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安達大樹と双葉莉奈
安達大樹はいとこである。ゴキブリが苦手である
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僕の名前は双葉莉奈。始業式に遅れるかもという状況で、僕の布団に包まっている全身筋肉人間は安達大樹。僕のいとこだ。
大樹は一試合に六打数六安打三本塁打十打点二盗塁して五十&五十達成してそうな肉体なのに、虫が大っ嫌いである。虫の中でもゴキブリさんが生理的に無理らしい。
大樹はゴキブリさんを見た瞬間、僕の布団に隠れて固まってしまった。
「まったく、どうしてこのガタイなのにゴキブリさんがダメかな~。情けないよ~」
「そりゃあお前、黒い物体が素早い動きで突然現れるのは恐怖だろ。しかも誤って踏んづけたりしたら、ありとあらゆる液体をぶち撒けて……」
「聞かない方が良かったかも。とりあえずこのゴキブリさんは逃すね~」
僕はゴキブリさんを手掴みして、某ツバメ球団やメジャーで抑え投手をやっていた。伝説の投手の投げ方、サイドスローで外へぶん投げた。
◇午前七時半
「危機は去ったな……いや、遅刻寸前じゃねえか!」
「相変わらず情緒不安定だね大樹は……」
硬直から解放された大樹は、テキパキと簡単な朝食を用意し始めた。
「そういえば、あの双子は出かけたのか?」
「ああ~、大丈夫。既に家を出たっぽいよ~」
僕の妹、弟は既に家から居なくなっていた。おそらく登校したのだろう。二人とも、高校生活馴染んでるだろうか?
「あの双子と鉢合わせなかったのは助かった。会うだけで俺の性癖がぐちゃぐちゃになってしまうから」
「大樹の口から、あの二人のお姉ちゃんとして聞き捨てならない言葉が聞こえてきた気がする」
◇午前七時四十分
「クッ、あの忌々しいゴキブリのせいで遅刻寸前だ。後で防虫剤振り撒いてやる」
「それより本当に時間ないから、急ごう~!?」
そんなこんなで僕たちは学校に向かって走っていた。始業式は午前八時。ギリギリだ。
大樹はパンを咥えたまま、ゴキブリさんに悪態をついている。頼むからもっと急いでほしいところだ。
「ガハハハハー! 今日は晴天だー! 良い日になりそうだな!」
登校路的には一直線だが、道中十字路があるので、車には気をつけないといけない場面。と、思っていた矢先に大樹が飛び出していた。
「ちょ! 大樹あぶな~い!?」
案の定、大樹は曲がり角にいた誰かとぶつかってしまった。大樹の突進は軽トラック並みである。お相手は大丈夫だろうか?
「ガハハハハー! 誰かと思ったら貴様か大樹! その並外れたタックル。欲しい!」
当たった人は鼻血を出しながら、屈託の無い笑顔で大樹を欲しいと言った。流れ星のような虹色の髪をした子。『良かったこの子なら大丈夫そうだ。大丈夫じゃないけど』と僕は密かに安堵した。
「ああ~。当たったのが星宮くんなら大丈夫そうだね~」
「すまん千暁(ちあき)! 鼻血、大丈夫じゃなさそうだな……」
大樹はポケットティッシュを鼻血ダラダラな彼に手渡している。
大樹の腐れ縁、星宮千暁(ほしみやちあき)この世の全てを『欲しい』と豪語する男の子で同級生。最近お小遣いを全部使って一財産を作ったらしい。
「ていうか星宮くんも遅刻寸前なの~?」
「無粋な問いだな。せっかく大樹との久しぶりの再会に花を咲かそうとしていた所に水を刺すとは」
「え? ごめん~?」
星宮くんがあからさまに不機嫌になったので、僕は反射的に謝った。
「まあいい、それはそうと大樹貴様、改めて俺のモノになる気はないか? 貴様が欲しい!」
「断る」
大樹は呆れながら星宮くんの口説きに対して即答した。さらに『応じるか応じないか抜きにしても、何も条件が提示されてないのに答えを出せるか』と続けた。
「そうか。無粋だったな。条件についてはまた日を改めて話そう。今は始業式に間に合わせなければな」
