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マリ 13
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侵入者した賊の服装は前回の襲撃者と同じものだった。
同一の依頼かと眉間にしわを寄せる王太子。
本日は父親の陛下に婚約破棄したリビエラとの再婚約の許可を得るために陛下に面会の時間を取っていただいたが、実際は…。
1度ならず2度までの襲撃をマリよりシズ殿は許さないと感じている。
2度あることは3度あるなんて生易しいことでは済まない。
陛下への面会が何もなければよいがと内心の不安をなだめつつ王の執務室に向かう自分に薄笑いを浮かべる。
王の執務室は当然城の中でも比較にならぬほど堅固である。
近衛兵が廊下、部屋の前を守護しているのは当然表向きで暗部が常に上からも裏からも守っている。
部屋に案内する事務補佐のモンロビは表は伯爵であるが本来の業務は王の護衛で暗部の長である。
年齢は40代だが多分ローガンはもとより自分も歯がたたないほど強いと思う、魔法ならともかく力業ではマリより強いと感じている。
「陛下はおられるか?」
「ハイ、ロベリエド殿下をお待ちになっておられます。陛下も一服したいそうですので只今お茶のご用意をいたします。」
「悪いな、頼む。」
部屋の中で書類に埋もれているがまだまだ精力的に国を治めていけるご様子だな。
陛下にリビエラ嬢との再婚約の許可を頂くと陛下は常識的判断をしたかと納得され祝福していただけた。
私からの許可伺いに認可の押印を押していただけて思わず安堵した。
「ありがとうございます、陛下。陛下としての最後の仕事をしていただき感謝したします。」
「…どういうことだ。」
父上の言葉が終わらぬうちに上からドサと降ってくるものがある。上に潜んでいた暗部が2人。
モンロビには両脇から首に剣が突きつけられていると思う間にモンロビは左隣に肘打ちし後方に飛んでいる。
部屋には暗部2人と前回マリ宅に侵入者と模擬戦での賊が転がっている。
暗部たちの横にはアクトとエドが立ち剣を構えている。
執務室の暗部は全員倒されているのだな。
廊下の近衛兵たちを黙らしていたのはアクトとエドか。
シズ殿が父上に
「2度あることは3度あるというけれど3度もあってはいけないと思う訳よね、王様。たとえ、王権と言えども私たちの家族に害するなら排除させていただくわ。そこにいるのは模擬戦とマリ宅に侵入した賊よ。部屋の上に潜んでいたのと同じ衣類をつけているのよね。王様の暗部で間違いないかしら?」
「儂は知らんぞ、モンロビなんとかせい。」
の言葉と共にマリの腕から剣が吹き飛んだ。吹き飛んだとしか言えない。
マリの腕から血が滴り落ちているが、マリがモンロビを押さえつけ動けなくさせた。
その瞬間モンロビの両手両足はナイフで床に縫い付けられた。
顔が上を向いていないので表情が見えないが、父上の顔色は血の気がなくなっていく。
「王様は私の言葉を聞いてないのかしら。私の家族に手を出すと潰すわよと言ってるでしょう。王家の1つや2つ潰したって私は全然問題ないからね。どうするの?」
「王家を、このハーフ国王家がどれだけの血を流して1つになったかわからぬか小娘が!王家となるにはどれだけの苦労をしたことか我が祖先が。」
「苦労してまとめた国ならば大事にしなさいな。私達に手出ししなければこんな結果にならなかったのよ。」
「ロベリエドの子たちの力があれば、この国はもっと良くなるのだぞ。お前がマリがロベリエドの正妃にさえなればこの王座は盤石になるものがわからぬか?」
「王様、私がロベリエド殿下の正妃になっても王座が盤石にはならないわよ。力で抑えるのはわかりやすいけど力はあくまで力でしかないもの。やがて力が衰えた時覆されることがあるのよ。
民は愚かで自分たちの言うとおりにしてればよいのだなんて思っているととんでもない。
民のため国のために政治を行ったものだけが長い王権を持ち続けるのよ。私の世界の歴史は証明しているわ。
王様が行いたい善政が貴族のためなかなか実現できなかったのは残念だけど、どのような人物でも1度では出来ないのよ。
私たち祝福の女性も大海の中の一滴にしか過ぎないわ。
私はこの世界に生きるただの一人でしかないわよ。ただ少しだけ、この世界のためになることが出来ればと願う一人でしかないわ。
それにわたしは王の横に並ぼうとは思わない。
ロベリエド殿下の横に並ぶのはリビエラ嬢だわ。」
「マリも今回が最後だ。これでも手を出すなら我々はこの国から出ていく。新たに住める地を探す。これはマリの農園とシュナイダ砦すべての総意だ。」
「父上、退位してください。私がリビエラと共にこの国を導きます。マリは側妃として自由に農園でこの国のため食糧事情を改善してくれるでしょう。シズ殿はシズ殿で冒険者として魔物討伐に力を貸して下さるでしょうから。少なくとも私はこのお二人と良好な関係を築いていきたいと考えています。」
シズの迫力に負けたのかそれとも出国されるとまずいと考えたか知らないけれど、こうしてロベリエド殿下がリビエラ嬢との結婚を機に王位継承することとなった。
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