怖い話集 ホラー

洗濯機

ある町の片隅に、古びた洗濯機がある家があった。所有者は高齢の女性で、誰も彼女を訪れることはなかった。町の人々は、彼女の洗濯機が夜な夜な奇妙な音を立てることを噂していた。

ある日、若い女性がその家の近くを通りかかり、好奇心から中を覗いた。洗濯機は古びてはいたが、どこか魅力的に見えた。気がつくと、彼女はドアを開けてしまった。

中には真っ暗な空間が広がっていたが、彼女は思わず足を踏み入れた。すると、洗濯機が突然動き出し、回転音が響き渡る。驚いた彼女は慌てて逃げようとしたが、ドアは閉じてしまった。

その時、洗濯機の中から冷たい手が彼女の腕を掴んだ。彼女は恐怖で声を上げられず、ただ必死に逃れようとした。しかし、次第に洗濯機の中の影が彼女を引き寄せていく。町の人々はその後、彼女の行方を知ることはなかった。

それからというもの、洗濯機の音はさらに大きくなり、誰も近づこうとはしなかった。ただ、夜になると、家の中からは誰かの叫び声が聞こえるようになった。町の人々は、あの洗濯機が何かを吸い込み続けていると噂した。そして、いまだにその洗濯機は動き続けている。