魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

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昏鐘の勇者編

1 不穏

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「ハイネ! 悟! 一彩に美希! よかった生きてたのか!」

 四人は直ぐに王国の城に戻り最初に出会ったのはハイネの父であるバルターだった、

「お父様、ひと月の間迷惑を掛けました」

 ハイネはバルターに頭を下げて謝った、

「それはいいんだ気にするな、それはそうとハイネは王様に報告をしてこい」

「はっ」

 ハイネはそのまま王様に会うため城に行った、

「僕達は何をすればいいんでしょうか?」

「何があったのかは明日ハイネに聞くから三人は宿舎に戻って休んでてくれ」

「「「はいっ」」」

 三人はそのまま宿に戻った。

────

コンコン

「悟入るか?」

「居るよ、誰だい?」

 と、返すと扉の向こうから「春樹だ」と言うと悟は扉を開き部屋に招き入れ部屋にある椅子に座らせた、

「春樹じゃないか、聞いてるよ魔王の因子化した魔物から村を守ったんだって」

「あっあぁ、それはいいんだ……」

 春樹は顔を曇らせながらも口を開き始めた、

「お前達が、居なくなった時は学校の仲間達は不安がってたよ」

「えっ?」

 春樹が唐突にそんなことを話し始めると、

「あの時、同級生を殺したのはお前達だとか言ってたがいざとなるとお前達が居なくなると戦えない自分達は帰れなくなると思ったんだろうな」

「どうした春樹? そんなことを言いに……」

「自分達は戦えない強いものに寄生し、それの恩恵に授かりあいつら元の世界に帰れると思ってるんだろうな」

 悟は春樹と前回共闘した時は物静かな奴だと思っていたが、今はその印象が消えたようにハキハキと言っている、

「あんまりそう言う風に友達の事を言うんじゃ」

 悟は諭そうとすると、

「友達? 俺の友はあの二人だけだったよ……」

「どうしたんだ春樹? 皆のために頑張ってたんじゃないのか?」

 春樹はそれを聞くとまた顔を落とすと黙った、

「お前疲れてるんじゃないのか? 部屋に戻って寝た方がいいぞ、部屋まで送るよ」

 と、言うと春樹は「あ、あぁそうかもなはは」そう溢しながら春樹は悟の肩を借りながら自分の部屋まで連れてこられた、

「寝ろよ、しっかり」

 悟は最後にそう言い残し自分の部屋に戻っていった、

「悟……知らないんだな」

 春樹は一人になった部屋でボソリと呟いた。

────

「昨日、春樹が来たの悟?」

「そうなんだよ、何だか暗い雰囲気をしていたし、以前の春樹ならあんなことは」

 悟と美希は商店街に行くため宿舎からでようとすると一人のツインテールをした少女が宿舎を覗いていた、

「あっ、あの!」

 その少女は声をかけてきた、

「ん、どうしたの?」

 と、美希は視線を落として聞き返した、

「は、春樹はどうしてるのですわ?」

「春樹の事を知っているツインテールの少女……君はもしかしてミデアっっていう名前じゃないかな?」

 悟は女の子の見た目と春樹を知ってることから推測してそう聞き返した、

「そ、そうですわ! 今は春樹の事を!」

「まぁまぁ」

 美希はミデアの頭を撫でていた、

「春樹か……すまないな最近戻ってきたばかりであんまりわかってないんだ」

「あっ……」

 ミデアは口を空けていと同じ転移者なのに最近の事を知らないと聞き何かを思い出しながら、

「もしかして、あなた方、悟さんと美希さんですか?」

「うん、そうだよぉ」

 美紀はひたすら彼女の頭を撫でツインテールで遊んでいる、

「あっあの、止めてくださいます?」

 ミデアは美希の凶行を諌めると彼女は「ごめんね~」と言いながらナデナデしていた、

「すまないな、美希は小さいものが好きなんだ」

「ち、小さい……一応あなた達とは同じ年齢なんですけどね」

 と、ボソッと呟くと、

「そんなの関係ないよぉ」

 美希はずっと撫でていた、

「話を戻すと春樹の事を知りたいならそちらの方が詳しいのでは?」

 悟はそう聞き返すと、

「えっ、まぁそうなるのかもしれまわせんわね」

 と言うと、

「何があったのか教えてくれないか?」

「わかりましたは」

 と言い、三人はちょっとしたレストランで腰を下ろし話すことにした。

   
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