92 / 97
お別れ会
しおりを挟む
空飛ぶ船にランテルム公爵や冒険者達も唖然としていたけど、アタシはスーリヤやミシェル達も回収して、魔道船の攻撃設備で残敵を掃討することにした。
特にミシェルやユリースの魔法で攻撃すると、マルチロックオンで的確に倒していける。スタンピードが落ち着くのは時間の問題だった。
問題はその後。当然、こんな強い兵器に見えるものが鮮烈デビューしちゃったから、王公貴族が黙ってる訳ないよね。
ランテルム公爵にも呼ばれて、面会した訳なんだけれども。
「その魔道船があれば、軍事に革命が起こるぞ。それに、移動力、輸送力を考えれば、冒険者ギルドも商業ギルドも放っておかないだろう。それをアーティザン王国に売ってもらう事はできないか?」
「無理。アタシが欲しくて手にいれた、ダンジョン攻略のご褒美だからね。ダンジョン攻略すれば他の人でもヒント貰えるかもしれないよ」
公爵はやっぱりこの船欲しがったか。量産されたらこの世界が激変しちゃうかもだし、そこまでアタシは責任持ちたくない。欲しかったら自力で手にいれるんだね。ヒントだけ出して、魔道船への熱意はダンジョンに向けてもらおう。
アタシはジェコスの事を公爵に言おうか迷ったけど、あまり責めるとユリースが可哀想なので止めた。魔人の正体は黙っておく。
アタシ達はそのまま魔道船でフォードへ、途中、モンスターを掃討しながら向かった。フォードには巨人の集団が襲っていたけど、ケンジが活躍して、なんとか防ぎきっていた。最後はアタシ達も手伝って防衛戦をようやく終える事が出来た。
犠牲者も出たけど、こうしてランテルムとフォードを襲ったスタンピードは終わった。
それから一週間過ぎて。
アタシはドラゴン素材のオークションや魔道船の買取り打診等で権力者や冒険者ギルド上層部、さらには商業ギルドまでも接触を図ってくるようになり、ちょっと、じゃない、非常にめんどくさい事になってきて。
今日はランテルムのレストラン個室を借りて、スタンピード祝勝会とお別れ会だ。
まず、ユリースとアリシアはアタシ達と別れて公爵家に帰ることになった。
元々、アタシに迷惑を掛けた理由から、冒険者ランクBになるまでの条件で家から放逐されていたのがユリースで、その護衛がアリシアだ。
晴れて冒険者ランクBになったのだから、ユリースが帰るのは当然だし、アタシも良かったね、と言いたいところなんだけど。
「このまま一緒に居ると、御迷惑をお掛けすると思います」
ランテルム公爵は、アタシに負い目があることからも無理強いはしてこないと思っていたんだけど、スタンピードの報告を聞いたアーティザン王家から、アタシに召喚状が届いたのだ。
特にミシェルやユリースの魔法で攻撃すると、マルチロックオンで的確に倒していける。スタンピードが落ち着くのは時間の問題だった。
問題はその後。当然、こんな強い兵器に見えるものが鮮烈デビューしちゃったから、王公貴族が黙ってる訳ないよね。
ランテルム公爵にも呼ばれて、面会した訳なんだけれども。
「その魔道船があれば、軍事に革命が起こるぞ。それに、移動力、輸送力を考えれば、冒険者ギルドも商業ギルドも放っておかないだろう。それをアーティザン王国に売ってもらう事はできないか?」
「無理。アタシが欲しくて手にいれた、ダンジョン攻略のご褒美だからね。ダンジョン攻略すれば他の人でもヒント貰えるかもしれないよ」
公爵はやっぱりこの船欲しがったか。量産されたらこの世界が激変しちゃうかもだし、そこまでアタシは責任持ちたくない。欲しかったら自力で手にいれるんだね。ヒントだけ出して、魔道船への熱意はダンジョンに向けてもらおう。
アタシはジェコスの事を公爵に言おうか迷ったけど、あまり責めるとユリースが可哀想なので止めた。魔人の正体は黙っておく。
アタシ達はそのまま魔道船でフォードへ、途中、モンスターを掃討しながら向かった。フォードには巨人の集団が襲っていたけど、ケンジが活躍して、なんとか防ぎきっていた。最後はアタシ達も手伝って防衛戦をようやく終える事が出来た。
犠牲者も出たけど、こうしてランテルムとフォードを襲ったスタンピードは終わった。
それから一週間過ぎて。
アタシはドラゴン素材のオークションや魔道船の買取り打診等で権力者や冒険者ギルド上層部、さらには商業ギルドまでも接触を図ってくるようになり、ちょっと、じゃない、非常にめんどくさい事になってきて。
今日はランテルムのレストラン個室を借りて、スタンピード祝勝会とお別れ会だ。
まず、ユリースとアリシアはアタシ達と別れて公爵家に帰ることになった。
元々、アタシに迷惑を掛けた理由から、冒険者ランクBになるまでの条件で家から放逐されていたのがユリースで、その護衛がアリシアだ。
晴れて冒険者ランクBになったのだから、ユリースが帰るのは当然だし、アタシも良かったね、と言いたいところなんだけど。
「このまま一緒に居ると、御迷惑をお掛けすると思います」
ランテルム公爵は、アタシに負い目があることからも無理強いはしてこないと思っていたんだけど、スタンピードの報告を聞いたアーティザン王家から、アタシに召喚状が届いたのだ。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる