都合の良いテンプレなんて存在しねぇ!

依存症🦃

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変わる世界

家族会議

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「では、今から緊急家族会議を始める」

そう渡が宣言した。

「みんな知ってると思うが、モンスターがこの世界に出現した。そしてモンスターを倒すとステータスという板を出すことが出来る。」

(ここまでは現状を見ていれば誰でも分かる)

「ステータスには名前、種族、職業、各種能力、スキル、装備などが記されている。」

今のところ渡が言ってることは遥斗にも当てはまるものだ。

「種族は今のところ人間、職業は複数確認されている。」

「ちなみに職業は何が分かってるんだ?」

「ゴホン、とりあえず分かっているのは家族の分だけだ。」

そう渡は言った。

「各々自分の職業とスキルを大まかに説明していこうか。まず、俺の職業は『指揮官』スキルは『同調』、『伝達』、あとは支援系だ。」

そう言って渡は座り、それに入れ替わるようにして美雪が立った。

「次は私ね、私の職業は『錬金術師』でスキルは『錬金』、『遠距離発動』、『効果範囲拡大化』、『鑑定』だけよ」

そう言って美雪は座った。

(父さんと母さんは完全に後衛だな。)

「ちょっと質問いい?」

遥斗は疑問に思ったことを聞いてみる

「別にいいぞ」

「父さんの『同調』って指定した相手を乗っ取るのか?」

「いいや違うぞ。『同調』はかけられる側に了承を得なければならないし、別に乗っ取るわけじゃなくて.....えっとな....」

渡は上手く言葉が出てこないらしく考え込んでいる。

「同じ映像を見ている感じかな?」

(う~んイマイチわからん)

「じゃあ『伝達』は?」

遥斗はこれ以上は分からないだろうと諦めて話題を変えた。

「ん?『伝達』か?それはな簡単に言うと俺を中心にして連絡をとれるスキルだな。これは、お前達同士で連絡をとることは出来ないから、俺が一旦聞いてから他に情報を回す感じだな。」

(便利かと思ったがなかなか面倒なスキルだな)

「距離はどれくらい?」

「今のところは無い」

そう渡は言っているが試したのは家の中だけなので分からない。

「遥斗もう聞くことは無いか?」

「無いよ」

「なら次進めるぞ今度は遥斗だ」

(俺か.....まぁ上から言っていくみたいだししょうがないか)

「俺の職業は『忍者』だ。スキルは実際に使ってないから分からない。大体忍者らしいのに加えて『騎乗』、『探索』などがある以上!」

遥斗は他にもあるのだが簡潔に纏めた。

「えっとじゃあ今度は私かな」

雪の番である。

「職業は『賢者』で、スキルは『気温操作』、『気流操作』、『解析』だよ。」

「なぁ、始めの2つは何となく分かるんだが『解析』はどうなんだ?」

健二が尋ねた。どうやら遥斗が起きる前に話し合っていなかったようだ。

「えっとね、中の構造とか使われてる部品やどんな成分か分かるんだけど何故そうなっているのかとか分からないんだよ」

(なるほど教科書はあるけど教師がいないみたいなものか?)

「だから『解析』は今のところ使い道が無いの」

『解析』は、エンジニアが獲得出来れば驚異的な技術進歩をするだろうが一般人である雪には宝の持ち腐れだった。

「えっと僕でラストかな?僕の職業は『冒険者』でスキルは『探索』、『遠見』、『空間把握』とか地味なものばっかりだよ」

健二は地味だと言っているがなかなか重要なスキルを獲得している。

戦闘よりも大勢を生かすサポートに向いている。

「なぁ『空間把握』ってなんだ?」

これは持っている健二以外全員が疑問に思ったことである。ラノベを読んでいる遥斗は大方予想出来るが.......

「えっとね、範囲内はよく確認出来るってことで.......」

遥斗は予想通りだと頷くがそれ以外がさっぱり分からないと言った様子で首を傾げている。

「試しに兄さんナイフを投げてみて僕はあっち向くから」

「おっけー」

「お、おい」
 
「やめなさい」

遥斗は了承し渡はキョドり美雪は止めようとする。

「ほい」

遥斗がナイフを投げた。

スッ

それを健二は避けた。さも当然かのように。

「「えっ?」」

それを見ていた渡と美雪は間抜けな声を晒した。

「理解できた?範囲内の物がなんとなく分かるんだよ」

「けどさぁそれって脳の負担デカくないか?」

遥斗はそう言った。

一般的な常識として脳の情報の8割りとされている。その視覚が行き届いてないところを感知しているわけであり脳の負担が大きいのではないか、と遥斗は聞いているわけである。

「はは...結構疲れるかな」

一瞬検証で使っただけでこれである。実戦では致命的なミスを晒す他無い。

(そりゃあそうか)

「職業とスキルに関してはこれで終わりだな」

「そーいえばモンスターを見て倒したんだよな?」

遥斗はふと気になった。
モンスターが現れたのは自分が起きる前である。それならば本来はモンスターが今は来ているはずである。なのに話し合いが出来るほどに静かになっている。

「あぁ、それはね私のスキルなの」

そう美雪が言った

「「「?」」」

遥斗、美雪、健二は首を傾げている。

「私が作ったの」

「へ?」

遥斗はあまりの急展開についていけてないようだ。

「モンスターから出てきた魔石?でね、なにか出来ないな~って弄ってたらね、なんか『虫除け』ならぬ『モンスター除け』出来ちゃったのよ」

「えぇ......」

(簡単に出来すぎだろ)

「おーい話を戻していいか?」

すっかり忘れ去られた渡が声を出した。

「とりあえず戦力?は確認した次は現状できる事だな」

「それなら俺は食料を確保してるよ」

「ん?いつ確保したんだ?」 

「昨日だよコンビニ回って買いに行った」

「あぁ、あの時か」

と渡は思い出した様で言う

「けど、モンスターが出てきてたなら余計に危ないじゃない。」

と美雪が言った

「あっ」

昨日は運が良かったが、下手すればモンスターに遭遇してても不思議じゃない。

「ごめんなさい」

遥斗は声のトーンを落としてそう言うのだった。














この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません






    
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