よトウカは嘘が下手だな」

 言った後、王と将軍は二人で笑いその声は謁見の間の外に響いていた。


 
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