1 / 6
第1章
私が初めて「あれ?」と思った日。
しおりを挟む
まず始めに、私が短大生だった頃のお話をします。
私は将来、保育士になりたくてとある短大へ入学しました。
新しい場所、新しい友達、初めての一人暮らし。
これから楽しい日々が新たにスタートするんだろうとワクワクしていました。
入学式の日、誰も知り合いの居ない中ドキドキしながら一人椅子に座っていました。
しばらくして、隣に一人の女の子が「隣いいですか?」とにこやかに話しかけてきてくれました。
私は突然だったので、思わず立ち上がり少し慌てて「どうぞ」と彼女に笑顔で返答しました。
「やったー!ありがとう!」と、とても元気な女の子だったので、私の緊張もスッとなくなっていきました。
「どこから来たの?」と聞かれ、「◯◯高校から」と返事をしたら「じゃあこの街は初めて?」と聞かれ、「遊びに来たことがある程度で」とちょっと照れながら話しました。
この何気ないやり取りこそが、この当時から私が1番苦手としていた「コミュニケーション」だった。
苦手なんだけれど、どんどん話が進んでいき、気付いたらサークルの話になっていた。
「サークル何入るか決めた?」と聞かれ「あ、えっと…まだ決めてなくて」と答えたら「じゃあ、同じサークルに入らない?」と言われ「あれあれ!」と彼女が指を指した方向にはよさこいサークルが。
よさこい…ってダンス?演舞?だったっけ。
私に出来るのかな…。
ちょっと不安になったけど、せっかく誘ってくれてるし、何だか話しやすい子だし…彼女に任せてみよう。
そう考えて、「うん!いいよ!」と何とか答えることが出来た。
その時は自分の意見や考えを言うことも苦手で、周りがあれをやりたいと言えばそれについて行き、明日みんなでカラオケに行くけど来れるよね?にも本当は予定があるにもかかわらず「うん!」と答えて、今思えば本当に相手にずっと付いて行くタイプだったなと思う。
そんなこんなで、あっという間にサークルに届けを出して、結局この子とは友達になれたのかどうかもわからないスピードで色々決まっていった。
学校が始まってからは、友達もたくさんでき、授業も何だか楽しかった。
いつも連むグループも出来たりして、何をするのもいつも一緒だった。
そんなある日、突然授業内容が難しくなった。
正確に言うと、一つ一つのことは時間をかければ出来るのに、短大ということもあって何十種類の教科を一度にやらなきゃいけない。
でも時間は待ってはくれなくて、どんどんどんどん先に先にと進んでいく。
いつしか私は、それが物凄く苦痛になってしまった。
学校に通い始めて半年で、私は学校を休むようになった。
そんな状態でも、サークルの先輩や友達は心配してくれて「せめてサークルには顔出しにおいで」と言ってくれて、学校には行けなかったけれどサークルは続けていくことが出来た。
この時私は、なぜ他のみんなはこの授業の多さについていけるんだろうと、そればかり疑問だった。
私だけ?私だけが周りについていけてない気がする。
そう確実に思うようになったのが入学してから1年経った頃だった。
この瞬間こそが、私が初めて「あれ?」と思った瞬間だった。
私は将来、保育士になりたくてとある短大へ入学しました。
新しい場所、新しい友達、初めての一人暮らし。
これから楽しい日々が新たにスタートするんだろうとワクワクしていました。
入学式の日、誰も知り合いの居ない中ドキドキしながら一人椅子に座っていました。
しばらくして、隣に一人の女の子が「隣いいですか?」とにこやかに話しかけてきてくれました。
私は突然だったので、思わず立ち上がり少し慌てて「どうぞ」と彼女に笑顔で返答しました。
「やったー!ありがとう!」と、とても元気な女の子だったので、私の緊張もスッとなくなっていきました。
「どこから来たの?」と聞かれ、「◯◯高校から」と返事をしたら「じゃあこの街は初めて?」と聞かれ、「遊びに来たことがある程度で」とちょっと照れながら話しました。
この何気ないやり取りこそが、この当時から私が1番苦手としていた「コミュニケーション」だった。
苦手なんだけれど、どんどん話が進んでいき、気付いたらサークルの話になっていた。
「サークル何入るか決めた?」と聞かれ「あ、えっと…まだ決めてなくて」と答えたら「じゃあ、同じサークルに入らない?」と言われ「あれあれ!」と彼女が指を指した方向にはよさこいサークルが。
よさこい…ってダンス?演舞?だったっけ。
私に出来るのかな…。
ちょっと不安になったけど、せっかく誘ってくれてるし、何だか話しやすい子だし…彼女に任せてみよう。
そう考えて、「うん!いいよ!」と何とか答えることが出来た。
その時は自分の意見や考えを言うことも苦手で、周りがあれをやりたいと言えばそれについて行き、明日みんなでカラオケに行くけど来れるよね?にも本当は予定があるにもかかわらず「うん!」と答えて、今思えば本当に相手にずっと付いて行くタイプだったなと思う。
そんなこんなで、あっという間にサークルに届けを出して、結局この子とは友達になれたのかどうかもわからないスピードで色々決まっていった。
学校が始まってからは、友達もたくさんでき、授業も何だか楽しかった。
いつも連むグループも出来たりして、何をするのもいつも一緒だった。
そんなある日、突然授業内容が難しくなった。
正確に言うと、一つ一つのことは時間をかければ出来るのに、短大ということもあって何十種類の教科を一度にやらなきゃいけない。
でも時間は待ってはくれなくて、どんどんどんどん先に先にと進んでいく。
いつしか私は、それが物凄く苦痛になってしまった。
学校に通い始めて半年で、私は学校を休むようになった。
そんな状態でも、サークルの先輩や友達は心配してくれて「せめてサークルには顔出しにおいで」と言ってくれて、学校には行けなかったけれどサークルは続けていくことが出来た。
この時私は、なぜ他のみんなはこの授業の多さについていけるんだろうと、そればかり疑問だった。
私だけ?私だけが周りについていけてない気がする。
そう確実に思うようになったのが入学してから1年経った頃だった。
この瞬間こそが、私が初めて「あれ?」と思った瞬間だった。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる