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囚われの八宵
第十六話:略奪される金魚
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第十六話:略奪される金魚
月乃は足早に出勤する。朝すぐにベゼルの聴取をしようとベゼルの収容されている牢獄に向かうとするが、どうにも周囲が騒がしい。
「何があったんですか」
と月乃は自身の同僚のメロディに確認する。メロディは焦っている様子だが、淡々と月乃に告げる。
「ベゼルが呪力を使って脱獄したようです。あの怪異…やたらと八宵の事気にしてたというか、八宵を返せ返せと言ってたので…。八宵君は今、月乃さんの社宅ですか…すぐに確認しに戻った方が良いですよ、アイツはきっと手段を選びません」
と荒れ果てた牢獄で月乃に伝える。
出勤して間もなく、ベゼルが逃げ出した事を知り、すぐに社宅に戻る月乃であった。
社宅に着き、急いでドアを開けると、やはりベゼルが来ていた。部屋の中にはエプロン姿の八宵と、ベゼルがいた。月乃はベゼルの事をギュッと睨み、吐き捨てるように言う。
「お前っ…ここまで来たからには分かってんだろうな、今すぐ八宵から離れないとブチ殺すぞ…」
月乃は自身の使い魔である蛇神のユルルングを召喚する。ユルルングの身体はたちまち大きくなり、とぐろを巻いて月乃の周囲に顕在した。
ユルルングは思いっ切り社宅の壁をその尻尾で叩き、ベゼルを攻撃する。ベゼルはニヤっと不敵な笑みを浮かべたまま、八宵の手を引き自分の胸元へと仕舞い込んだ。ベゼルは挑発するように
「僕の事攻撃していいのぉ…月乃くぅん?こんなにすぐ近くに八宵ちゃんがいるのにさぁっ!!」
と月乃に呼びかける。ベゼルはというと周囲に人間の負の感情を元にした呪力を顕在させて禍々しいオーラを漂わせている。
八宵はというと虚な目をしてただただ、ベゼルに抱かれている。八宵は、どうにかして月乃に退いてもらえないかと、その事だけ考えていた。
月乃は携帯している呪符を懐から取り出すと呪術でベゼルに応戦しようとした。その時、八宵はベゼルを思いっ切り突き飛ばして月乃の方に向かった。
月乃は八宵を引き寄せると自身の後ろに立たせる。
「八宵、ごめんな。怖い思いさせて。俺があいつ、ブッ殺してやるから、安心しろ」
と険しい表情で八宵を諭す。八宵はというと、ぽつりと
「月乃、ごめんね」
と呟くと、自身の呪力を思いっ切り込めて、呪力を月乃の背中側から注入した。強い力を受けた月乃はそのまま前のめりに倒れてしまう。
「なっ……なんで、八宵…。」
「ごめんね、月乃。僕、月乃から霊力分けて貰ったおかげでこんな力も使えるようになっちゃったよ。今まで僕に力くれてありがとう♡これで地獄に帰ってもしばらくは霊力に困らないし、もう月乃のそばにいる必要もないんだよねぇ…」
「お前、俺のこと…利用してたのか?」
「うーん、そういう事になるのかなぁ。でも、ホント今までありがとう、バイバイ月乃。月乃と一緒にいるのにも飽きちゃったし…もうお別れだね。あぁ、月乃はしばらくそこで眠っていてね♡」
月乃は意識を保つのも無理になってしまい、床に突っ伏して眠ってしまった。
八宵が口を開く。
「ベゼル、じゃあ地獄に帰ろっか…」
ベゼルは不満そうに
「うーんなかなかに聞き分けが良いけどさぁ…。八宵ちゃんさぁ、月乃君に抱かれてるよねぇ…しかも、一回だけじゃあないでしょ」
と八宵の腕を掴み、そのまま月乃の部屋の寝室に向かう。
「や…やだ!ここでは絶対に駄目!絶対嫌だから!」
「ふーん、でもそんな事言っても僕の腹の虫が収まらないんだよねぇ、それにそんなに嫌だって言って貰えたらさぁ…むしろ興奮するんだよねぇ」
