僕の義理兄弟

夜ト

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「水で汚れ落としてからハンカチで拭き絆創膏って流れがあるから」
「イヤイヤ普通に使う時どうするのさぁ、何も毎日怪我しないでしょう」

キョトンとする莉音あっと声をだしごそごそとスマホを探すが手錠が邪魔で出来ない、丞に取って貰い僕はスマホの電源を入れるが。

「莉音」

丞が覗き込み呆れた目を僕に向ける。
うん、ごめんなさい。幹さんとの連絡をし動画鑑賞したらまぁ、電源切れるよね。
なんせ、全話見てしまったし嫌寧ろ一日が終わっていない方が奇跡だよ。

「ごめん」
「僕の方の護衛が見つけてくれると思うけど、殴られたくらいでへばる人達じゃないし」

僕はズキンズキンと痛む頭を無視して、父親が僕に宛てた手紙を思い出す。

「丞巻き込んだ、謝ってすむ問題じゃないけどごめん」
「誘拐なら慣れてるよ、それよりも莉音・・この誘拐は莉音が狙いだよ心当たりないの」

丞は僕のせいで巻き込んだ、丞には知る権利がある。

「3歳の時に誘拐された、そして助けに来た父と事故に遭ったんだ、世間では病気で亡くなった事に成っている、僕もずっとそうだと思って居たけど」
「違ったんだね」

コクッと頷く、父親の手紙を見て、父親の死に疑問を知り妊婦の母には聞けないから、真緋琉
に聞いたが事故と誘拐の事しか知らないと言われた、その情報だけでも父親の手紙を読めば理解してしまった。
父親は殺されたんだと。
今回の誘拐は多分同じ犯人だ。

「僕の父親はある国の王族だ」
「へっ、えっエエッ」

慌てて口を塞ぐも間に合わずに、犯人達が気付き乗り込んでくる。

「テメーら何逃げようとしてるんだーっ」

犯人が持っている鉄パイプを僕が避けて、僕はそう、護る力があつた気がする。

「ーっお前ーっ」
「丞だけは逃げてね」
「えっうわっ」

何故だか突風が吹き錆びた窓から投げ出されらがふわふわと着地する。
丞は真っ青な顔で身体が震えてペタリと地面に座り込む。

「なっ、お前」
「主犯はジジィまだ諦めないの、父はあんた達のせいで死んだと言うのに」
「けっ、知るかよ依頼を受けただけだ何せ金に成るからな」
「それにあんな国から抜け出すには、これしかないからな」

この人達は力を使えないんだ、本物が今の今まで見えなかった嫌、見ようとしなかった精霊と呼ばれる小さな色とりどりの羽を背中に持つ小人達と僕に寄り添う、白虎と鳳凰と朱雀。

「ごめんね、みんな見えなくって」
『ふん、我が見えたから狙われた』
『王位継承者の証だからな』

白虎と朱雀が申し訳無さそうに言う、朧気だった記憶が一気に溢れる。
よろける僕を鳳凰が支える。

『やっちゃう』
『やろー』
『火炙り』
『水責め』
『ぐるぐるまきがいいよ』

精霊達が騒ぐ、神獣達が威嚇しているからか精霊達が騒がしいが一瞬で静かになる、あぁ懐かしい。

『莉音、莉音、莉音やっと思い出してくれた、玄武の奴のせいだ』
『精霊王様、お久しぶりです』
『ーっ莉音に精霊王と呼ばれたくない、私の名前を教えているはずだ、まさかだが真名も忘れてはいまい』

精霊王は属性それぞれ、高位が居るが王は一人しかいない僕は何も知らずに契約してしまったが。真名は本人と契約者しか知らない教えてはならない名前。
真名を教えると言うことは、かなり信頼されている証。

「忘れてないよ、僕の大切なお友達くーさま」
『狡いぞ、我は』
「しろ」
『俺は』
「すーさま、そしてほーちゃん」

パタパタと神獣様達の尻尾が忙しなく動くため喜んでいるのが分かる。
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