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第一章 呼び覚まされた記憶
2旅立つもの
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「ええ、有意義な関係を築きましょう」
とはいったものの、メアリーには何の策もない。
鶯鳴だったときのような処理能力を持っていないし、この手に対して対応できそうな物事を探し当てる空間認識能力もなければ、視覚情報からつくことができる弱点を見つける能力もない。
そして仲間には、学がないからこそ理解が追いついていないアリオストロがしかいない。
絶体絶命の危機である。これを乗り越えるためにはどうすればいいか、メアリーにできるのは鶯鳴の記憶を短時間で掘り起こすこと。
だが詳細にもぐる時間は残されていない。観客とかした民衆を前に、メアリーはこれを乗り切るため一つの答えを導き出す。それがブルゴーニュに対して失礼であったとしても、失礼だと気がついてないフリをすればいい。
メアリーは微笑から満開の笑顔を浮かべさせた。
ガラリと変わった雰囲気にブルゴーニュもシャルルも驚いたような顔を見せる。
片手で握手していた手に震えそうになる空いた手を叱咤して、メアリーは両手でブルゴーニュの手を繋いで見せた。
観衆の熱が沈黙を帯びながらも、高まる感覚が肌を通してメアリーに伝わってくる。
ああ、逃げたい。
心のどこか、メアリーの小さな本音が音にも成らず掻き消えて、跡形もなく砂塵へと還る。
「いやぁ、それにしても右も左も解らない中、ブルゴーニュさんに支援していただけるとは思いもしませんでした。」
バカなくらいがちょうどいい。
何度目かの言葉を胸の奥にひっそりと溢す。
メアリーの意図と言えばいいのか、知能と言えばいいのか、それを察したブルゴーニュとシャルルがやや眉間に皺を寄せてそれから笑顔を取り繕った。
「よければあなた達を我が屋敷に招待したい」
流石と言うべきか、シャルルとは違ってすぐに切り返したブルゴーニュの提案にメアリーは頷く。
宿に関してはどうしようかと迷っていたことだから、運が良かったと思う一方で、敵の根城へとご招待とは、と舌を打つ自分もいた。
敵。メアリーにとってアリオストロを王にと決めた時点で、全ての権力者は敵だ。
こう見えてメアリーは鶯鳴だったときから決まって二言はない女であった。
それは強いプライドであったし、医者がコロコロと発言を変えるなんてみっともないところを見せたくもなかった。
だから、ブルゴーニュでさえ、ましてやシャルルさえメアリーにとっては政敵でしかない。
まぁそんな考え、身近なアリオストロが知る余地はないのだが……。
「ご協力ありがとうございます。アリオストロ、行こう」
「お、おう」
己にかけられた言葉にアリオストロは一瞬吃ってから答えた。
何を緊張しているのだか、メアリーはそう見ていたが、実際のところこの時点で見捨てられると思っていたアリオストロは突如としてかけられた言葉に反応が、理解が追いつかなかいでいた。
メアリーの考えてることがわからない。
民衆が騒いでいる理由がわからない。
ブルゴーニュもこちらを睨んでくるシャルルの意図も何もかもがわからない。
何を信じるべきなのだろうか、メアリーは己を守ってくれているのだろうか、それとも最初からアリオストロを護衛として連れてくるつもりで、もしくは本当の王を見つけるまでの予備だとでも思っていたのか、わからない。誰も信じることができない。
あの夢のような言葉は、生きる権利があるといった言葉は罠だったのか、アリオストロはメアリーに握られた手を思い出しながらそんな思考に囚われた。
信じるべきものはやはり己しかいないのではないか、そんな言葉が頭の中に過ぎる。ピクリ、震えた手がメアリーの背を追おうと伸ばされかけたのを止める。その手で握り拳を作って、それを隠すように背に移動させた。
「アリオストロ?」
名前を呼ばれてアリオストロはどきりとする。
脈打つ心臓の鼓動を聞き流しながら、「おう」ともう一度答えてそれから重い足を牛歩の如く動かした。
城壁に囲まれた領地だったからこそか、領主の屋敷と紹介されたのは西洋風の白い大きな屋敷だった。
とてもじゃないがキトンを着る人々が住むような場所ではない。なんていうか、メアリーにはそれがアンバランスに見えてブルゴーニュやシャルルがいなければツボに入っていただろうと思ってしまうくらいなヘンテコなギャップがあった。
しかも庭園そこにあるガゼボ、屋敷を彩るように彫られた女神像のような装飾、そこを守るように槍を持ったスパルタ風な兵士。
笑わせにきているのだろうか、メアリーは必死に頬袋に力を込めながらそう思った。
広場から屋敷まで想定外にもキャビンではなく徒歩で案内されることになった。
街の風景や、歴史、はたまた血統まで説明されたのを聞き流しつつ「へー」とか「そうなんですね」とか適当なことを口にして、やり過ごしたところでこのヘンテコな屋敷に着いたのだ。
時間にして十分程度くらいだな。
ブルゴーニュの自慢話をそこそこに、メアリーは横目でバレないようにシャルルを見る。
一言も発さない様子でついて来た彼であったが、その真意も気になるところではあった。彼も何か仕掛けてくるのではないのだろうか、その瞬間を何よりも警戒していた。
だが、メアリーの警戒に反して、シャルルが道中で仕掛けてくることはなかった。
