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恋人関係の始まり
第十五話:ベゼル登場
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第十五話:ベゼル登場
以前、怪異対策課にて取り扱っていた事件で、野良の怪異がミイラになって発見される事件が起きていた。その犯人の聞き取りと面接について、月乃が担当する事になったのである。
ある朝、上司の浅葱から、その怪異から名指しで月乃を呼んでこいと言われた事、月乃でないと話をしないと言っている事を相談された。月乃はどうして自分が…?と不思議に思ったが、上司からの命令なので仕方ない。自分がその怪異相手に面接室に入る事を決めた。
ー面接室にてー
その怪異の男の名はベゼルという。ベゼルが開口一番、口を開く。
「君さぁ、確か月乃君だよねぇ…うちの八宵ちゃんがお世話になってる…」
口元をニヤリとさせて月乃に話しかける。月乃はというと、
「なんだお前、一体何者なんだよ」
と警戒する。
ベゼルは
「僕はさぁ、八宵ちゃんを取り戻せたらそれで良いんだよねぇ、地獄でのーんびり暮らしてたのに勝手に居なくなっちゃってさぁ…」
月乃は
「勝手に喋るな、お前が怪異の霊力吸ってたのはもう分かってるんだからな。なんでそんな事したんだよ」
とベゼルに聞く。
ベゼルは
「僕ら地獄から来たやつが人間界で生きるには霊力を誰かに分けて貰わなきゃダメでねぇ…そのためにちょーっと霊力貰っただけなのにサ…」
とつまらなそうに言う。
月乃は怒った口調で
「そんな勝手な理由で怪異を殺して回ってたのかよ」
と冷たく突き放す。
ベゼルは挑発するかのように
「そうは言ってもさぁ、八宵ちゃんだって人間界で霊力貰ってたんじゃないのー?あぁ、今は君から貰ってるのか…それはそれで甘美な関係性だねぇ」
月乃も流石に苛立ってしまい
「お前は怪異対策課で勾留する事になる、せいぜい豚小屋でそうやって喚いてろクズ」
と吐き捨てるのであった。そうこうしていると聴取できる時間を過ぎてしまっていた。
月乃は仕事を終えると、ベゼルについて八宵に聞いてみるか?と考えていた。しかしあまり面倒な事に巻き込みたくないのだが…。
その日社宅に帰り、八宵にこの事を打ち明けてみた。
「八宵、お前が地獄にいた時の話なんだけど」
八宵の身体がぴくりと殺気立つ。
八宵は俯きがちに
「どうしたの?」
と月乃に聞く。月乃は単刀直入に
「ベゼルっていう男の怪異知ってるのか?」
と八宵に伺う。
八宵静かに口を開き
「ベゼルは僕が地獄で暮らしてた時に一緒にいてくれた悪魔だよ…なんでそんな事、月乃が知ってるのさ」
と。
月乃は
「この間、保護室で、怪異事件の犯人捕まえたっていう話しただろ。その時捕まえた奴がベゼルっていう悪魔なんだよ」
と探りを入れる。
八宵はそっかと何か納得した様子である。月乃は一歩深く聞いてみる事にした。
「ベゼルはお前の一体何?どういう関係性だったんだよ」
八宵も観念して打ち明けることにした。
「僕ら、地獄で付き合ってた…だけど僕の方が嫌になってて…気付いたら地獄を抜け出してたんだよ…その時多分助けてくれた人が居たと思うんだけど…」
月乃はふぅん、と興味のないようなそれでいて少し怒っているような様子で、八宵の話を聞く。
「じゃあ、そいつに抱かれた?」
と八宵聞くと、八宵は
「そんな意地悪な事聞かないでよ…」
と辛そうな顔を見せるのであった。
月乃は、ぐいっと八宵の腕を掴む。八宵は強い力で引き寄せられてしまい、
「月乃?」
と上目がちに聞く。
月乃はというと、心配するかのような顔付きで
「でも、今はもう、俺だけだよな?」
と言うと、八宵は
「そんなの分かってるでしょ、僕は月乃だけのものだし、月乃だって僕だけの月乃だよ。月乃…大好き…月乃、僕はいつも月乃が帰ってくるの良い子にして待ってるんだよ、少しはご褒美が欲しいな」
と話の流れを変えたいという思いもあったのだが、月乃におねだりをしてみた。
月乃は
「じゃあ、今からあげる。ベッドにおいで」
と八宵を自分の方に引き寄せるのであった。
月乃は八宵に深く口付けをする。ハァと息が苦しくなるまでキスをした後はいつもよりも乱暴に八宵のことを抱いてしまうのであった。八宵も昔の彼氏の話をした事で、月乃が不機嫌になっているのには気づいていて、ただされるがままに抱かれてしまうのであった。
――
八宵は、月乃の腕の中でこんな事を考えていた。
(ベゼル…人間界に来てたんだ…じゃあ僕のこと追って来たのかな…月乃からずっと霊力貰ってたお陰で僕の呪力もだいぶ回復してきてるし、もう月乃と一緒にいられないのかもしれない。月乃…大好きだよ。だから月乃には傷付いて欲しくないし、僕がいなくてもきっと元気でいてくれるよね…)
月乃が朝起きると、八宵はいつものように月乃のために朝ご飯を準備したりしている。
「今日はお弁当サンドイッチにしたから、ちゃんと食べてね♡」
と八宵はイタズラっぽく月乃に語りかける。月乃はと言うと、今日は八宵のオーラに元気がないことに気づいていたのだが、ベゼルの聴取も続けなければならないと言うことで、足早に出勤するのであった。
以前、怪異対策課にて取り扱っていた事件で、野良の怪異がミイラになって発見される事件が起きていた。その犯人の聞き取りと面接について、月乃が担当する事になったのである。
ある朝、上司の浅葱から、その怪異から名指しで月乃を呼んでこいと言われた事、月乃でないと話をしないと言っている事を相談された。月乃はどうして自分が…?と不思議に思ったが、上司からの命令なので仕方ない。自分がその怪異相手に面接室に入る事を決めた。
ー面接室にてー
その怪異の男の名はベゼルという。ベゼルが開口一番、口を開く。
「君さぁ、確か月乃君だよねぇ…うちの八宵ちゃんがお世話になってる…」
口元をニヤリとさせて月乃に話しかける。月乃はというと、
「なんだお前、一体何者なんだよ」
と警戒する。
ベゼルは
「僕はさぁ、八宵ちゃんを取り戻せたらそれで良いんだよねぇ、地獄でのーんびり暮らしてたのに勝手に居なくなっちゃってさぁ…」
月乃は
「勝手に喋るな、お前が怪異の霊力吸ってたのはもう分かってるんだからな。なんでそんな事したんだよ」
とベゼルに聞く。
ベゼルは
「僕ら地獄から来たやつが人間界で生きるには霊力を誰かに分けて貰わなきゃダメでねぇ…そのためにちょーっと霊力貰っただけなのにサ…」
とつまらなそうに言う。
月乃は怒った口調で
「そんな勝手な理由で怪異を殺して回ってたのかよ」
と冷たく突き放す。
ベゼルは挑発するかのように
「そうは言ってもさぁ、八宵ちゃんだって人間界で霊力貰ってたんじゃないのー?あぁ、今は君から貰ってるのか…それはそれで甘美な関係性だねぇ」
月乃も流石に苛立ってしまい
「お前は怪異対策課で勾留する事になる、せいぜい豚小屋でそうやって喚いてろクズ」
と吐き捨てるのであった。そうこうしていると聴取できる時間を過ぎてしまっていた。
月乃は仕事を終えると、ベゼルについて八宵に聞いてみるか?と考えていた。しかしあまり面倒な事に巻き込みたくないのだが…。
その日社宅に帰り、八宵にこの事を打ち明けてみた。
「八宵、お前が地獄にいた時の話なんだけど」
八宵の身体がぴくりと殺気立つ。
八宵は俯きがちに
「どうしたの?」
と月乃に聞く。月乃は単刀直入に
「ベゼルっていう男の怪異知ってるのか?」
と八宵に伺う。
八宵静かに口を開き
「ベゼルは僕が地獄で暮らしてた時に一緒にいてくれた悪魔だよ…なんでそんな事、月乃が知ってるのさ」
と。
月乃は
「この間、保護室で、怪異事件の犯人捕まえたっていう話しただろ。その時捕まえた奴がベゼルっていう悪魔なんだよ」
と探りを入れる。
八宵はそっかと何か納得した様子である。月乃は一歩深く聞いてみる事にした。
「ベゼルはお前の一体何?どういう関係性だったんだよ」
八宵も観念して打ち明けることにした。
「僕ら、地獄で付き合ってた…だけど僕の方が嫌になってて…気付いたら地獄を抜け出してたんだよ…その時多分助けてくれた人が居たと思うんだけど…」
月乃はふぅん、と興味のないようなそれでいて少し怒っているような様子で、八宵の話を聞く。
「じゃあ、そいつに抱かれた?」
と八宵聞くと、八宵は
「そんな意地悪な事聞かないでよ…」
と辛そうな顔を見せるのであった。
月乃は、ぐいっと八宵の腕を掴む。八宵は強い力で引き寄せられてしまい、
「月乃?」
と上目がちに聞く。
月乃はというと、心配するかのような顔付きで
「でも、今はもう、俺だけだよな?」
と言うと、八宵は
「そんなの分かってるでしょ、僕は月乃だけのものだし、月乃だって僕だけの月乃だよ。月乃…大好き…月乃、僕はいつも月乃が帰ってくるの良い子にして待ってるんだよ、少しはご褒美が欲しいな」
と話の流れを変えたいという思いもあったのだが、月乃におねだりをしてみた。
月乃は
「じゃあ、今からあげる。ベッドにおいで」
と八宵を自分の方に引き寄せるのであった。
月乃は八宵に深く口付けをする。ハァと息が苦しくなるまでキスをした後はいつもよりも乱暴に八宵のことを抱いてしまうのであった。八宵も昔の彼氏の話をした事で、月乃が不機嫌になっているのには気づいていて、ただされるがままに抱かれてしまうのであった。
――
八宵は、月乃の腕の中でこんな事を考えていた。
(ベゼル…人間界に来てたんだ…じゃあ僕のこと追って来たのかな…月乃からずっと霊力貰ってたお陰で僕の呪力もだいぶ回復してきてるし、もう月乃と一緒にいられないのかもしれない。月乃…大好きだよ。だから月乃には傷付いて欲しくないし、僕がいなくてもきっと元気でいてくれるよね…)
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「今日はお弁当サンドイッチにしたから、ちゃんと食べてね♡」
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