6 / 9
第五話:生徒会のお仕事
しおりを挟む
八宵は状況が飲み込めず、ただ茫然としている。月乃が声をかける。
「今からちゃんと説明するから。よく聞いて」
月乃が言うにはこうである。月読学園の生徒会は普段は事務的な仕事や、学校の行事に関わる仕事を主な活動にしている。しかし、それは表向きだけの話。月乃は生徒会の顧問として、日々の行いとして霊力の備わっている生徒を生徒会へ勧誘している。その目的は、生徒会室の地下にある施設において妖魔退治を行うことである。月乃が生徒会室にある会議用の机を動かし、床を指差す。
「丁度、生徒会長のミコトと副会長のルイが地下室に行ってるところなんだけど、もうすぐ帰ってくるからさ」
月乃の説明を聞いていた八宵は、今だに困惑を示し自身の置かれた状況が理解できないでいた。
(生徒会室の地下……?それに……妖魔退治って……?僕も、生徒会に入ったら妖魔退治しなきゃいけないってこと?)
月乃が八宵の顔を覗き込む。
「確か名前……水城って言ったよな。水城には妖魔の魂を浄化する力が備わってるよ。……お前には是非、うちの生徒会に加入して色々と活動を手伝って欲しいんだけど、駄目かな?」
月乃は心配そうに八宵の顔を見つめている。
(月乃が、僕に生徒会に加入してって言ってる……!僕、僕も生徒会に入りたい!……妖魔退治はよく分かんないけど、大丈夫大丈夫。僕には力が備わってる!)
八宵は勢いよく口を開き声を出す。
「是非……僕も生徒会に入れてください!頑張ります!」
八宵はやる気に満ちた表情をして大きく声を張り上げる。
「良かった……断られたらどうしようかと思った。丁度、地下室から帰ってくる頃だから。もう少し待っててね」
しばらく静寂に包まれる生徒会室。少しすると、地下の少し離れた下の方からタッタッタと二人分の足音が聞こえてきた。
地下へ続く床下の扉がギギギと音を立てて開く。出てきたのは、八宵の幼馴染であり副会長のルイである。ルイは八宵の姿を見つけるや否や、ギュッと苦虫を噛んだような渋い表情をする。八宵は何かルイに声をかけようとするが、先に口を開いたのはルイの方であった。
「なんだよ、お前。来んなっつったろ!お前がいたって……どうせ足手纏いだ。月乃に何言われたかは知らないけど、生徒会なんてよしとけ。いいから帰れ」
八宵はルイの言葉にムッとする。
「そんなことルイに言われる筋合いないよ!僕だって力がある。今証明して見せたんだから。僕はやるって決めたから。生徒会」
しばらく八宵とルイは両者厳しい目つきで睨み合ってしまう。すると、ルイの後ろからもう一人生徒が現れる。黒髪のショートヘアで瞳の色は黄金色をしている。背丈は八宵と同じぐらいか少し低いぐらいである。頭には分かりやすく猫耳のカチューシャをつけている。その男子生徒が八宵の姿を見つけて嬉しそうな声をあげる。
「わ……!可愛い子。もしかして生徒会に入ってくれる新しい子?……うちさ~全然人手不足というか……。今ここにいるってことはさ、君もしかして霊力があるってことだよね?」
男子生徒は八宵の手をとる。
「僕の名前は禅門寺 ミコト(ぜんもんじ ミコト)。生徒会長やってる。よろしくね?」
屈託のない笑顔を見せるその少年は、八宵の生徒会室への訪れを純粋に喜んでいる。八宵も自身の自己紹介を済ますと、じゃあここにいるメンバー全員同い年だね、という話になった。そんな事を話している間にどうやらルイは帰ってしまったようだ。
「ルイの奴~アイツ口悪くてごめんね?悪い奴じゃない。むしろ仲間思いの良い奴だからさ。……あっ今度さ、ちょっとした歓迎会しようね?」
うん、と頷く八宵に笑顔を向けると、次にミコトは月乃に向かって行く。
「せんせ~!これ、今日もいっぱい捕まえて来たよ~!」
ミコトは着けているボディバッグから次々と小瓶を取り出していく。その小瓶は先ほど八宵が月乃から見せられた、妖魔の魂が入っている小瓶と形状が全く同じである。小瓶の中は薄紫色の靄で充満しており、素人目にも邪気を放っているのが感じ取れる。月乃がミコトに声をかける。
