僕の義理兄弟

夜ト

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木村さんと打ち明ける

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「ふぁーんっ」

七夕を両親が来た為、双子は両親に任せる、友達もパーティーに出るという事なので、最後までパーティーに参加するみたいだ。
僕はというと、柚那ちゃんと一緒に帰る事に成った。

「寝ちゃっていいよ」
「んーっかんはるっ」

ゆらゆらと身体を揺らしながら、どうにか踏ん張ろうとする。
本来はもう寝ている時間らしいが、大丈夫じゃないよね。

「今夜も会いに行くよ~後でね、おやすみなさい、明日もがんばれる~いい夢を~夢の中で会おう~あとでね、おやすみなさいー」

柚那ちゃんを軽く撫で叩きながら、小さな声で優しい声でゆったりゆっくりと歌う。

「ーっっ、凄いなぁ、莉音さんは」

毎日送り迎えをしてくれて、時々話し相手に成ってくれる木村さんは最近僕だけになるとため口で喋ってくれるようになってくれた、のが僕は嬉しい。



七夕から暫く経って、佑美が教室の机で唸る丞は紙と睨めっこをしている。

「どうしたの」
「どうしたもこうしたも、夏休み入る前に、テストでいい点数取らないと…」

秀栄学園のテストは結果を廊下に貼り出される、そしてクラス落ちや夏休みの休みも減るらしい。
夏休みの休みは出来る限りは午前中だけ授業が出来る、テストで悪い結果の子達は課外授業があるのだ。
課外授業は何もテストの結果が悪い人には限らない、勉強が分からない人や塾通いが出来ない人は校内に居る教師に聞く事が出来るのだ、なんて便利なんだ。
それに、家の仕事でこれない子は親に許可カードに判を押してもらう事になり、そのカードが証拠になる為、休みには成らない。
つまり、実際は夏休み1週間と少ししかない、半授業だ。

「補習組になるーっ」
「補習組って」

丞は叫びながら紙を睨む。
僕は佑美に助けを求める、丞はダメだ集中していて。

「…補習組に夏休みはない、課外授業はただの授業にちょっとした予習、復習だから……ただし、補習組は今までの授業で分からない場所とか関係なく全て出てくる、毎日10時間以上机に張り付かないと終わらない量みたいなんだよ、まぁ教室で教師にも聞けるからいいけど」

うわっ、秀栄って名前の意味が分かった気がする。
秀って秀でた才能、栄って栄華を持つ学園って思ったけれど。
違うなぁ…秀才を伸ばし、秀才を作る学園だよね、コレ。
どこの中〇みたいな国だよ。

「ーっで丞ってそこまで不味いの」
「あー、微妙だなぁ………あっ、大体なん教科出るか、莉音は知ってるか」

首を振るう、前にすみれさん達が話している限りやばそうだし。

「クスクスッ本当です、将来の跡継ぎ達が通う学園で御座いますから高等部からレベルが上がります、中等部までは外国語やマナーや政治や経済の授業が重視されますので、高等部一年は偏差値が少し劣るのですよ」

嘘でしょう、あり得ない。
これから試験まで勉強をかなり頑張らないといけないみたいだ。

「イタリア語、英語、フランス語、中国語、アラビア語……歴代政治家に政治の汚職問題に政治の天下り問題にテーブルマナーに作法に株とかにクラッシクにピアノ、バィオリンに数学、世界の国名、小説家の名前やら作品名に代表作に………って感じ」

佑美の台詞に真っ青になり、丞が積み重ねてある教科書を借りる。

「無理だよーっ、無理補習組になるよ」

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