都合の良いテンプレなんて存在しねぇ!

依存症🦃

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修行の日々

見張り2

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「もういいよ」

「そうか.......」

そう言った後、2人はしばらく喋る事は無かった。

──────2時間後

「「.......来た」」

2人が同時に呟いた。
2人の瞳に写っているのはゴブリン2体。そして豚の頭と人間の太った体型を合わせたようなオーク1体だった。
今回のゴブリンは棍棒ではなく、刃が欠けている鉄の剣を持っていた。ちなみにオークは鉈を持っていた。

(どっちも刃物持ちか.......)

考えている間にもモンスターは迫ってくる。

「俺がゴブリンをいくけど、オークは健二に頼んで良いか?」

そう言いながら遥斗は小太刀と手裏剣を取り出した。

「分かった、よいしょっ」

健二は体操をし始めた。

「え、どうした?」

「ん?どうしたって、兄さんみたいにっ!僕も準備してるんだよっ!」

「なるほどな。でもさー」

「ん?」

「もう、来てるぞ」

遥斗のその言葉と共に石が健二に飛んできた。

「分かってるよ」

飛んできた石は健二の顔の横を通った。

「投げたのは.......オークか「ブヒョォォォォォオ!!」」

健二の呟きと同時にオークが勢い良く向かって来た。オークに続いてゴブリンも近づいてくる。それに伴い遥斗は健二から距離をとり始める。

「こっちだ!」

遥斗は手裏剣を投げた。

「ギャ?」

遥斗が投げた手裏剣は、ゴブリン達の足元に刺さると薄くなって消えた。

(へーあんな感じに消えるのか)

「ギャギャッ」

「ギャッ!」

1体のゴブリンが遥斗に向かおうとしたが、もう1体のゴブリンが呼び止めた。

「ギギャ?」

「ゴギャッ!ギィギグギャッ!」

「なんだ?」

ゴブリン達が会話をし出すと1体が遥斗を指さした。

「ギャ」

向かおうとしてきたゴブリンが遥斗を見る。憐れむような視線で見る。

「グェッ」

そんな声を出すとゴブリンたちは、遥斗に背を向けて健二の方を向いた。

「ブヒィィ」

健二とオークは戦闘を既に開始していた。

「なっ」

今の1連のやり取りを見た限り遥斗は無視されている。つまりは脅威にならないと思われている。遥斗に青筋が浮かんでいく。

(挑発でもしてるのか?)

あからさまな反応に遥斗の堪忍袋の緒が切れた。

「なんなんだよっ!」

遥斗がもう一度手裏剣を投げると1体のゴブリンの頬を掠めた。

「ギィ」

頬に傷を付けられたゴブリンが振り向いた。どうやら遥斗を敵と見直したようだ。

「ギギャー!」

そして襲いかかってきた。

「ぐっ」

ゴブリンは頭上から遥斗に向かって剣を振り下ろし、遥斗はそれを小太刀で受け止めた。

(重い)

助走と上段からのスイングの影響で、非力なはずのゴブリンでも強く感じる。

(前に遭遇した時は不意打ちだったから勝てたのか)

もう1体のゴブリンが横から突きを放ってくる。

(ヤバっ)

1体目のゴブリンの斬撃を受け止めてしまったせいで2体目の突きに対処出来ない。
しかし、人間とは不思議なもので極限の集中状態になると『スローモーションに感じる』という現象に陥る。今まさに遥斗がそれを体験している。

(角度的に胸か.......終わったかな)

ゴブリンがゆっくりと近づいてくる中で遥斗は無駄に冷静に状況を分析していた。

(彼女の一人でも作っときたかったなぁ)

完全に諦めムードである。

(さよなら俺の人生。出来れば転生しても異世界系は無しでお願いします!)

「ギィ.....ギャアァァァ!」

「へっ?」

遥斗の目の前にいたゴブリンは右手を抑えて蹲っていた。
赤い血が振りまかれる。

「大丈夫ですか!」

凛とした声がした方を向くと黒髪ロングの袴姿で
、矢筒を所持している女子がいた。

「だれ?」




この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません

備考:ラストの女性は胸当て等をしております
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