僕の義理兄弟

真緋琉は有名人

「「「「「「「「キャーッ」」」」」」」」

即席ライブの会場には沢山のファン達がいる。
そうだよね、僕も個人的にはキャーッってやりたいが、僕は今は此方側だ。

「森久保大輔です、今日は来てくれてありがとうしょ」
「只今紹介されました緑川彰です宜しくね」
「置鮎保典です、今日は楽しくいきましょう」
「おはようーさん子安千尋です、楽しましましょ」
「やっほーっ吉野進歩です」
「諏訪部力と言えばーっ」

同じみの紹介に僕は緊張していく、諏訪部さんの言葉で会場は上がっているし。
変な汗が流れる。

「ーっ」

きっと真っ青に成っている僕に、林田さんが話し掛けてくる。

「………大丈夫か」
「ううっ、うーっ…林田さんっ」
「うおっ、大丈夫じゃないなこりゃ」


「林田さんっ」

ダキッと抱き締める。
ううっ足がぶるぶるしている、生まれたての小鹿みたいにきっと成っている。

「ううっ」
「おまっ、おっ………落ち着け深呼吸だ、ついでにその緊張を覚えてろ、緊張するって事はそれだけ練習したって事だ」
「うっう、嘘ですうっ、練習は30分ーっこれは、失敗する事前提の緊張ですっ」

僕の背後から爆笑が聞こえる。
恨めしい声でしかない。

「くっはははっ、唯稀も緊張する事あるんやなぁぶはっ、そんなお前みた事ないぶはっ」

四月一日真緋琉が腹を抱えて大爆笑している、うっすらと涙まで流している。
そんなに、そんなに可笑しいのですかぁ。
覚えてろよ真緋琉。

「………四月一日さん」
「おはようございます、四月一日です宜しくお願いします、で唯稀稀に見ない状態だなぁ」
「真緋琉、ウザい」
「酷いなぁ…」

真緋琉と僕の間にいる林田さんが困惑しているが、林田さんは真緋琉に任せておけばいいだろう。
そんな事より、僕は復習に頭フル回転だ。

「今日の新人さんは」
「可愛らしい声にちょっと恥ずかしがりやな」
「「「唯稀くんですーっ」」」

僕はド緊張のままかちんこちんに。
何故だか足と腕が一緒に………。

「ぷっ」
「ふはっ」
「わわっ、唯稀くんど、どうしたのギャグ」

ううっ、吉野さんに諏訪部さんは笑いを堪えているのに必死だ。
珍しく緑川さんが突っ込む。