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その家は閑静な住宅街にある。
細い路地を抜けたその先に、ひっそりと門を構える。
僕は通学の近道としてこの道をたまに利用する。普段通らないのは、その家には気色の悪い噂が多く存在するためだ。
噂全てに共通していることと言えば、その家に近づいてはいけないという警告のようなものであることだった。
いつから噂が流れ始めたのか、誰が噂を流しているのか、なぜそんなに多くの噂が存在するのか、謎は多い。
初めてその家の前を通ったときのことを僕はよく覚えている。
夕暮れのオレンジが闇に飲まれ始める時分。
僕はその道を通ってしまった。
ふと、その家に目をやると2階の出窓に何かが置いてあるのが見えた。
目を凝らすと、それは日本人形だったことがわかった。
その人形の無表情さに背筋がゾクっとした。
と思った瞬間、人形の奥の血走った目の存在に気付き僕は腰を抜かした。
その老婆はいつからそこにいたのか。僕が存在に気づいてからも身動きひとつせず、ただじっと僕を見つめている。
僕はすぐに立ち上がり、元来た道を全力で引き返した。
なんなんだアレは……
幽霊やその類いの存在なのだろうか……
別の日。
寝坊をした僕は、遅刻するか例の道を使うか、頭を悩ませていた。
無遅刻無欠席を手放すには惜しい。仕方なく僕は近道を決意した。
朝だからなのか、別に嫌な感じはしなかった。
門のところに白いワンピースを着た小さな女の子が、何かを持って立っていた。
近づいていくうちにそれがぬいぐるみか人形のようなものであることがわかった。
ぬいぐるみは、僕と同じ学校の制服を着ていた。セーラー服だったので女生徒を模しているのだろう。
なぜそんなぬいぐるみがあるのかと少しだけ不思議に思ったが先を急いでいたため、僕は少女に声を掛けず素通りした。
その際に、ぬいぐるみを見るとカッターで切りつけたような後がありボロボロで、さらには首がとれかけていることに少しだけ恐怖を覚えた。
少女の方をチラリと見たが、俯いたままで表情は見えなかった。
その日、近道の甲斐もあり僕はなんとか遅刻を回避した。
数日後。
1人の女生徒が行方不明となった。
細い路地を抜けたその先に、ひっそりと門を構える。
僕は通学の近道としてこの道をたまに利用する。普段通らないのは、その家には気色の悪い噂が多く存在するためだ。
噂全てに共通していることと言えば、その家に近づいてはいけないという警告のようなものであることだった。
いつから噂が流れ始めたのか、誰が噂を流しているのか、なぜそんなに多くの噂が存在するのか、謎は多い。
初めてその家の前を通ったときのことを僕はよく覚えている。
夕暮れのオレンジが闇に飲まれ始める時分。
僕はその道を通ってしまった。
ふと、その家に目をやると2階の出窓に何かが置いてあるのが見えた。
目を凝らすと、それは日本人形だったことがわかった。
その人形の無表情さに背筋がゾクっとした。
と思った瞬間、人形の奥の血走った目の存在に気付き僕は腰を抜かした。
その老婆はいつからそこにいたのか。僕が存在に気づいてからも身動きひとつせず、ただじっと僕を見つめている。
僕はすぐに立ち上がり、元来た道を全力で引き返した。
なんなんだアレは……
幽霊やその類いの存在なのだろうか……
別の日。
寝坊をした僕は、遅刻するか例の道を使うか、頭を悩ませていた。
無遅刻無欠席を手放すには惜しい。仕方なく僕は近道を決意した。
朝だからなのか、別に嫌な感じはしなかった。
門のところに白いワンピースを着た小さな女の子が、何かを持って立っていた。
近づいていくうちにそれがぬいぐるみか人形のようなものであることがわかった。
ぬいぐるみは、僕と同じ学校の制服を着ていた。セーラー服だったので女生徒を模しているのだろう。
なぜそんなぬいぐるみがあるのかと少しだけ不思議に思ったが先を急いでいたため、僕は少女に声を掛けず素通りした。
その際に、ぬいぐるみを見るとカッターで切りつけたような後がありボロボロで、さらには首がとれかけていることに少しだけ恐怖を覚えた。
少女の方をチラリと見たが、俯いたままで表情は見えなかった。
その日、近道の甲斐もあり僕はなんとか遅刻を回避した。
数日後。
1人の女生徒が行方不明となった。
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