都合の良いテンプレなんて存在しねぇ!

依存症🦃

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修行の日々

呆気ない終わり

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「.......っ!」

ゴブリンが気持ちの悪い笑みを浮かべた。遥斗は体が固まったかのように感じ、それと同時に身体中から汗という汗が出てきた気がした。
一言で言えばそれは『恐怖』だった。
さっきまでは戦闘の高揚感などにより薄れていた感情だったが、どうやらゴブリンの表情を見てぶり返したようだ。

 (うわぁ….......手汗やばいよ)

遥斗はゴブリンを睨みつけながら、そんなことを思った。

「ギイィ.......」

ゴブリンは気持ちの悪い顔のまま突っ立っていた。


「..............」

「..............」

(あれ?全く動かないぞ)

遥斗が不審に思っているとゴブリンの体が傾き前に倒れた。

「うおっ」

倒れたゴブリンの後頭部に1本の矢が刺さり血溜まりが出来ていた。

そして死体の先にはさっき助けた少女がいた。

1は殺りましたので、お願いしますね」

その少女はこう言って、にこりと笑った。

「あっ...はい」

遥斗は完全に少女の圧に負けた。

「じゃあ私はこれで失礼しま.......嘘でしょ!」

サラッと遥斗にこの場を任せて去ろうとしていた少女が驚いたような声を上げた。

「あ.......うん」

遥斗は少女のテンションの差についていけなくなったのか雑な返事を返した。

「待ってて健二くん。今どかすからね」

そう言って少女は弓を静かに構えた。

「すぅ.......」

息を整える。の視線の先には健二と戦っているオークがいた。そして瞳が鮮やかな翡翠ヒスイの色に変わっていた。

(え、嘘やろ)

遥斗がそう思うのと同時に矢が放たれた。

「ふごっ!」

「うわっ!」

飛んでいった矢は吸い込まれるようにしてオークの後頭部に刺さり、オークはゴブリンと同じように前のめりに倒れた。

(まぁ、戦っている相手がいきなり倒れたら怖いよね)

遥斗はなんとも言えない視線を健二に向けていた。

「健二くぅぅぅぅうううぅん!!」

そう言いながら少女は健二にハグをしに、もとい突進をしにに行った。

「ごふっ!」

「良かったぁ。生きてた。ほんとに心配したんだよぉ」

少女は健二を締めながらそう言う。

「分かった。分かったからとりあえず離し.......」

そこで健二の言葉は途切れた。

「健二ぃい~~!」

遥斗が叫んだ。

「そういうのいいからとりあえず外して」

「あ、はい」

茶番はいらないとでも言ってきそうな様子だった。

「あ、でもまだゴブリンが.......あれ?」

遥斗が周りを見渡すがゴブリンは庭にいなくなっていた。

「まさか中に!?」

「いや、普通に出ていったよ。」

「マジか」

「だから、その、なんていうか、その、あの」

健二の顔色がどんどん悪くなっていく。

「香澄を引き剥がして.......速く」

「OK分かった」

そうして遥斗が少女もとい香澄かすみを説得して健二が解放されるまで5分ほどかかった。




この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません
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