7 / 25
変わる世界
家族会議
しおりを挟む「では、今から緊急家族会議を始める」
そう渡が宣言した。
「みんな知ってると思うが、モンスターがこの世界に出現した。そしてモンスターを倒すとステータスという板を出すことが出来る。」
(ここまでは現状を見ていれば誰でも分かる)
「ステータスには名前、種族、職業、各種能力、スキル、装備などが記されている。」
今のところ渡が言ってることは遥斗にも当てはまるものだ。
「種族は今のところ人間、職業は複数確認されている。」
「ちなみに職業は何が分かってるんだ?」
「ゴホン、とりあえず分かっているのは家族の分だけだ。」
そう渡は言った。
「各々自分の職業とスキルを大まかに説明していこうか。まず、俺の職業は『指揮官』スキルは『同調』、『伝達』、あとは支援系だ。」
そう言って渡は座り、それに入れ替わるようにして美雪が立った。
「次は私ね、私の職業は『錬金術師』でスキルは『錬金』、『遠距離発動』、『効果範囲拡大化』、『鑑定』だけよ」
そう言って美雪は座った。
(父さんと母さんは完全に後衛だな。)
「ちょっと質問いい?」
遥斗は疑問に思ったことを聞いてみる
「別にいいぞ」
「父さんの『同調』って指定した相手を乗っ取るのか?」
「いいや違うぞ。『同調』はかけられる側に了承を得なければならないし、別に乗っ取るわけじゃなくて.....えっとな....」
渡は上手く言葉が出てこないらしく考え込んでいる。
「同じ映像を見ている感じかな?」
(う~んイマイチわからん)
「じゃあ『伝達』は?」
遥斗はこれ以上は分からないだろうと諦めて話題を変えた。
「ん?『伝達』か?それはな簡単に言うと俺を中心にして連絡をとれるスキルだな。これは、お前達同士で連絡をとることは出来ないから、俺が一旦聞いてから他に情報を回す感じだな。」
(便利かと思ったがなかなか面倒なスキルだな)
「距離はどれくらい?」
「今のところは無い」
そう渡は言っているが試したのは家の中だけなので分からない。
「遥斗もう聞くことは無いか?」
「無いよ」
「なら次進めるぞ今度は遥斗だ」
(俺か.....まぁ上から言っていくみたいだししょうがないか)
「俺の職業は『忍者』だ。スキルは実際に使ってないから分からない。大体忍者らしいのに加えて『騎乗』、『探索』などがある以上!」
遥斗は他にもあるのだが簡潔に纏めた。
「えっとじゃあ今度は私かな」
雪の番である。
「職業は『賢者』で、スキルは『気温操作』、『気流操作』、『解析』だよ。」
「なぁ、始めの2つは何となく分かるんだが『解析』はどうなんだ?」
健二が尋ねた。どうやら遥斗が起きる前に話し合っていなかったようだ。
「えっとね、中の構造とか使われてる部品やどんな成分か分かるんだけど何故そうなっているのかとか分からないんだよ」
(なるほど教科書はあるけど教師がいないみたいなものか?)
「だから『解析』は今のところ使い道が無いの」
『解析』は、エンジニアが獲得出来れば驚異的な技術進歩をするだろうが一般人である雪には宝の持ち腐れだった。
「えっと僕でラストかな?僕の職業は『冒険者』でスキルは『探索』、『遠見』、『空間把握』とか地味なものばっかりだよ」
健二は地味だと言っているがなかなか重要なスキルを獲得している。
戦闘よりも大勢を生かすサポートに向いている。
「なぁ『空間把握』ってなんだ?」
これは持っている健二以外全員が疑問に思ったことである。ラノベを読んでいる遥斗は大方予想出来るが.......
「えっとね、範囲内はよく確認出来るってことで.......」
遥斗は予想通りだと頷くがそれ以外がさっぱり分からないと言った様子で首を傾げている。
「試しに兄さんナイフを投げてみて僕はあっち向くから」
「おっけー」
「お、おい」
「やめなさい」
遥斗は了承し渡はキョドり美雪は止めようとする。
「ほい」
遥斗がナイフを投げた。
スッ
それを健二は避けた。さも当然かのように。
「「えっ?」」
それを見ていた渡と美雪は間抜けな声を晒した。
「理解できた?範囲内の物がなんとなく分かるんだよ」
「けどさぁそれって脳の負担デカくないか?」
遥斗はそう言った。
一般的な常識として脳の情報の8割りとされている。その視覚が行き届いてないところを感知しているわけであり脳の負担が大きいのではないか、と遥斗は聞いているわけである。
「はは...結構疲れるかな」
一瞬検証で使っただけでこれである。実戦では致命的なミスを晒す他無い。
(そりゃあそうか)
「職業とスキルに関してはこれで終わりだな」
「そーいえばモンスターを見て倒したんだよな?」
遥斗はふと気になった。
モンスターが現れたのは自分が起きる前である。それならば本来はモンスターが今は来ているはずである。なのに話し合いが出来るほどに静かになっている。
「あぁ、それはね私のスキルなの」
そう美雪が言った
「「「?」」」
遥斗、美雪、健二は首を傾げている。
「私が作ったの」
「へ?」
遥斗はあまりの急展開についていけてないようだ。
「モンスターから出てきた魔石?でね、なにか出来ないな~って弄ってたらね、なんか『虫除け』ならぬ『モンスター除け』出来ちゃったのよ」
「えぇ......」
(簡単に出来すぎだろ)
「おーい話を戻していいか?」
すっかり忘れ去られた渡が声を出した。
「とりあえず戦力?は確認した次は現状できる事だな」
「それなら俺は食料を確保してるよ」
「ん?いつ確保したんだ?」
「昨日だよコンビニ回って買いに行った」
「あぁ、あの時か」
と渡は思い出した様で言う
「けど、モンスターが出てきてたなら余計に危ないじゃない。」
と美雪が言った
「あっ」
昨日は運が良かったが、下手すればモンスターに遭遇してても不思議じゃない。
「ごめんなさい」
遥斗は声のトーンを落としてそう言うのだった。
この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる