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俺たちの火魔法 ”FIRE” 7
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「――さて、とりあえず今の時間で一旦締切としよう。誰か、自分の将来の夢を教えてくれる人はいるかい?」
「はぁぁあああい!!!」
「よし、じゃあエンさん!」
ザザのトイレ話の後、15分程のシンキングタイムが設けられた。将来の夢や目標、FIREしてからの計画、それらを考える時間だ。勿論、高々15分程度で今後数十年の夢や目標を考えることは難しいので、まずはとっかかりでもいいから考える機会を与えたというのが近い。
そんな中でも、自分のやりたいことをトップバッターで発表しようとする者がいた。当魔法学校のスーパーエース、エンである。入学ホヤホヤにも関わらず、数多の他属性魔法を高レベルで使いこなす彼女。その目標とは――。
「私はNISA等の税制優遇制度を活用し、毎月生活費の50%以上を資産運用に回します。そして40歳でFIREを達成して、2度とカスの掃き溜めのような”会社に行かなくてよい人生“を謳歌します!」
エンは一呼吸。
「私のFIREの目標は、”会社に行かないこと”です!!!!」
「ブラボー!!!!!!!」
ザザ、今日一番の大きな声。その顔は喜色満面の笑みをたたえ、彼が心の底からエンを祝福してやまないのだと誰が見ても分かるだろう。興奮冷めやらぬザザは、そのままのテンションで演説混じりの声を出す。
「みんな聞いたかい!?エンさんが人生でやりたいことは、会社に行くのをやめることだそうだ!!!実に素晴らしい目標です!この短い時間で具体的なプランを提示できたのもグッドですよ!!!!それに、FIREしてから何をするとか、新しい何かに打ち込むとか、そういったことを全部無視して『会社に行きたくない』という最高の目標を掲げたエンさん!君に拍手だ!!!!」
ザザの大きすぎる拍手の音につられ、教室の誰もが惜しみ無く万雷の拍手をエンに贈る。
エンは心底嬉しそうに笑いながら着席した。その顔を見た男子どもは、『あれ?エンちゃんってこんなに可愛かったっけ……?』と何かに目覚めてしまっているようだ。だがそれも悪くない。恋は男女問わず人を強くするのだ。
「さあ、これで分かったかな皆?FIREってのはこんな目標でもいいんだ!仕事をしたくない、働きたくない、結構なことじゃないか!そのモチベーションこそが、君たちを動かし、お金を稼ぎ、自由への道に誘うんだ!!!!
よし、じゃあ次はドルさん!君の目標を教えてくれ!」
「……承知致しました」
すくっとドルが起立する。自分の夢を大衆の前で話すのはやや気恥ずかしいのか、それでも彼のライバルであるエンがあそこまで語った以上自分も負けられない。フッ!っと一息吐いて気合を入れ直した彼は、誰に言われるでもなく教室の全員を見ながら目標を語る。
「僕は……無料の私塾を開いて、様々な理由によって学業を修めることのできない子供たちに勉学を教えたいと考えました」
「立派ァ!!!!!!!」
ザザ、ボロ泣き。
ついでに教室の皆もボロ泣き。
『ドル……ぼまえならでぎるよ!!!!』
『わだじもドル君の夢応援ずるよ!!!!』
「あ、ありがとう皆。でも、これは僕が成し遂げたいことだ。だから、皆は僕の夢に無理に付き合ってくれなくてもいいんだ。ただ……皆もFIREして余裕が出来た時は、少しだけでいい。僕を手伝ってくれないか?」
『『『手伝う~~~!!!!』』』
全員がドルの立派すぎる夢に感極まって泣き始めた。
そう、FIREした後の目標は人それぞれだ。自分のためにお金と時間を有効活用するものもいれば、ドルのように他者のために己の資金を差し出すものもいる。だが、これこそ人間らしくていいじゃないか。
「はぁぁあああい!!!」
「よし、じゃあエンさん!」
ザザのトイレ話の後、15分程のシンキングタイムが設けられた。将来の夢や目標、FIREしてからの計画、それらを考える時間だ。勿論、高々15分程度で今後数十年の夢や目標を考えることは難しいので、まずはとっかかりでもいいから考える機会を与えたというのが近い。
そんな中でも、自分のやりたいことをトップバッターで発表しようとする者がいた。当魔法学校のスーパーエース、エンである。入学ホヤホヤにも関わらず、数多の他属性魔法を高レベルで使いこなす彼女。その目標とは――。
「私はNISA等の税制優遇制度を活用し、毎月生活費の50%以上を資産運用に回します。そして40歳でFIREを達成して、2度とカスの掃き溜めのような”会社に行かなくてよい人生“を謳歌します!」
エンは一呼吸。
「私のFIREの目標は、”会社に行かないこと”です!!!!」
「ブラボー!!!!!!!」
ザザ、今日一番の大きな声。その顔は喜色満面の笑みをたたえ、彼が心の底からエンを祝福してやまないのだと誰が見ても分かるだろう。興奮冷めやらぬザザは、そのままのテンションで演説混じりの声を出す。
「みんな聞いたかい!?エンさんが人生でやりたいことは、会社に行くのをやめることだそうだ!!!実に素晴らしい目標です!この短い時間で具体的なプランを提示できたのもグッドですよ!!!!それに、FIREしてから何をするとか、新しい何かに打ち込むとか、そういったことを全部無視して『会社に行きたくない』という最高の目標を掲げたエンさん!君に拍手だ!!!!」
ザザの大きすぎる拍手の音につられ、教室の誰もが惜しみ無く万雷の拍手をエンに贈る。
エンは心底嬉しそうに笑いながら着席した。その顔を見た男子どもは、『あれ?エンちゃんってこんなに可愛かったっけ……?』と何かに目覚めてしまっているようだ。だがそれも悪くない。恋は男女問わず人を強くするのだ。
「さあ、これで分かったかな皆?FIREってのはこんな目標でもいいんだ!仕事をしたくない、働きたくない、結構なことじゃないか!そのモチベーションこそが、君たちを動かし、お金を稼ぎ、自由への道に誘うんだ!!!!
よし、じゃあ次はドルさん!君の目標を教えてくれ!」
「……承知致しました」
すくっとドルが起立する。自分の夢を大衆の前で話すのはやや気恥ずかしいのか、それでも彼のライバルであるエンがあそこまで語った以上自分も負けられない。フッ!っと一息吐いて気合を入れ直した彼は、誰に言われるでもなく教室の全員を見ながら目標を語る。
「僕は……無料の私塾を開いて、様々な理由によって学業を修めることのできない子供たちに勉学を教えたいと考えました」
「立派ァ!!!!!!!」
ザザ、ボロ泣き。
ついでに教室の皆もボロ泣き。
『ドル……ぼまえならでぎるよ!!!!』
『わだじもドル君の夢応援ずるよ!!!!』
「あ、ありがとう皆。でも、これは僕が成し遂げたいことだ。だから、皆は僕の夢に無理に付き合ってくれなくてもいいんだ。ただ……皆もFIREして余裕が出来た時は、少しだけでいい。僕を手伝ってくれないか?」
『『『手伝う~~~!!!!』』』
全員がドルの立派すぎる夢に感極まって泣き始めた。
そう、FIREした後の目標は人それぞれだ。自分のためにお金と時間を有効活用するものもいれば、ドルのように他者のために己の資金を差し出すものもいる。だが、これこそ人間らしくていいじゃないか。
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