90 / 97
空船
しおりを挟む
それは、空に浮かぶ染みのような。
夕暮れが近づきつつある中、何かが此方に向かって飛んで来る。
この期に及んでドラゴンとかは勘弁だとスーリヤは思ったが、誰よりも遠目が効くエルフである。次第に詳細が解ると、スーリヤは呆然とした。
「空を飛ぶ、船だと?!」
何かそんなものをペネロッテから聞いたような。そう、ドワーフに開発を頼んでいたとか……
ナツコが、突然飛び上がって矢のように飛んで行く。
空魚:プレコの特性は何者にも負けない素早さだ。
ナツコは一直線に空を飛ぶ船、魔道船まで空を泳ぐと、船上で舵輪を握る見知ったドワーフ娘を見つけた。
「ベゼリー、アンタ良いところに来た!」
「よお!ナツコさん!一体何が起こってるんだ?ペネロッテは?」
「スタンピードで戦争中よ!アンタ、この船は武器あるの?」
「もちろんだ!そこの水晶球を魔力で操作、敵を捕捉すれば、ガルダム合金製の空飛ぶ槍とか、術者の魔法を拡大して撃つとか出来るぜ!」
「じゃあ、ランテルムを守るためにお願い!手強い敵が居るのよ!」
ナツコの指示する方へ、ベゼリーは船を進める。魔刃についても説明を聞くが、魔道船の表面は魔力コーティングしているため、恐らく飛ぶ暫撃は防げるであろう、とベゼリーは説明した。
「それならば、遠慮なく近付けるわね」
「ピュイ~~イ!」
マーニャが、ナツコを追って魔道船に到着する。
「マーニャ、良いところに来た!一緒にやるわよ!光属性に!」
インペリアルゼブラプレコの上に極楽鳥が乗る。一匹と一羽は、魔道船甲板上の水晶球に魔力を注ぎ込んだ。
夕暮れに光の槍が雨のように降る。それらは一本一本が魔人の元に着弾し……あり得ない空を飛ぶ船の登場と幻想的な光の乱舞にランテルム勢は言葉を失い、魔人騎士団は光の槍によってその活動力を失った。
アタシは魔人ボス、いや、魔人ジェコスと対峙して斬り結んでいたけど、突然の光の乱舞に、飛びすさって周囲の状況を見る。
空に船が浮いてる。
まさかあれは、ベゼリー?!
魔道船が完成して、絶妙なタイミングで到着した?!
魔道船から、今度は、何か黒いものが打ち出されて、周囲のモンスター達がずたぼろにされていく。
きっと設計図にあった槍を連射で撃つガトリングジャベリン?!これはチャンスだ。
「みんなあっ!押し返すチャンスだよぉっ!」
アタシは声を限りに叫んだ。動きを止めていたランテルム勢が勢いづいて閧の声を上げ始める。
これで良い。後はアタシがコイツを倒す!
夕暮れが近づきつつある中、何かが此方に向かって飛んで来る。
この期に及んでドラゴンとかは勘弁だとスーリヤは思ったが、誰よりも遠目が効くエルフである。次第に詳細が解ると、スーリヤは呆然とした。
「空を飛ぶ、船だと?!」
何かそんなものをペネロッテから聞いたような。そう、ドワーフに開発を頼んでいたとか……
ナツコが、突然飛び上がって矢のように飛んで行く。
空魚:プレコの特性は何者にも負けない素早さだ。
ナツコは一直線に空を飛ぶ船、魔道船まで空を泳ぐと、船上で舵輪を握る見知ったドワーフ娘を見つけた。
「ベゼリー、アンタ良いところに来た!」
「よお!ナツコさん!一体何が起こってるんだ?ペネロッテは?」
「スタンピードで戦争中よ!アンタ、この船は武器あるの?」
「もちろんだ!そこの水晶球を魔力で操作、敵を捕捉すれば、ガルダム合金製の空飛ぶ槍とか、術者の魔法を拡大して撃つとか出来るぜ!」
「じゃあ、ランテルムを守るためにお願い!手強い敵が居るのよ!」
ナツコの指示する方へ、ベゼリーは船を進める。魔刃についても説明を聞くが、魔道船の表面は魔力コーティングしているため、恐らく飛ぶ暫撃は防げるであろう、とベゼリーは説明した。
「それならば、遠慮なく近付けるわね」
「ピュイ~~イ!」
マーニャが、ナツコを追って魔道船に到着する。
「マーニャ、良いところに来た!一緒にやるわよ!光属性に!」
インペリアルゼブラプレコの上に極楽鳥が乗る。一匹と一羽は、魔道船甲板上の水晶球に魔力を注ぎ込んだ。
夕暮れに光の槍が雨のように降る。それらは一本一本が魔人の元に着弾し……あり得ない空を飛ぶ船の登場と幻想的な光の乱舞にランテルム勢は言葉を失い、魔人騎士団は光の槍によってその活動力を失った。
アタシは魔人ボス、いや、魔人ジェコスと対峙して斬り結んでいたけど、突然の光の乱舞に、飛びすさって周囲の状況を見る。
空に船が浮いてる。
まさかあれは、ベゼリー?!
魔道船が完成して、絶妙なタイミングで到着した?!
魔道船から、今度は、何か黒いものが打ち出されて、周囲のモンスター達がずたぼろにされていく。
きっと設計図にあった槍を連射で撃つガトリングジャベリン?!これはチャンスだ。
「みんなあっ!押し返すチャンスだよぉっ!」
アタシは声を限りに叫んだ。動きを止めていたランテルム勢が勢いづいて閧の声を上げ始める。
これで良い。後はアタシがコイツを倒す!
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる