生きづらいと思ったら発達障害でした。

黄昏の空

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第2章

短大を辞める決断、そして就職の世界へ。

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結局、私は数多くの授業に手が回らなくなり、周りから取り残される組になってしまった為入学1年目にして、短大を辞める決断をした。

自分の親からは物凄く怒られ、時間は少しかかってしまったけれどちゃんと就職をすることを条件になんとか許してもらった。

短大を辞めてから、就職探しの旅が始まった。
それまで短大で仲良くしてくれていた友達たちとはスパッと縁を切り、新たな人生をスタートさせた。
なぜ縁を切ったのかは、やっぱり私は人付き合いが苦手で、みんなは学生なのに私だけ違う世界に行ってしまったような気がしたからだった。

数日かけて色んな所に面接に行った。
もちろん落ちてしまった所もたくさんあったけれど、ちゃんとした職場に受かるまではアルバイトをすることにした。
その当時は借りていたアパートの近くの100円ショップのアルバイトに受かり、しばらくはそこで地道にアルバイトをしていた。

ここで、次の私の「あれ?」が発動する。

アルバイト先では自分なりに一生懸命仕事に取り組んでいた。
私にはどうやらこだわりがあるらしく、商品の陳列はきちっとしていないと気が済まない。
その為か他の作業時間が押してしまい、仕事が遅いと店長に怒られるのが当たり前になっていた。

なんで?どうして?
私はただ商品を綺麗に並べたいだけなのに。

仕事を丁寧にこなす事は悪い事なの?

店長に怒られるたびに、反抗することはなかったけれどいつもそんな疑問を抱いていた。

そして、自分では仕事が遅いとはこの時はまったく気付いていなかったし、自覚もなかった。

働いていくうちに、そんなモヤモヤが生まれだんだん仕事も嫌になってきていた。
これは早くちゃんとした就職先を見つけないと…
心の中で焦りが出ていた。

そんなある日、ハローワークでポンと紹介されたのがホテルのウエイトレスの仕事だった。
ウエイトレスなんてもちろん経験はない。
しかも自分は人付き合いが苦手なうえ、コミュニケーションも得意ではない。

ハローワークの担当の人に「他の仕事はないですか?」と聞くも「う~ん、今はこの仕事が条件に合ってると思うんですよね。しかも急募ってなっていますし。」

私が出した「条件」というのが、いち早くアルバイトを辞めたかったので直ぐに働けるところ。
そして、その当時住んでいたアパートから通勤可能範囲内なこと。
交通費が支給されたり、ボーナスもあるなど手厚い職場。
何より一人暮らしをしているので、ちゃんと生活出来るだけの給料が貰えるところ、が「条件」だった。

私はしばらくうーん…と顔をしかめていると、「とりあえず面接だけでも行ってみたらどうですか?合わなければお断りもできますし。」
そう言われてしまったら断れないタイプなので、「じゃあ…とりあえず面接だけ。」と言って面接を受けてみることにした。

後日、短大の入学式の時に着たきりだったスーツを出して面接に行った。

ちゃんと話せるかな?
どんな人で、何を聞かれるのかな?
希望理由なんて聞かれたらどうしよう…

向かう道中ずっと頭の中がぐるぐる回っていて、結局面接先のホテルに着くまで気持ちが落ち着くことはなかった。

モヤモヤ、ぐるぐるした状態でホテルに着く。
受付の人に面接に来たと伝えると、すぐに案内された。

何だか薄暗い部屋…なんか怖い。
ガチャっと扉が開く。
ヤクザみたいな顔立ちのでっかい人が近づいてくる。

私、場所まちがった!?
こ、怖いんですけど!!

「◯◯さん?」とだけ聞かれ、恐る恐る「はい…。」と答えるのが精一杯だった。
ハッとして、慌てて履歴書を出した。
マジマジと履歴書を眺めたあと、「ちょっと立ってみてくれる?」と意味不明なことを言われ、言われるがまま立ち上がると私の周りをぐるりと一周して、上から下までジロジロ見てくる。

冷や汗が止まらなかった。

面接の人が「この体型だと制服はSサイズでいけるか。」

ん?

サイズ確認してたの?

何で?

疑問だらけの中、面接の人がこう言った。
「君、合格ね。」

え、えぇ~!?

質問とかはないの?
もっと色々聞かないの?

「あ、あの…。」
思わず話しかけてしまった。

「うん?どうしたの?」

「面接…しないんですか?」
恐る恐る聞いてみた。

「今したけど?君、合格。」

そんな面接ってあるの?
都会だから?
なんだか適当じゃない?

「はぁ…。」
と返事すると、「さっそく制服のサイズ決めるから試着してきてくれる?」

え、もう本当に決まりなの?
断る暇もなかった。
と言うか、断るのも怖い顔立ち、迫力で何も言えなかった…。

私の初めてのちゃんとした就職先は、このホテルのウエイトレスに決まってしまった。

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