都合の良いテンプレなんて存在しねぇ!

依存症🦃

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変わる世界

そこにいたのはゴブリンと.......

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「兄さん!..反応が....消えた」

「へ?」
 
健二が言うと遥斗は間抜けな声を出した。
 
(反応が消えたってことは.......死んだ?)

そう考えていると健二がこう返した

「たぶん兄さんが考えている通りで合ってるよ......」

「.......死んだのは弱ってたやつか?」

「違う」
 
(ていうことは衰弱死ではないよな。たぶん戦闘してるよな。)

「はぁ」

遥斗は思わずため息を吐いた。戦闘しているのは確実で遥斗たちは戦闘に参加しないことを条件に見に行く。

遥斗なら別にそれでいいのだが、健二は恐らく放っておけないだろう。たいしてレベルが上がってないのに多数戦は心許ない。遥斗自身さっきゴブリンを刺した時の感覚で少々トラウマ気味になっている。

「でも.....行くしかない」

「うん」

そう2人は言うと複数の生命反応がある場所に急ぎながらも慎重に向かった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「兄さん止まって」

健二が遥斗の肩に手を置き、そう言った。

「そろそろだよ」

そこで遥斗は『隠蔽』を使った。
いちよう『気配遮断』も使っているはずだが、上手く比較して検証することが出来なかったのである。

2人の腕が、足が、顔が、服が薄くなる。薄くなるのだが白っぽくなるのではなく、背景の色に近づいていく。簡単に言うと地味になるのだ、見えなくなるわけではない。

(やっぱり魔攻が低いせいか.......)

今の状態は中途半端だ。探そうとするればバレるし近くにいれば見失うことは無い。

(それでも頼らないといけないんだよなぁ)

「はぁ.......」

遥斗はまたしてもため息を吐いた。

遥斗たちはさっきよりもさらにペースを落として進んでいく。

「この角を曲がった先にいるよ」

「分かった」

そう遥斗は答えると身を縮めて曲がり角から顔出した。

そして、そこにいたのはゴブリンと──────クラスの人気者の三ヶ峯さがみね遼だった。

..............

(いや誰やねん)

遥斗は心の中でツッこんだ。

(テンプレなら武田だよな?)

遥斗はこの状況化で失礼なことを考えていた。

「兄さんジッと見てるだけじゃなくて教えて」

健二に脇腹を肘でつつかれてそう言われる。

「あっ、ごめん」

「謝罪よりか情報が欲しい」

「ゴブリン(5)と1人だね」

「なら助けに行かないと!」

健二が焦って出ようとするのを遥斗は止める。

「大丈夫だ。必要無い」

遥斗の言ってることが本当のことだと健二は分かったようで大人しく黙った。

(三ヶ峯.....思い出したぞ)

逆にクラスメイトのことを簡単に忘れることがおかしいのだが.....。

三ヶ峯   遼

クラスの中心人物で身体能力が高くて健二と似ているが全然違う。
健二がスポーツマンなのに対して三ヶ峯は武人だ、能力が同じでも技術が違う。健二が適当に殴りつけたりするのに対して三ヶ峯は体の弱いところや防ぎ難い場所などを的確に狙うことが出来るのだ。

武道家と表しているのは彼が合気道の全国大会出場者だからだ。ちなみに出場したはいいが体調を崩して不戦敗したらしい。合気道以外も人に教えれるレベルはマスターしている。

故に遥斗は止める必要が無いと言ったのだ。
 
そんなことを考えてる間に三ヶ峯はゴブリンを倒し終えたようだ。

「終わったみたいだ、帰るぞ」

「えっ?でも....」
 
「つべこべ言わずに帰るんだ」

遥斗は無理矢理健二を引っ張った。

(フラグに捕まってたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)

そして全力疾走で家へ向かっていくのだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「はぁはぁ」

「はぁ.......うっ」

走り回って2人は家の近所に戻ってきた。

「なんで逃げたのさぁ?」

「だって、あういうバトルジャンキーと一緒にいると巻き込まれるだろう?だからだよ」

「へ?兄さん知ってるの?」

「まぁな」

遥斗は短く返した。

(なにせ三ヶ峯は他校のヤンキーを練習にもならないとか言って、ねじ伏せてたな。先生からのイメージが良くなり、学校の不良は3日もせず全員消えたっけ。)

正直何故そこまで異常な存在を忘れていたのだろうか、と健二は思ったが疲れていたため口を開くことは無かった。

「帰ろうか」

今度は歩いて家に向かうのだった。







この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません

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