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最終話 ~冬~ え? 神様方が地獄分館を取り潰そうとしている? ウフフ……。ならば私が、彼らに身の程というものを教えてあげるとしましょう。
依頼はなんでしょう?
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「一枚目。『現世における明治年間に、他国の天国へ渡航した人の数を知りたい』だそうです」
「あ、これ、儂わかる。確か五十年くらい前に天国庁で出版した本に、こんな統計を載せたはずじゃ」
一問目を聞いて、ひょこっと手を上げた白仙さん。
そう言えばこのヒヒジジイ、入国管理局の現場主任で、統計関係をまとめる担当もしていましたね……。
これはツイてますよ。本当にこの似非仙人が役に立ちました。
「では白仙さん、このレファレンスはあなたに任せます。迅速に必要な資料を集めてきてください。聖良布夢さんとタカシさんは、白仙さんのサポートをお願いします。見た目以上に足腰丈夫な御老体ですが、途中でぎっくり腰にでもなられたら困りますので。――最悪、この老いぼれを見捨ててもよいので、資料だけは持ち帰ってください」
「ちょっと待とうか、宏美さん。あんた、人権って言葉知っとるか?」
今は人権よりも勝利優先です。
「さあ、時間はありませんよ。三人とも、ハリーアップ!」
「了解ッス、姐さん」
「うぃーす」
「――って、ちょっ! 何この荷物扱い! 二人とも、儂、歩けるからぁああああ!」
白仙さんを二人で肩に担ぎ、聖良布夢さんとタカシさんが大会議室から走り去りました。これで一問目のレファレンスは大丈夫ですね。上々の滑り出しです。
では、この勢いのまま二問目に行ってみましょう。
「次の依頼は『平安時代の貴族である小野篁は、生前に地獄の裁判を手伝っていたと聞くが、他にも同じようなことをしていた人がいたか知りたい』ですか。――どうですか、筆頭裁判官とその秘書官」
「ああ、いるいる。たまに来るんだよね。篁君の他にも、三人くらい来たことあるよ」
「確か以前、地獄官報のコラムでそういった話題を出したことがありましたね。地獄官報はここにも送っていますから、保存されているはずですよ」
どうやら閻魔様と兼定さんには心当たりがあるみたいですね。
これは再びラッキー。まさか二問目まで、私達に有利な問題が来るとは!
(……いえ、これはきっと逆ですね)
二問続けば、それはもう偶然ではなく必然です。伊邪那美様がわざとそういう依頼を選んで持ってきたのは明らかですね。
(おそらくこれも、伊邪那美様が言っていた『互角の勝負にする』ための仕掛けなのでしょうね)
伊邪那美様は商議員会の調査記録でも読んで、『なんでもあり』のこの勝負なら、私が一人で戦うことはないだろうと予想したのでしょう。
そこら辺の想像をできるところが、久延毘古氏と伊邪那美様の人の悪さの――いえ、頭の柔らかさと格の違いですね。
で、私が自分の人脈を上手に活かせば勝率が上がる依頼を、彼女は厳選してきてくれたのだと思います。
(ハハッ! 随分ひねくれた勝利の女神がいたものです。普通、こんな回りくどいことしませんって)
ただ、ひねくれてはいてもリアル女神が私へ送ってくれた、最大限のエールです。精々無駄にしないよう頑張りましょう。
――まあ伊邪那美様の場合、それもこれもすべては彼女自身が楽しむためのお膳立てな気もしますけどね。
「閻魔様、兼定さん、この依頼に対する回答をお願いしますね」
「承知いたしました」
「任せておきなさい。分館長の実力、見せてあげるよ」
自信満々な雰囲気を纏って、ゴリラと変態が大会議室を出ていきます。
そもそもあのゴリラが分館長として商議員達を牽制できていれば、この閉鎖&解雇騒ぎも起こらなかった気がするのですが……。
とはいえ、やる気を出しているところに水を差すのもなんですから、黙って見送りましょう。
「あ、これ、儂わかる。確か五十年くらい前に天国庁で出版した本に、こんな統計を載せたはずじゃ」
一問目を聞いて、ひょこっと手を上げた白仙さん。
そう言えばこのヒヒジジイ、入国管理局の現場主任で、統計関係をまとめる担当もしていましたね……。
これはツイてますよ。本当にこの似非仙人が役に立ちました。
「では白仙さん、このレファレンスはあなたに任せます。迅速に必要な資料を集めてきてください。聖良布夢さんとタカシさんは、白仙さんのサポートをお願いします。見た目以上に足腰丈夫な御老体ですが、途中でぎっくり腰にでもなられたら困りますので。――最悪、この老いぼれを見捨ててもよいので、資料だけは持ち帰ってください」
「ちょっと待とうか、宏美さん。あんた、人権って言葉知っとるか?」
今は人権よりも勝利優先です。
「さあ、時間はありませんよ。三人とも、ハリーアップ!」
「了解ッス、姐さん」
「うぃーす」
「――って、ちょっ! 何この荷物扱い! 二人とも、儂、歩けるからぁああああ!」
白仙さんを二人で肩に担ぎ、聖良布夢さんとタカシさんが大会議室から走り去りました。これで一問目のレファレンスは大丈夫ですね。上々の滑り出しです。
では、この勢いのまま二問目に行ってみましょう。
「次の依頼は『平安時代の貴族である小野篁は、生前に地獄の裁判を手伝っていたと聞くが、他にも同じようなことをしていた人がいたか知りたい』ですか。――どうですか、筆頭裁判官とその秘書官」
「ああ、いるいる。たまに来るんだよね。篁君の他にも、三人くらい来たことあるよ」
「確か以前、地獄官報のコラムでそういった話題を出したことがありましたね。地獄官報はここにも送っていますから、保存されているはずですよ」
どうやら閻魔様と兼定さんには心当たりがあるみたいですね。
これは再びラッキー。まさか二問目まで、私達に有利な問題が来るとは!
(……いえ、これはきっと逆ですね)
二問続けば、それはもう偶然ではなく必然です。伊邪那美様がわざとそういう依頼を選んで持ってきたのは明らかですね。
(おそらくこれも、伊邪那美様が言っていた『互角の勝負にする』ための仕掛けなのでしょうね)
伊邪那美様は商議員会の調査記録でも読んで、『なんでもあり』のこの勝負なら、私が一人で戦うことはないだろうと予想したのでしょう。
そこら辺の想像をできるところが、久延毘古氏と伊邪那美様の人の悪さの――いえ、頭の柔らかさと格の違いですね。
で、私が自分の人脈を上手に活かせば勝率が上がる依頼を、彼女は厳選してきてくれたのだと思います。
(ハハッ! 随分ひねくれた勝利の女神がいたものです。普通、こんな回りくどいことしませんって)
ただ、ひねくれてはいてもリアル女神が私へ送ってくれた、最大限のエールです。精々無駄にしないよう頑張りましょう。
――まあ伊邪那美様の場合、それもこれもすべては彼女自身が楽しむためのお膳立てな気もしますけどね。
「閻魔様、兼定さん、この依頼に対する回答をお願いしますね」
「承知いたしました」
「任せておきなさい。分館長の実力、見せてあげるよ」
自信満々な雰囲気を纏って、ゴリラと変態が大会議室を出ていきます。
そもそもあのゴリラが分館長として商議員達を牽制できていれば、この閉鎖&解雇騒ぎも起こらなかった気がするのですが……。
とはいえ、やる気を出しているところに水を差すのもなんですから、黙って見送りましょう。
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