「ああそうだった。俺たち遅刻ギリギリじゃないか! 莉奈、急ぐぞ!」
ちなみに、始業式は無事遅刻した。
大樹は一試合に六打数六安打三本塁打十打点二盗塁して五十&五十達成してそうな肉体なのに、虫が大っ嫌いである。虫の中でもゴキブリさんが生理的に無理らしい。
大樹はゴキブリさんを見た瞬間、僕の布団に隠れて固まってしまった。
「まったく、どうしてこのガタイなのにゴキブリさんがダメかな~。情けないよ~」
「そりゃあお前、黒い物体が素早い動きで突然現れるのは恐怖だろ。しかも誤って踏んづけたりしたら、ありとあらゆる液体をぶち撒けて……」
「聞かない方が良かったかも。とりあえずこのゴキブリさんは逃すね~」
僕はゴキブリさんを手掴みして、某ツバメ球団やメジャーで抑え投手をやっていた。伝説の投手の投げ方、サイドスローで外へぶん投げた。
◇午前七時半
「危機は去ったな……いや、遅刻寸前じゃねえか!」
「相変わらず情緒不安定だね大樹は……」
硬直から解放された大樹は、テキパキと簡単な朝食を用意し始めた。
「そういえば、あの双子は出かけたのか?」
「ああ~、大丈夫。既に家を出たっぽいよ~」
僕の妹、弟は既に家から居なくなっていた。おそらく登校したのだろう。二人とも、高校生活馴染んでるだろうか?
「あの双子と鉢合わせなかったのは助かった。会うだけで俺の性癖がぐちゃぐちゃになってしまうから」
「大樹の口から、あの二人のお姉ちゃんとして聞き捨てならない言葉が聞こえてきた気がする」
◇午前七時四十分
「クッ、あの忌々しいゴキブリのせいで遅刻寸前だ。後で防虫剤振り撒いてやる」
「それより本当に時間ないから、急ごう~!?」
そんなこんなで僕たちは学校に向かって走っていた。始業式は午前八時。ギリギリだ。
大樹はパンを咥えたまま、ゴキブリさんに悪態をついている。頼むからもっと急いでほしいところだ。
「ガハハハハー! 今日は晴天だー! 良い日になりそうだな!」
登校路的には一直線だが、道中十字路があるので、車には気をつけないといけない場面。と、思っていた矢先に大樹が飛び出していた。
「ちょ! 大樹あぶな~い!?」
案の定、大樹は曲がり角にいた誰かとぶつかってしまった。大樹の突進は軽トラック並みである。お相手は大丈夫だろうか?
「ガハハハハー! 誰かと思ったら貴様か大樹! その並外れたタックル。欲しい!」
当たった人は鼻血を出しながら、屈託の無い笑顔で大樹を欲しいと言った。流れ星のような虹色の髪をした子。『良かったこの子なら大丈夫そうだ。大丈夫じゃないけど』と僕は密かに安堵した。
「ああ~。当たったのが星宮くんなら大丈夫そうだね~」
「すまん千暁(ちあき)! 鼻血、大丈夫じゃなさそうだな……」
大樹はポケットティッシュを鼻血ダラダラな彼に手渡している。
大樹の腐れ縁、星宮千暁(ほしみやちあき)この世の全てを『欲しい』と豪語する男の子で同級生。最近お小遣いを全部使って一財産を作ったらしい。
「ていうか星宮くんも遅刻寸前なの~?」
「無粋な問いだな。せっかく大樹との久しぶりの再会に花を咲かそうとしていた所に水を刺すとは」
「え? ごめん~?」
星宮くんがあからさまに不機嫌になったので、僕は反射的に謝った。
「まあいい、それはそうと大樹貴様、改めて俺のモノになる気はないか? 貴様が欲しい!」
「断る」
大樹は呆れながら星宮くんの口説きに対して即答した。さらに『応じるか応じないか抜きにしても、何も条件が提示されてないのに答えを出せるか』と続けた。
「そうか。無粋だったな。条件についてはまた日を改めて話そう。今は始業式に間に合わせなければな」
「ああそうだった。俺たち遅刻ギリギリじゃないか! 莉奈、急ぐぞ!」
ちなみに、始業式は無事遅刻した。
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