異世界ギルドで業務効率化 ―残業なし、年間休日130日、有給消化率100%の職場です―

のちのちザウルス

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立ち上がれ、尻の痛みを知る者よ 5

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学校に通い出して数年が経った。
数年の間、ザザは悲しい気持ちで胸がいっぱいであった。汚いのは物理的な面だけではないのだと。

異世界においてもいじめは存在していた。
人間……に限らず、エルフやドワーフ等の他種族においても、社会的弱者をいたぶったり仲間はずれにしたりすることで、精神の安定を保っているのは変わらないらしい。
そして、教員から子供たちに対するいじめもあった。
現代日本では考えられない体罰を繰り返し、授業の一環と称して頭の悪い生徒へ難しい問題を出して他の生徒の笑いものにしたり、昼食も特定の生徒に対して過度に少なくしたりとやりたい放題。大人がやっているからと増長する他の子供もいれば、それらの行為を黙認する教員もいた。
こんな片田舎の小さな学校においても、汚い世界が広がっていたのだ。

「やめろバカ!」

火球でエルフの子供を牽制し、数人に殴りつけられていたリザードマンの生徒を『水魔法』で守る。ザザはすっかり学校の番長もとい風紀委員になっていた。

「あっつ!何すんの、よ!!」

かまいたちが飛んでくる。ザザは炎を纏った拳でかまいたちを殴りつけ、一気にリザードマンのもとまで駆け寄った。そのまま大声でまくし立てる。

「リザ君が手加減してんのが分かんないのか!お前なんか一発で噛み砕かれちまうんだぞ!」
「!?」

ギラリ、と。水魔法で保護されているリザードマンの口に見えるは、鋭く光る大きな歯。今日はこの辺にしといてあげるわ、などと三下じみたセリフを吐き捨て、エルフたちはどこかへと逃げだした。
種族的に、人間やエルフはリザードマンの屈強なフィジカルには適わない。それを知って尚、他種族よりも上手に魔法が使えるといったアドバンテージがエルフの少女たちを増長させていたのだろう。

「さんきゅ、ザザ」
「おー、だいじょぶか。お前つよつよなんだから、一発噛めばみんなやめるだろ」
「パパが女の子は噛むなって言うから」
「そーかよ」

この世界は、魔法の強さが個の強さとされているのだろう。どこをどうしたらこんなムキムキの子供に喧嘩を吹っ掛ける生き物がいるのか知りたいところである。
おそらくはザザが知らないだけで身体強化魔法もあるのだろうし、相手にもっと大きな危害を加える魔法だってあるのかもしれない。魔力が高いと一般的に言われているエルフ種が調子に乗るのは、きっとそんな理由なのだろうと思う。
場所が変わっても、世界が変わっても、相手を見下す本能はどこの世界でも変わらない。
ザザはそれがとにかく嫌だった。
ザザは、少しだけ世界に絶望していた。
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