ベゼルは八宵をベッドの叩きつけるようにして組み敷くと、嫌がる八宵をよそにただただ犯すのであった。
月乃は足早に出勤する。朝すぐにベゼルの聴取をしようとベゼルの収容されている牢獄に向かうとするが、どうにも周囲が騒がしい。
「何があったんですか」
と月乃は自身の同僚のメロディに確認する。メロディは焦っている様子だが、淡々と月乃に告げる。
「ベゼルが呪力を使って脱獄したようです。あの怪異…やたらと八宵の事気にしてたというか、八宵を返せ返せと言ってたので…。八宵君は今、月乃さんの社宅ですか…すぐに確認しに戻った方が良いですよ、アイツはきっと手段を選びません」
と荒れ果てた牢獄で月乃に伝える。
出勤して間もなく、ベゼルが逃げ出した事を知り、すぐに社宅に戻る月乃であった。
社宅に着き、急いでドアを開けると、やはりベゼルが来ていた。部屋の中にはエプロン姿の八宵と、ベゼルがいた。月乃はベゼルの事をギュッと睨み、吐き捨てるように言う。
「お前っ…ここまで来たからには分かってんだろうな、今すぐ八宵から離れないとブチ殺すぞ…」
月乃は自身の使い魔である蛇神のユルルングを召喚する。ユルルングの身体はたちまち大きくなり、とぐろを巻いて月乃の周囲に顕在した。
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「僕の事攻撃していいのぉ…月乃くぅん?こんなにすぐ近くに八宵ちゃんがいるのにさぁっ!!」
と月乃に呼びかける。ベゼルはというと周囲に人間の負の感情を元にした呪力を顕在させて禍々しいオーラを漂わせている。
八宵はというと虚な目をしてただただ、ベゼルに抱かれている。八宵は、どうにかして月乃に退いてもらえないかと、その事だけ考えていた。
月乃は携帯している呪符を懐から取り出すと呪術でベゼルに応戦しようとした。その時、八宵はベゼルを思いっ切り突き飛ばして月乃の方に向かった。
月乃は八宵を引き寄せると自身の後ろに立たせる。
「八宵、ごめんな。怖い思いさせて。俺があいつ、ブッ殺してやるから、安心しろ」
と険しい表情で八宵を諭す。八宵はというと、ぽつりと
「月乃、ごめんね」
と呟くと、自身の呪力を思いっ切り込めて、呪力を月乃の背中側から注入した。強い力を受けた月乃はそのまま前のめりに倒れてしまう。
「なっ……なんで、八宵…。」
「ごめんね、月乃。僕、月乃から霊力分けて貰ったおかげでこんな力も使えるようになっちゃったよ。今まで僕に力くれてありがとう♡これで地獄に帰ってもしばらくは霊力に困らないし、もう月乃のそばにいる必要もないんだよねぇ…」
「お前、俺のこと…利用してたのか?」
「うーん、そういう事になるのかなぁ。でも、ホント今までありがとう、バイバイ月乃。月乃と一緒にいるのにも飽きちゃったし…もうお別れだね。あぁ、月乃はしばらくそこで眠っていてね♡」
月乃は意識を保つのも無理になってしまい、床に突っ伏して眠ってしまった。
八宵が口を開く。
「ベゼル、じゃあ地獄に帰ろっか…」
ベゼルは不満そうに
「うーんなかなかに聞き分けが良いけどさぁ…。八宵ちゃんさぁ、月乃君に抱かれてるよねぇ…しかも、一回だけじゃあないでしょ」
と八宵の腕を掴み、そのまま月乃の部屋の寝室に向かう。
「や…やだ!ここでは絶対に駄目!絶対嫌だから!」
「ふーん、でもそんな事言っても僕の腹の虫が収まらないんだよねぇ、それにそんなに嫌だって言って貰えたらさぁ…むしろ興奮するんだよねぇ」
ベゼルは八宵をベッドの叩きつけるようにして組み敷くと、嫌がる八宵をよそにただただ犯すのであった。
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