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変わる世界
帰宅
しおりを挟むコンコンッ
軽快な音が発せられる。
遥斗が玄関のドアをノックしたのだ。
「はいはーい」
ガチャッ
そんな音をたててドアが開かれた。
「どうしたの?ノックなんてせずに普通に入ってくればいいのに」
ドアから出てきた遥斗の母親の美雪は当たり前のことを聞いた。それに対して遥斗は
「えぇー!雰囲気って大事じゃん!」
そんなことを言うのだった。
「はぁ...とりあえず中に入りなさい」
呆れた美雪はそう言って遥斗たちを家に入れた。
「ん?この靴誰のだ?」
家に入ると見慣れない靴があった。
「その靴は、海音君の靴なのよ」
「花音君が来てるのかぁ」
花宮 海音とは遥斗の妹である雪の同い年の彼氏である。
「「ただいまー」」
と遥斗と健二が言うと
「「おかえりー」」
とありきたりな返事が返ってきた。
「すいません、お邪魔してます」
そう言ったのが海音だ。
明るめの茶髪に開いているのか分からないぐらい細い目、耳にはピアス穴が開いた男だった。
「気にしなくていいよ~」
遥斗は適当に返した。
(あいつのどこがいいのやら、最近は太ってきてるし)
そう思いながら雪を見る
「.....雪もしかして痩せた?」
「はぁ?そんなわけ.......」
雪がそう言いながら腹を摘むといつもと違う感触があった。
「えっ?嘘?どうして?」
若干パニック状態におちいってる。
「おい雪今何レベ?」
「へ?いきなりどうしたの?」
「いいから答えろ」
遥斗は切羽詰まったように言った。
「えーと....確か8だね」
「はち.......」
遥斗は膝をついた。
「えっ?えっ?どうしたの!?」
雪は遥斗のいきなりの反応についていけない
(クソッただダイエットするだけで、8レベルまで上げないといけないなんて.......)
遥斗はレベルアップによって身が引き締まると考え、楽をして筋肉ボディを手に入れられると思った。
しかし、ちょっと出てた腹が引っ込む程度でレベルを8まで上げなければならないのだ。
現在の遥斗の腹は太っているわけではないが、筋肉がついているわけでは無い。
自分がモテないのはそれが原因だと思っている。
「ていうか、何気にレベル高くね?」
(モンスター除けのおかげで安全なはずなんだがな)
「それはね~」
「そんなこと後でも話せるでしょ」
雪が理由を話そうとしていると美雪が話を遮った。
「それに、海音くんと健二を放ったらかしにしない!」
「「あっ」」
どうやら遥斗たちは2人を忘れていたようで同時に呆けた声を出した。
「いえいえ僕のことなんて」
「僕も大丈夫だよ」
「「.......」」
(なんかごめん!)
言葉にすることは出来なかったがそう思う遥斗であった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「で、行ってみてどうだった?」
渡がそう聞いた。
現在遥斗と渡は書斎にいた。
今回の偵察の結果を報告するためだ。
「えっとまず──────────」
遥斗は偵察に出た後のことを話した。
「はぁ.....なるほどぁ」
話を聞いた渡はため息を吐いた。
「その言い方なら仲間にならないんだろ?」
「うん」
(あいつは強さを求めてるからなぁ、こんな場所に留まるつもりは無いよなぁ)
「はぁ」
遥斗もため息を吐いた。
「そーいば遥斗」
「ん?なに?」
「お前.......」
そう言いながら渡はゆっくりとした動きで遥斗を指さした。
「洗脳されてるぞ」
「..............はぁ?」
「どうした?難聴系主人公になったのか?そんなことしても父さんはヒロインにならんぞ」
「いや、いらないよ!」
「聞こえてないなら、もう1回言ってやる。
お・ま・え・は・せ・ん・の・う・さ・れ・て・い・る」
そう言って渡は遥斗を指さした。
「いや、聞こえてるよ」
「ん?....そうか!意味が分からないのか!いいか洗脳ってのはな」
「意味も分かるよ!話しを進めてよ!」
「す、すまん調子ノリすぎた。」
遥斗がキレ気味に言うと渡もしょぼんとした反応をした。
この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません
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