僕の義理兄弟

名家と棋士仁後、今井

「……うわっうまそーっ」
「すごい、ボリュームだね」

浅倉さんと仁後さんが盛り上がる、僕も下田さんに理由をいう。

「僕、実は顔見せＮＧなんです」
「えっ、イベント出てるよね」
「はい、イベントは仕方ないので……出来る限りは顔見せしない様にしているんです」
「へー、珍しいね」

写真を撮った後に食べる、幸せそうに足をジタバタさせる。

「んんっ」
「ふにぁ」
「くっ」
「ふむっ」
「ゴクッ」
「んーっっ」

上から今井さん仁後さん浅倉さんに下田さんそして雄太さんに僕。
人って本当に美味しいと、無言になるというか何も言えなくなるよね。

「うまいなぁ」
「当然だろ………………あっ」

雄太さんが口を塞ぐ、がもう遅いだろう。
下田さんがコクリッと咀嚼して雄太さんに突っ込む。

「なんや、知ってるんかいなぁここの料理」
「そういえば、青菜グループの経営店だったかここ……青菜のマーク付いてるし」

お持ち帰りメニューを開き、仁後さんがもぐもぐと食べる。

「杏さん……知ってたんですか」
「んー嫌……入る前にマーク付いていたからね……でも入りたくなさそうな感じはしなかったからいいかなぁって」
「………まぁ、今の時刻は責任者居ないんで大丈夫」

仁後さんは苦笑いをし今井さんは少しだけ姿勢をただしている。

「今井さん」
「あー俺の父と祖父は棋士なんだ、スポンサーが青菜グループなんだよね」
「俺も一応青那家よりは低いけど、名家なんだよ」



仁後さんは名家の家系で今井さんは棋士の家系らしい。
凄い事を聞いちゃった、以外な家系の話。

「だから、結構知っているよ…來夢の気持ちは多少理解しているしね」
「お家柄だけじゃなく、アマスの…アイドルって事で結構寄ってくる人もいるから」
「……アイドルって來夢達は結構言われたんじゃない、社交会的な」

仁後さんと雄太さんは苦笑いする、つまり何か言われていたんだろう。

「今は大丈夫だよね」
「……まぁ、継ぐのは兄さんか賢那だからな……兄さんはアマス辞める気はないから、賢那が継ぐ事になるから……」

ゴクリゴクリと甘い麦茶を飲み、一息つく。

「へー賢那くんかあの双子可愛いよね」
「俺は見分けがつかない」
「あー髪の毛短いときの莉那ちゃんか」