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魔法修行
しおりを挟むアタシが手紙とかを確認し終わったら頃を見計らって、アリシアさんが話を変えた。
「ここからは少し違った話になるのですが、スーリヤ様に、お嬢様の魔法使い及び冒険者としての指導をお願い出来ないかと。」
「ボクは精霊魔法しか使えないから、魔力操作の指導しか出来ないよ。それでも良いのなら」
「はい!是非お願いしますわ!」
ユリースが熱心に返事する。
これ、もしかして、アタシも付き合わないと駄目なパターン?
魔法使いの魔法とは、自分の属性のない生の魔力を集めて、望む形で放出する事が基本。その時に、望む形に有利に働く属性に魔力を変質させる作業も必要だと。
呪文書は、言葉に乗せて魔力の変化や属性変質のイメージを高める教導が目的であり、術者のイメージ力があれば、無詠唱でも魔法は続行可能らしい。
スキルとして魔法スキルを持っている場合、無詠唱かつイメージ力が微々たるものであっても必ず発動するんだけど、魔法の基礎知識を知っていれば、スキルによる魔法ももっと効果が高まるんだってさ。
ユリースの場合、魔力量も多いし、魔法属性が通常1~2種のところが、なんと全属性。地水火風光闇界が全て使える。結果として、この全ての属性に変えられる魔力特性と膨大な魔力量が、魔暴症の原因になったのだろう、とはスーリヤの考察だ。
ちなみに、アタシの影魔法は界と光と闇の複合した特殊属性らしいよ。
界属性そのものが、世界の根幹に関連する特殊な属性で、一般には空間魔法や時魔法がそれだと言われているらしい。
そんな風に、スーリヤ先生はアタシやアリシアさんにも含めて説明してくれた。
アタシ達はナツコさん、マーニャも含めた6人でランテルム近くの森に来ている。
ユリースもアリシアさんもインペリアルゼブラプレコと極楽鳥の美しさには感動していたようだ。彼女らが高い評価を受けるとアタシも嬉しいね。
ちなみに、ナツコさんもマーニャもアタシは匹とか羽ではなくて、人で数えてるからね。意志疎通が出来てるし、そこは譲れないのだ。
そうして、ユリースの魔法練習が始まった。
掌に魔力をボール状に集め、それを人魂のように回りに飛ばす。
次に各属性を加えて同じように動かす。
アタシもせっかくなんでやってみた。
魔力を意識したことなんてなかったからね。
魔力球までは良かったけど、属性は……界と光と闇?
これが良く判らなくてアタシは練習が止まってしまった。
一方、ユリースは今は、6本の指先に圧縮した小さな魔力球を出現させ、それぞれに地水火風光闇の属性を纏わせている。これをリレー形式で、次々に属性を変える操作ができれば、魔力操作訓練の基本は終わりだそう。
やっぱりこの子、才能はあるのね。それに比べてアタシは……まあ、元オーガの脳筋ですから。
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