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最終話 ~冬~ え? 神様方が地獄分館を取り潰そうとしている? ウフフ……。ならば私が、彼らに身の程というものを教えてあげるとしましょう。
作戦会議です。
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「それでは、第一回対策会議を始めます」
商議員会の翌日、私は早速関係者を集め、今後の活動方針を決めるための会議を開きました。
地獄分館の閲覧席にはいつものメンバー――とまとさん、ちーずさん、ばじるさん、兼定さん、閻魔様、聖良布夢さん、タカシさんが円陣を組むように着席しています。
本当は事務室のミーティングスペースでやるつもりだったのですが、無駄にでかいゴリラがいる所為で閲覧席での会議となりました。
「では皆さん、商議員共を『ギャフン』と言わせるアイデアをバンバン出してください。なお、つまらないアイデアを出した場合はティラさん・ダイナさんのご飯になってもらいますので、覚悟してくださいね」
「ハイハーイ! 姐さん、オレにいいアイデアがあるっスよ!」
「おや? 聖良布夢さん、自信ありげですね。では、どうぞ」
「ぶっちゃけ考えるの面倒なんで、手っ取り早くシメちまったらどうッスか!」
「はい! クソ頭悪いですけど、これ以上ない程に超魅力的なアイデアをありがとうございます。でも、それは最終手段なので、とりあえず却下です」
輝かんばかりの笑顔で×のフリップを出したら、聖良布夢さんが「ええ~っ!」と大袈裟な叫び声を上げました。
当人としては、絶対採用される自信があったのでしょうね。とても残念そうです。
「聖良布夢さん、そんな顔しないでください。私だって本当は、今すぐ閻魔様をダイナマイトといっしょに人間大砲へ装填して、商議員会のど真ん中に打ち込んでやりたいところなのです。ですが――」
「えっ! 儂? ていうか、儂ごと打ち込む意味はどこ!」
「閻魔様! また私を差し置いて、一人でおいしい思いをするつもりですか! 何と羨ましい……」
ヒゲと変態執事がうるさいですけど、放置しておきましょう。
「――ですが、今回はできる限り正攻法で戦いたいと思っています。真正面から、目にもの見せてやるのです」
「……なるほど、相手の土俵で鼻っ面に一発ブチ込むってことですか。さすが姐さん! 痺れるほどかっこいいッス!」
「いえいえ、それほどでも」
目をキラキラ輝かせた聖良布夢さんが、崇拝するように私を仰ぎ見ます。
純粋な尊敬の眼差しというものは、何度浴びても気持ちの良いものですね。
「けれど、正攻法で届けた我々の気持ちを、彼らが受け取り拒否する可能性は否めません。その場合は速やかに、思いを拳に乗せて語り合う方面へ作戦をシフトする予定です。なので……もしもの時は期待していますよ、聖良布夢さん」
「ウッス、任せてください! オレ、全力で語り合うッス!」
最後は直立不動でビシッと敬礼です。
まったく素晴らしいですね。商議員のクソオヤジ共もこれくらい私を敬うべきです。
商議員会の翌日、私は早速関係者を集め、今後の活動方針を決めるための会議を開きました。
地獄分館の閲覧席にはいつものメンバー――とまとさん、ちーずさん、ばじるさん、兼定さん、閻魔様、聖良布夢さん、タカシさんが円陣を組むように着席しています。
本当は事務室のミーティングスペースでやるつもりだったのですが、無駄にでかいゴリラがいる所為で閲覧席での会議となりました。
「では皆さん、商議員共を『ギャフン』と言わせるアイデアをバンバン出してください。なお、つまらないアイデアを出した場合はティラさん・ダイナさんのご飯になってもらいますので、覚悟してくださいね」
「ハイハーイ! 姐さん、オレにいいアイデアがあるっスよ!」
「おや? 聖良布夢さん、自信ありげですね。では、どうぞ」
「ぶっちゃけ考えるの面倒なんで、手っ取り早くシメちまったらどうッスか!」
「はい! クソ頭悪いですけど、これ以上ない程に超魅力的なアイデアをありがとうございます。でも、それは最終手段なので、とりあえず却下です」
輝かんばかりの笑顔で×のフリップを出したら、聖良布夢さんが「ええ~っ!」と大袈裟な叫び声を上げました。
当人としては、絶対採用される自信があったのでしょうね。とても残念そうです。
「聖良布夢さん、そんな顔しないでください。私だって本当は、今すぐ閻魔様をダイナマイトといっしょに人間大砲へ装填して、商議員会のど真ん中に打ち込んでやりたいところなのです。ですが――」
「えっ! 儂? ていうか、儂ごと打ち込む意味はどこ!」
「閻魔様! また私を差し置いて、一人でおいしい思いをするつもりですか! 何と羨ましい……」
ヒゲと変態執事がうるさいですけど、放置しておきましょう。
「――ですが、今回はできる限り正攻法で戦いたいと思っています。真正面から、目にもの見せてやるのです」
「……なるほど、相手の土俵で鼻っ面に一発ブチ込むってことですか。さすが姐さん! 痺れるほどかっこいいッス!」
「いえいえ、それほどでも」
目をキラキラ輝かせた聖良布夢さんが、崇拝するように私を仰ぎ見ます。
純粋な尊敬の眼差しというものは、何度浴びても気持ちの良いものですね。
「けれど、正攻法で届けた我々の気持ちを、彼らが受け取り拒否する可能性は否めません。その場合は速やかに、思いを拳に乗せて語り合う方面へ作戦をシフトする予定です。なので……もしもの時は期待していますよ、聖良布夢さん」
「ウッス、任せてください! オレ、全力で語り合うッス!」
最後は直立不動でビシッと敬礼です。
まったく素晴らしいですね。商議員のクソオヤジ共もこれくらい私を敬うべきです。
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