妖之森~アヤカシノモリ~

hari

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衝撃

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頭が真っ白になった。

「は…?」

美咲さんの言っている意味がわからない。
俺が、妖狐を…殺せる?

俺はしばらくの間、ただ呆然と美咲さんの顔を見つめていた。
その表情は真剣で優しく、俺が落ち着くのを待ってくれているようでもあった。

「…どういうことだよ?それ」

俺は、ようやく絞り出すようにそう言った。

意味不明だし怪しいし、信用できる話じゃない。
でも…もしかしたら、この手で姉の敵を討つことができるかもしれないのだ。

「あなたは妖狐を見た時、どう思った?」

「…大きくて…強そうだなって」

この質問も意味が分からないが、正直に答える。

「そう。妖狐は強いのよ。
その気になれば、辺り一帯の村も山も、すぐに滅ぼせるほどに」

だから何だっていうんだ…?

「何が言いたいんだよ」

「妖狐がなぜあなたを殺さなかったか、分かる?」

「…」

それは…確かに、考えたこともなかった。
あの時は姉を逃がすのに夢中だったし、助かった時も、運が良かったくらいにしか思っていなかった。

「…姉ちゃんを…喰ったから、あ腹が空いてなかったんじゃないの?」

何も思いつかなかったので、適当に答える。
なぜか今回は、『喰った』という言葉に、それほど抵抗を感じなくなっていた。

「いいえ、違うわ。
妖狐は最初から、空腹なんかじゃなかったのよ」

「は…?」

意味がわからない。じゃあ、姉ちゃんはなぜ『喰われ』たのだ。

「ちょっと話が長くなるわ。座ってもいいかしら?」

俺が黙って椅子を指すと、美咲さんは静かにそこに座り、もう一度深呼吸をした。
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