都合の良いテンプレなんて存在しねぇ!

依存症🦃

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修行の日々

修行実施

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「ふぅ」

遥斗はしていた作業を止める。

「やっぱり気持ち悪いな.......生肉を切るのは」

遥斗の手元には包丁とまな板、グチャグチャになった鶏肉があった。

「それでもやらないと、殺れないんだよなぁ」

────20分前

「次は遥斗の修行だが、肉を捌いてもらう」

「肉ぅ?」

「そうだ」

「なんでそんなことを.......」

「しょうがないだろ」

「そうだけど」

(本当は分かってる)

遥斗は忍者という職の性質上敵を殺す時は刺す、引き裂く等の『肉の感触』を感じなければならない。

遥斗は当然これまでの人生で生き物を殺した経験が無い。

ゴブリンの1件で嫌悪をハッキリ感じた。

しかし殺さなければならない。

この世界で殺せないなら唯の荷物になるだけだ。

(それだけは嫌だ)

「やるよ」

「やってくれるか」

「うん」

遥斗がそう返したのと同時にメッセージが現れた。

佐藤  渡からアイテムが送られてきました。受け取りますか?YES/No

「もちろんYES」

───そのような会話をして現在に至る

「さすがに生肉を切り続けると気持ち悪い」

切り続けると言っても、ある程度加工済の肉を1口サイズに切るだけだ。

ちなみに遥斗が切った鶏肉は今夜の晩御飯に使われる。

(まさか晩御飯作らせる口実じゃないよな?)

遥斗は疑問を抱きながらも作業を再開する。

「全然切れねぇじゃん」

愚痴を零しながらも切る。

「はぁ.....」

ため息を吐きながらも切る。

『持ち物』に切った鶏肉を入れてはまた切る。

その作業を何回も繰り返す。

「俺が殺らないと...」

遥斗はたった一言だけ呟くとまた切り出した。

やがて遥斗の修行(調理)は、より丁寧に、より速く出来るようになる。

それに伴い失敗による焦り、不安等が減っていった。

遥斗の瞳が光を失っていく。作業をする様は言われた事を実行するだけのロボットのようなもの。

遥斗は無心でやり続けていた。

『壊れる』という表現が似合う動作だった。

──────時間経過

ドアをノックする音が聞こえた。

「兄さーん入るよ」

健二が部屋に入ってきた。

「.......」

「兄さーん、おーい」

遥斗はかなり集中しているようで反応が無い。

「しょうがないなぁ.......っ!」

健二がそう呟きながら遥斗の肩に触れた瞬間だった

遥斗が健二に向かって突進してきた。健二は警戒を全くしていなかったから、鳩尾にしっかりと入っていた。

「はぁ!」

突進の影響で転倒してしまった健二に対して、遥斗は包丁を右手で刺しに来た。

その瞬間に健二が『空間把握』を全開で使用する。

(指定した空間が理解出来る。向けられた包丁の角度や速度だけでなく兄さんの呼吸音、筋肉の伸縮までも余すことなく感じ取れる。)

「出来る!」

健二は凶器を向けてくる遥斗の右手首を掴み、親指を下に向けさせ手をを外側に捻る。

「いて!....いてててて!」

遥斗の呻き声と共に包丁が落ちる。

健二が行ったのは『2カ条』※1と呼ばれる技だ。
体の構造を利用した技で力を強く込めなくても相手を簡単に無力化出来る。

「ふぅ初めて使った。兄さん大丈夫?怪我してない?」

「痛ぇけど、今のところは怪我にまでなってないよ」

遥斗はそう言うと軽く腕を振る。

「何があったらあんな状態になるのさ」

「分かんない」

「分かんないって、はぁ.....とりあえず危ないから仕舞ってよ」

健二が包丁に指を向ける。

 「そうだな」

遥斗は落ちていた包丁を『持ち物』にしまおうとメニューを開いた。

(そういえばステータス確認してなかったな)

佐藤        遥斗
サトウ     ハルト

Lv3

種族:人間

職業【忍者】

攻撃力33

防御力25

俊敏    32

器用    56

魔攻      9

魔防      6

MP     0/9

お知らせnew

報酬        

スキル【弱者の強襲、格上殺し、偽装、騎乗、不意打ち、探索、身代わり、予想、投擲、隠蔽、気配遮断、狂気化new】

装備:Tシャツ、ジーンズ

称号:無謀の勇気、一般忍者、狂戦士new

持ち物


                                   
                                                       決定


「どうしてこうなった?」

スキルに狂気化、称号に狂戦士が追加されていた。

(器用の伸びが凄すぎる)

各種ステータスが上がっているが器用に関しては一気に20も上がっている。

「どんだけ熱中してたんだよ俺」

「6時間ぐらいだよ」

「え?ホントに?」

「だから呼びに来たんだよ、兄さんはまだ昼飯食べてないでしょ」

「あっ」

その声と共に遥斗の腹から音が鳴った。

「行儀悪いけど、食べながらでも話しは出来るしリビングに行こう」

「そうだな」

そして遥斗と健二は部屋を出ていった。


この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません

※1 警察の逮捕術から引用させて頂きました。
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