「あぁ、ありがとな。今日も。こいつさ、妖魔の魂浄化できる力があるから。まぁ、色々教えてやってくれないかな?」
「ハイハイ。オッケーオッケー。じゃあ、僕は今日は帰るね~先生、戸締りはヨロシク」
ミコトは月乃に声をかけると帰り支度をしだす。八宵は月乃に声をかけた。
「僕も……地下の施設で妖魔退治するってこと?」
「いや、お前はまだ補欠だな。とりあえず生徒会室で待機してくれてたらいいから」
「僕も……妖魔退治したい!」
「うーん、お前体力なさそうなんだよな。……じゃあまずは基礎練と体力作り。俺が見てやるから、頑張れるか?」
(月乃が……見てくれる?)
「はい!」
八宵は無事に目論み通り月読学園の生徒会に加入することができた。これから待つ困難も知らずに。
「今からちゃんと説明するから。よく聞いて」
月乃が言うにはこうである。月読学園の生徒会は普段は事務的な仕事や、学校の行事に関わる仕事を主な活動にしている。しかし、それは表向きだけの話。月乃は生徒会の顧問として、日々の行いとして霊力の備わっている生徒を生徒会へ勧誘している。その目的は、生徒会室の地下にある施設において妖魔退治を行うことである。月乃が生徒会室にある会議用の机を動かし、床を指差す。
「丁度、生徒会長のミコトと副会長のルイが地下室に行ってるところなんだけど、もうすぐ帰ってくるからさ」
月乃の説明を聞いていた八宵は、今だに困惑を示し自身の置かれた状況が理解できないでいた。
(生徒会室の地下……?それに……妖魔退治って……?僕も、生徒会に入ったら妖魔退治しなきゃいけないってこと?)
月乃が八宵の顔を覗き込む。
「確か名前……水城って言ったよな。水城には妖魔の魂を浄化する力が備わってるよ。……お前には是非、うちの生徒会に加入して色々と活動を手伝って欲しいんだけど、駄目かな?」
月乃は心配そうに八宵の顔を見つめている。
(月乃が、僕に生徒会に加入してって言ってる……!僕、僕も生徒会に入りたい!……妖魔退治はよく分かんないけど、大丈夫大丈夫。僕には力が備わってる!)
八宵は勢いよく口を開き声を出す。
「是非……僕も生徒会に入れてください!頑張ります!」
八宵はやる気に満ちた表情をして大きく声を張り上げる。
「良かった……断られたらどうしようかと思った。丁度、地下室から帰ってくる頃だから。もう少し待っててね」
しばらく静寂に包まれる生徒会室。少しすると、地下の少し離れた下の方からタッタッタと二人分の足音が聞こえてきた。
地下へ続く床下の扉がギギギと音を立てて開く。出てきたのは、八宵の幼馴染であり副会長のルイである。ルイは八宵の姿を見つけるや否や、ギュッと苦虫を噛んだような渋い表情をする。八宵は何かルイに声をかけようとするが、先に口を開いたのはルイの方であった。
「なんだよ、お前。来んなっつったろ!お前がいたって……どうせ足手纏いだ。月乃に何言われたかは知らないけど、生徒会なんてよしとけ。いいから帰れ」
八宵はルイの言葉にムッとする。
「そんなことルイに言われる筋合いないよ!僕だって力がある。今証明して見せたんだから。僕はやるって決めたから。生徒会」
しばらく八宵とルイは両者厳しい目つきで睨み合ってしまう。すると、ルイの後ろからもう一人生徒が現れる。黒髪のショートヘアで瞳の色は黄金色をしている。背丈は八宵と同じぐらいか少し低いぐらいである。頭には分かりやすく猫耳のカチューシャをつけている。その男子生徒が八宵の姿を見つけて嬉しそうな声をあげる。
「わ……!可愛い子。もしかして生徒会に入ってくれる新しい子?……うちさ~全然人手不足というか……。今ここにいるってことはさ、君もしかして霊力があるってことだよね?」
男子生徒は八宵の手をとる。
「僕の名前は禅門寺 ミコト(ぜんもんじ ミコト)。生徒会長やってる。よろしくね?」
