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プロローグ-出会い-

-1-『とりあえず、始まり。』

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 佐倉 柳(さくら やなぎ)はジリジリッッッとなる目覚まし時計を無視して、天井をボーッと見上げながら呟いた。
 「……いつもと同じ天井だ。」
 彼女は学校に行きたくない体を起こして、トイレに行く。
 俺は中二。趣味はアニメを見ること(最近全然見れてない。ストレスだ)、本や漫画を読むこと、絵を描くこと、(自称)自作小説の書くこと。ただ、あくまで趣味なのでそれ以上のことは興味ない。
 「……学校、仮病使って休も。」
 顔を洗い終わって、寝癖の髪を直しながら今日の日程を決めようとした。まあ、特に考えることないんだけど。
 「おはよう。」
 「おはよう……」
 台所に行くとお父さんが朝食を作っていた。
 ウチは海外住まいで所謂父子家庭だ……別にお母さんと連絡取るのを辞めたわけではないが、一緒に住んではいない。お母さんなら、今日本にいて一人暮らしをしてる。ちなみに、お父さんはもう65歳で退職している。こんなクズでいつも本当ごめんな。
 俺が仮病を使う時のお約束で目を細めて、ちょっと眉間にシワを寄せ、ちょっとフラフラしながら歩いて椅子に座った。
 「……お父さん、今日なんか気持ち悪い。」
 「はぁ……今日は何なんだ??」
ため息つきながら、聞いてくるお父さん。
 「どうせ、寝足りないからだろ!??」
 「……ち、違う。寝足りないから気持ち悪いのとちょっと違うというか……」
 嘘だ。というか、寝足りない訳でも気持ち悪いのさえ嘘だ。ちなみに、『仮病使って休むのは犯罪だろ??』と思う方もいるが、知らん(お父さんは言ってた)。
 「……寝れば休むのか??」
イラついたように聞くお父さん。
 「分かんない……必要だとは思うけど……」
 「はぁ……お父さんと一緒に学校行く時間になるまで休みなさい。」
 「わ、分かった……」
 案外あっさり受け入れたと思っている人もいるだろうから説明するけど……仮病使って学校とか習い事を休むのはもう10回以上でお父さんは疲れているだけだ。
 それと、何でお父さんが学校に行くのかというと、お父さんは退職しているが、ボランティアで決まった授業で決まった時間に副教師を俺と同じ学校でしているのだ。だから、『丁度行くから一緒に来なさい』ってことなんだろう。
……行かないけど。
 自室に戻ってベットに潜る。その後ちょっとくらいで、お父さんが「……せめて何か食いなさい。」と言ってマンゴーを半分以上切ったヤツと紅茶、ヨーグルトを渡した。めちゃくちゃ有難い。つか、普っ通にお腹空いてた。

 その後もやはり仮病を使い、学校を丸一日休んだ。
 『あーあ、もし異世界なんてものがあるんだったら、行ってみたいな~。まあ、どうせこんなクズじゃ行く権利もないし、非現実的すぎて無理なんだろうけど。』と今日も厨二腐った(自覚有り)なことを夢見ながら。




 月日が経って9月ーーー。ニュースの先で誰かがマンションの5階から飛び降りて自殺したというニュースが流れていた。その子は中学二年生で、「佐倉 柳」だった。
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