僕の義理兄弟

夜ト

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「…………泰生どう」
「んーっ、あぁコレでどう」

僕は文章を見せて、泰生は絵を見せてくる。
僕達はお互いに頷き、遊馬にチエックしてもらい、共通のLI〇Eで原稿の写真を送る。

「俺はいいけど、もっと女の子ぽい感じに長めの髪がいいじゃねー」
「ん……長めか」

ザザザッと顔と髪に肩先まで泰生は素早く下絵していく。
僕はネームに取り掛かる、台詞を書くだけなんだけどね。
絵と台詞の位置を決めるのは基本的に馨さんだから。

「こんなもんか」
「いいんじゃね……で主人公の家はこれでどう」

遊馬が資料を見せる、遊馬はそういう資料集めの役割もあるからね。
それを、建築担当に渡して描いてもらうだ。







雄太目線

雄太視点でお書きします、宜しくお願い致します。


「で、慌てて電話してきたのかよ……今仕事終わりなんだけど」

青梛雄太は溜め息を付きながら、化粧を落としていく、イヤホンからは兄の情けない声が聞こえてくる。
どうやら喧嘩をしてそのまま双子と末っ子は新しく出来た兄と何処かに行ってしまったらしい、まぁ木村が付いていったというから大丈夫だろう。

「謝れば許してくれるさ、ハァーッなんでだよ……」

俺は吐息を付く、もう新しい母と新しい弟が出来て半年が経ち、新しい母はかなり前から親しくしてきたが、お金目当てじゃないと知っている、何て言ったって美和子さんは父をぶっ叩いた張本人だしね。
それから、美和子さんはよく家に来て双子や末っ子の面倒を見てくれるようになった。

「俺達のファンだから、ダメってなら却下だぜ、美和子さんの子供だし賢那達もなついているし、何より俺達を襲わないし」

そう、媚薬とかを飲み物に入れて襲わせるのは俺達の中では常識だ、だがいまだにやらないし、何よりアイツは色恋で俺達を見ていないと分かった、そしてアマスのファンは純粋に応援したいと思ってくれているキラキラした瞳だ。

「そもそも賢那と莉那が懐くってんのがもう大丈夫って事だろう、美和子さんから赤坊が産まれる前に仲良くならなくてもいいけど、少しくらい認めろよ」



「どうかしたの」
「あ……嫌ちょっと」
「………電話の相手って來夢じゃないの」

來夢は賢太の芸名の為、平田棗21歳と中村梅21歳と原苺20に長谷スモモ21歳が興味津々な感じで見てきている。

「棗さん」
「……どうなの」
「はい、兄です」
「喧嘩……珍しい」

梅さんがボソリと呟く、梅さんは無口が売りだが、普段も無口だ。

「へー、原因はなに」

苺さんとスモモさんがイチャイチャしながら、会話に参戦してくる。
この二人実は恋人同士だ。

「どうせ、新しい弟でしょう」

パクパクとポテチを食べながらいう苺の髪の毛を弄っているスモモ。

「確かに……で」
「原因」

棗さんと梅さんが顔を近付けて来て逃がさない様にして来る、詰め寄られた俺は吐息を付く。
どのみち分かるのだから。

「…………弟と妹が家でしたらしく、今盛大に落ち込んでいるみたいで」

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