屈託のない笑顔を見せるその少年は、八宵の生徒会室への訪れを純粋に喜んでいる。八宵も自身の自己紹介を済ますと、じゃあここにいるメンバー全員同い年だね、という話になった。そんな事を話している間にどうやらルイは帰ってしまったようだ。
「ルイの奴~アイツ口悪くてごめんね?悪い奴じゃない。むしろ仲間思いの良い奴だからさ。……あっ今度さ、ちょっとした歓迎会しようね?」
うん、と頷く八宵に笑顔を向けると、次にミコトは月乃に向かって行く。
「せんせ~!これ、今日もいっぱい捕まえて来たよ~!」
ミコトは着けているボディバッグから次々と小瓶を取り出していく。その小瓶は先ほど八宵が月乃から見せられた、妖魔の魂が入っている小瓶と形状が全く同じである。小瓶の中は薄紫色の靄で充満しており、素人目にも邪気を放っているのが感じ取れる。月乃がミコトに声をかける。
「あぁ、ありがとな。今日も。こいつさ、妖魔の魂浄化できる力があるから。まぁ、色々教えてやってくれないかな?」
「ハイハイ。オッケーオッケー。じゃあ、僕は今日は帰るね~先生、戸締りはヨロシク」
ミコトは月乃に声をかけると帰り支度をしだす。八宵は月乃に声をかけた。
「僕も……地下の施設で妖魔退治するってこと?」
「いや、お前はまだ補欠だな。とりあえず生徒会室で待機してくれてたらいいから」
「僕も……妖魔退治したい!」
「うーん、お前体力なさそうなんだよな。……じゃあまずは基礎練と体力作り。俺が見てやるから、頑張れるか?」
(月乃が……見てくれる?)
「はい!」
八宵は無事に目論み通り月読学園の生徒会に加入することができた。これから待つ困難も知らずに。
0
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
疎遠だった叔父の遺産が500億円分のビットコインだった件。使い道がないので、隣の部屋の塩対応な美少女に赤スパ投げまくってる件
月下花音
恋愛
貧乏大学生の成瀬翔は、疎遠だった叔父から500億円相当のビットコインが入ったUSBメモリを相続する。使い道に困った彼が目をつけたのは、ボロアパートの薄い壁の向こうから聞こえる「声」だった。隣人は、大学で「氷の令嬢」と呼ばれる塩対応な美少女・如月玲奈。しかしその正体は、同接15人の極貧底辺VTuber「ルナ・ナイトメア」だったのだ!
『今月ももやし生活だよぉ……ひもじい……』
壁越しに聞こえる悲痛な叫び。翔は決意する。この500億で、彼女を最強の配信者に育て上げようと。謎の大富豪アカウント『Apollo(アポロ)』として、5万円の赤スパを投げ、高級機材を即配し、彼女の生活を神の視点で「最適化」していく。しかし彼はまだ知らなかった。「金で買えるのは生活水準だけで、孤独は埋められない」ということに。500億を持った「見えない神様」が、神の座を捨てて、地上の女の子の手を握るまでの救済ラブコメディ。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。
溺愛彼氏は消防士!?
すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。
「別れよう。」
その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。
飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。
「男ならキスの先をは期待させないとな。」
「俺とこの先・・・してみない?」
「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」
私の身は持つの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。
※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる