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修行の日々
修行
しおりを挟む「「「ご馳走様でした」」」
遥斗達は朝食を食べ終えた。
『持ち物』に入れておけば腐らないので、消費期限を気にせず食べることが出来る。
ちなみに今日はフレンチトーストだった。
「みんなに聞いてもらいたいことがある」
渡がいきなりそう言った。
「それって今?」
「そうだ」
健二の問いに渡は端的に答えた。
「ちなみに海音君にも聞いてもらう」
「はい、分かりました。」
海音は一切狼狽えること無く、そう返した。
「昨日は遥斗と健二が外に出た──」
そして渡は昨日のことを海音を含めた全員に話し始めた。
「はぁ」
思わず遥斗の口から、ため息が漏れてしまう
「そんな凄い人が同じクラスなのに、なんで忘れてたの?」
雪が当然の疑問を口にしてしまった
「いや、クラスの人とあんまり話さないし」
「あっ、ごめん..............」
静寂が訪れた。
遥斗がぼっちなのは、常日頃から言っている。
なので佐藤家では、基本は友達関係のことは聞かないようにしている。
だから、うっかり口を滑らせた時は反応に困るのだ。
(やめて!静かにされるのが1番心に響く)
モンスターが出現して車通りが無くなったので、
余計に目立つ。
「ゴホンッ、話題が逸れてるぞ」
「そ、そうだね!お父さんこれからどうするの!
」
気まずくなった空気を、渡と雪が無理矢理変えようとする。
「みんなには修行してもらう」
「「「え?」」」
渡以外の全員が同じ反応をした。
「修行?滝にでも打たれるの?」
「いやいや、そんな事しないよ」
「それに何処に行くんだよ」と言って渡は笑った。
「修行は家でする。修行が終わるまでは出ないこと」
「分かったよどうすれば良い?」
「まず健二は────────」
そう言い始めて一人一人に修行の内容を伝えていく。
「みんな分かったな」
渡が確認を取ると頷いた。
「見張りを交代しながらやっていくぞ!では解散」
渡がそう宣言すると雪と海音が見張りをするために窓辺に向かい、遥斗と健二は修行のために自室に戻った。
「ふぅー」
そう言いながら渡が肩を回すとゴキゴキと音が鳴る。
「俺も、もう歳かねぇ」
「あらあら」
渡が呟くと美雪が微笑みながらそう返す。
「よく冷えた麦茶を入れてくれ」
「はいはい」
美雪は持ち物から麦茶の入った容器とコップを取り出した。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
美雪から麦茶を貰うと、渡はそれを一気に飲み始めた。
「ぷはー!」
「これからしばらくはお酒は飲めないわね」
「そうだな......はぁ」
美雪が言った言葉が刺さったのか、渡は下を向く。
「愚痴なら私が聞いてあげるわよ」
「そうだな、頼むよ」
そして2人は見張り番を交代するまで話し続けたのだった。
この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません
久しぶりに更新出来ました。
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