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頑張るから
しおりを挟む*** 頑張るから ***
サトウが孕みの時期を迎えたようだ。メルトと一緒の俺でもおかしくなる気分だから一人身にはつらいな。
メルトもニーナも暫く隔離しないと駄目かと思う位サトウの状態が切羽詰まってきた。悪いが外で頑張ってもらうぞ。あわただしくてすまんな、ラッドにエド。
まっ、お主ら若いから大丈夫だろう頑張ってくれと出発させた。
それから2,3日したら、なにかわからないが臭いがする。どこかで、かすかに、覚えているようないないような良い記憶ではないと思いだそうとしていた。
していた時ガースが来た、そしてモブットも。
「この臭い気付いてるか?」とネッドが聞くので
「嗅いだ事があるような気はしてるが、まだ思い出せていない。モブットはどうだ?」
「俺も気になってな。ただ常時使われようなもんじゃないくらいしかわからん。元ナイプのギルマス、ネッドとプラトの元ギルマス、ギースが分からんと言うなら俺たちじゃわからんのも無理ない」
「しばらく、様子をみるか。ギースどうする。」
「イヤな予感がするが、今すぐなにがあるというわけでないからな。外周門は出来たが内門がまだだ。リベトに急ぐように頼んでおく」
「そうだな、モブットと俺は外周壁から外を見てこよう」
「ああ、頼んだ」
ネッドとモブットが見回りに言ってくれたので、俺はリベトとヒルガの工房に行く。二人とも、あれこれとやりたいことが出来て手を広げ過ぎだろう。子供たちの何人か見習い希望者として手伝わしているようだが。とにかく、まず内門の完成だ。そういえばキングスネークの鎧出来たのか?全員分でなくても出来上がり分だけでも装備させておこう。
翌朝、俺も外周壁から見回りをして大狼が居ることに気付いた。大狼はここしばらく姿をみせなかったがと考えながら歩いたその時、風にあおられ臭いが強くなった。
「思い出した、これやヤバイ。ネッドとモブットは何処だ~」
外周壁から叫びながら降りてきた俺に驚いたか、子供たちがモブットのいる方を教えてくれた。
「モブット、ネッドは何処だ!思い出したぞ、この臭い」
「ギース、俺も思い出した。ちょっと騒ぐな!落ち着け。モブットの部屋に行くぞ」
焦った二人に感じたのか、部屋に招き入れてくれた。
「「禁呪の臭いだ」」
モブットに説明しようとしたら、部屋に飛び込んできた。メッツとキキルだ。二人はナイプとプラトからの移住希望者で元斥候を担ってきたから鼻が利く。
「禁呪の臭いが砦の外何か所からしている。もう、大狼が何匹もうろついていやがる。」とメッツ。
「臭いの元を探した。間の悪いことに門と門の間にあるみたいなんだ。確かめようにも今の俺達には無理だ」
キキルの言うのはもっともだ。元冒険者といっても冒険者をやめる奴は身体に何らかの不調があるからやめるんだ。大狼の群れに囲まれたら全滅するしかない。
メッツとキキルに、子供達にこの件はまだ伝えないように言っておく。
頑丈に造られた砦だから、大抵の魔物には破られない。食料も肉も十分にあるから当面大丈夫だ。
そのうちサトウ達が戻ってくると思っていたが、あれよあれよという間に大狼が30匹ほどの群れにふくれあがった。大狼は外周壁に登ろうとするが、外周壁は花が咲くように外側に反り返っている。そのうえ壁の下はえぐれるように掘り下げられている。簡単には登れないし、俺たちも外と連絡が取れない。
禁呪は魔物を集める臭いだ。周辺の魔物が多ければ多いほど集まって暴れる。下手をすると国の半分を破壊する。最後に使われたのは俺が冒険者になって間もない時だ。たしか気が狂った領主が隣の領主に言いがかりをつけたうえ禁呪を使い隣の領主を殺そうとした。隣の領主も気の狂った本人も含め巻き込まれた数領地が魔物に蹂躙された。魔物たちが収まったのは蹂躙して腹がくちくなったか暴れて満足して大人しくなったかと言われている。そのため国王が禁呪と定め、使用したもの、使用を依頼したもの全てを死刑と定めたのだ。
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