僕の義理兄弟

禁句

「お久しぶりです、賢那様に莉那様、柚那様……… お初にお目にかかります莉音様ですねまず、柚那様去年より身長が高くなっていますから少し戻しますね」

挨拶もそこそこに、テキパキと柚那ちゃんを捕まえて寸法していく。
莉那ちゃん達は飽きてきたのか僕が描いた絵本を読んでいる。

「柚那ちゃんおねむ」
「………うー」

柚那ちゃんをどうにか立たせるように、身体を支える。
見かねた佑美が手伝ってくれる。
頼もしい友人だよね、本当に。

「………おっ、大丈夫か………力が入ってない幼児の身体って………お、重いんだな」
「だよね、僕もここに来て初めて知ったよ」

柚那ちゃんは何気に重いんだよね。
体重がそこまであるわけではないのにねぇ。
何でだろうかぁ。

「申し訳ありません、もうすぐですみますから」
「大丈夫ですよ、ゆっくりやって下さい」

「申し訳ありません、莉音様………」
「大丈夫ですよ」
「…はい終わりました、次は…」
「莉那ちゃんと賢那ちゃんどっちがいい」

賢那ちゃんが莉那ちゃんと目を合わせて頷いて、莉那ちゃんが此方に来る。

「りなのおようふくつくって」
「はい、莉那様」

柚那ちゃんを井上さんが回収しに来て、飲み物を置いて去ってしまう、なやら忙しそうだ。

「なんか、使用人少なくないか」
「んーなんか騒がしいよね…。母さんに何かあったかなぁ…高齢出産だし」
「高齢………高齢っておいくつなんだ」
「………４０後半だったかなぁ」

僕は首を傾ける。
（女性に年齢を聞くのはダメなのよっ）
と妖艶に微笑む母の姿を思い浮かべる。
聞いた時………僕には記憶がない。
ただ恐ろしい目に遭ったのは確かだ。

「………女性に年齢は禁句だよ」