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変わる世界
偵察
しおりを挟む「じゃあ、次は外へ偵察に出てもらう。」
渡がそう言った。
「誰が行くんだ?」
.....................
ふと呟いた健二の発言に、みんなは黙ってしまった。
外に出るということは、明らかに危険が伴う。家に入れば美雪が作った『モンスター除け』で今のところは防げている。
「遥斗と健二に行ってもらう」
渡がそう宣言した。
「「「!?」」」
「だろうな」
そう遥斗は言った。
「「「?」」」
美雪と健二、雪は分からないようだ。
「まず、父さんは『指揮官』だ。前線に出てきたところで邪魔になる。次に母さんは『錬金術師』だ。戦闘に出せないのもあるし、他にも使えるようなアイテムを開発して欲しい。そして雪は2人の護衛だ。距離を置いて数を相手できるのはお前だけだ。」
「なるほど~。それなら任して!」
雪がそう返した。
「でもそれなら僕が外に出る必要無くない?『冒険者』選んだけど闘えそうなスキル無かったよ」
健二が吐き捨てるように言った。
「いや、意味はあるよ片方が何かあった時に父さんへ報告しなきゃいけないし、健二の『空間把握』を使えば上手く索敵出来るし」
「?」
そう遥斗は言ったが健二は理解出来ないようだ。
「兄さんさっき試した時に分かっただろ?」
試しに実演をしただけであれだけ疲労していたのだ。あの状態を見ておきながら無理強いを言っているのだ自然と健二の顔に皺が出来る。
「あぁ分かってるさ、そのまま使えばお前はすぐに倒れるだろうな」
「なら何故?嫌がらせ?」
段々と健二の機嫌が悪くなる。
「そのまま使えばの話だぞ」
「?」
健二は首を傾げた。
「工夫が大事なんだよ」
遥斗はそう言って笑みを浮かべた。
────────20分後
「「「いってらっしゃい」」」
「「いってきまーす」」
渡、美雪、雪に見送られて遥斗と健二は出ていった。
健二はすぐに目を閉じ『空間把握』を発動させる。
しかし、2分3分と続けるが一向に疲れる様子は無い。
「凄い....凄いよ兄さん」
「ハッハッハーあまり褒めるな弟よ」
普段健二に色々と負けてるため凄いと言われることが無いからか遥斗は悪ノリしている。
遥斗が健二に伝えたのは誰でも思いつくような簡単なことである。
──────無理なら変えればいい。無いなら作ればいい。『空間把握』ってのは、あくまで基礎だ。それを活用するのはお前自身だ。だからやりたい様に作り替えろ!────────
そして遥斗は健二に「そのスキルは絵の具だ、絵の具は薄めて使うのもありだろ?」と言った。
健二は遥斗の言ったことを聞いて『空間把握』を薄く広く使うようにした。
(細かい情報が必要じゃない、どれだけ拾えるかが重要なんだ)
健二は『空間把握』の長所で短所な超近距離高性能スキャンを止めて変わりに生命反応有無だけを調べ範囲を拡大することにした。
(今はこれの方が助かる。モンスターが蔓延ってるんだ群れとか遭遇したくない。それに、生存者がもしいたなら戦力に加えたい。)
戦うスキルを持っているのは遥斗と雪だけである。
他のメンバーも戦えないことは無いが後々強い敵が出てきた時に戦闘スキル無しはお守りになってしまう。そうなってしまえば家族間の空気は悪くなるだろうと遥斗は思っている。
故にメンバーを集めたがっている。
「さて俺も探すとするか~」
健二の薄められた『空間把握』は広範囲になったが、それでも直線では目視の方が発見しやすいのだ。
そして2人は進んで行った。
この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません
今回は凄く短くなってしまいました
明日も更新しますのでどうかお許しを
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