またそれも意味がわからなくって相手に今後するのが大変だなと思いつつ、メアリーはあることを思い出して話を続けるブルゴーニュに割って入った。
「そういえば、神託によって三日後に神都ニフタに集まらなければならないのです」
「なんとそれはセウズ神も早急な方だ」
「徒歩で向かおうとしていたのですが、アリオストロの話によれば、三日もかかると……」
「安心して欲しい。馬車を出そう。そうすれば一日で着くことができるだろう」
よし、これで行きは問題なさそうだ。
メアリーは勿論、シャルルを次期王候補にするつもりではない。だからここで聞きたかったのは馬車で何日かかるかと言う情報だけだった。
ジャックは己を商人と言い、所属している組織があるといっていたのだ。さっさと抜け出して他の商人を見つけ、馬車に載せて貰えばいい。魔獣やらなんやらとか聞いたのだから、道中の護衛として雇って貰えばいいし、メアリーは戴冠者と言う立場がいかに友好的である過去の時点で理解していた。
領主であるブルゴーニュがわざわざ呼び出すのではなく出迎えた。
その事実だけで、表向きは戴冠者が領主よりも上の立場にある。またはそれに匹敵するほどの価値があると理解した。
最悪戴冠者と言う名前を使って無料で載せて貰えばいい。
戴冠者が乗ったと言う時点で箔がつくだろう。
「長旅で疲れただろう。まずは何の心配もなく休んで欲しい」
ブルゴーニュのその言葉に笑顔で頷いて見せる。
その合間にも情報共有のために「アリオストロも同じ部屋だと嬉しいです」と付け足せば、ブルゴーニュは一瞬戸惑ったように見せる。
「私たちは昔からいつでも共にいたので」
滑らかに出る嘘を言えば、勝手に納得してくれたのか「幼馴染殿であれば、仕方ありませんね」といって笑ってみせた。
目を白黒させるアリオストロの腕をメアリーは掴んで美しく微笑んで見せる。
シャルルの開きかけた口が何かを言う前に、日に焼け、加えて地面に倒れた影響でくすんだ頬に唇をつけた。
じゃりっと唇に砂の感覚が伝わる。
「私の護衛件婚約者なので」
正直なところこの手は使いたくなかったが、護衛がアリオストロでなければならない理由をつけるためにリップサービスを行う。
これも未来の医師として働くためのしょうがない犠牲だ。茹で蛸のように熱を上げるアリオストロの脇腹を強めに摘んで、倒れることを防止しながらメアリーは輝く笑顔の奥底に冷ややかな感情を乗せて口角をさらに釣り上げた。
とはいったものの、メアリーには何の策もない。
鶯鳴だったときのような処理能力を持っていないし、この手に対して対応できそうな物事を探し当てる空間認識能力もなければ、視覚情報からつくことができる弱点を見つける能力もない。
そして仲間には、学がないからこそ理解が追いついていないアリオストロがしかいない。
絶体絶命の危機である。これを乗り越えるためにはどうすればいいか、メアリーにできるのは鶯鳴の記憶を短時間で掘り起こすこと。
だが詳細にもぐる時間は残されていない。観客とかした民衆を前に、メアリーはこれを乗り切るため一つの答えを導き出す。それがブルゴーニュに対して失礼であったとしても、失礼だと気がついてないフリをすればいい。
メアリーは微笑から満開の笑顔を浮かべさせた。
ガラリと変わった雰囲気にブルゴーニュもシャルルも驚いたような顔を見せる。
片手で握手していた手に震えそうになる空いた手を叱咤して、メアリーは両手でブルゴーニュの手を繋いで見せた。
観衆の熱が沈黙を帯びながらも、高まる感覚が肌を通してメアリーに伝わってくる。
ああ、逃げたい。
心のどこか、メアリーの小さな本音が音にも成らず掻き消えて、跡形もなく砂塵へと還る。
「いやぁ、それにしても右も左も解らない中、ブルゴーニュさんに支援していただけるとは思いもしませんでした。」
バカなくらいがちょうどいい。
何度目かの言葉を胸の奥にひっそりと溢す。
メアリーの意図と言えばいいのか、知能と言えばいいのか、それを察したブルゴーニュとシャルルがやや眉間に皺を寄せてそれから笑顔を取り繕った。
「よければあなた達を我が屋敷に招待したい」
流石と言うべきか、シャルルとは違ってすぐに切り返したブルゴーニュの提案にメアリーは頷く。
宿に関してはどうしようかと迷っていたことだから、運が良かったと思う一方で、敵の根城へとご招待とは、と舌を打つ自分もいた。
敵。メアリーにとってアリオストロを王にと決めた時点で、全ての権力者は敵だ。
こう見えてメアリーは鶯鳴だったときから決まって二言はない女であった。
それは強いプライドであったし、医者がコロコロと発言を変えるなんてみっともないところを見せたくもなかった。
だから、ブルゴーニュでさえ、ましてやシャルルさえメアリーにとっては政敵でしかない。
まぁそんな考え、身近なアリオストロが知る余地はないのだが……。
「ご協力ありがとうございます。アリオストロ、行こう」
「お、おう」
己にかけられた言葉にアリオストロは一瞬吃ってから答えた。
何を緊張しているのだか、メアリーはそう見ていたが、実際のところこの時点で見捨てられると思っていたアリオストロは突如としてかけられた言葉に反応が、理解が追いつかなかいでいた。
メアリーの考えてることがわからない。
民衆が騒いでいる理由がわからない。
ブルゴーニュもこちらを睨んでくるシャルルの意図も何もかもがわからない。
何を信じるべきなのだろうか、メアリーは己を守ってくれているのだろうか、それとも最初からアリオストロを護衛として連れてくるつもりで、もしくは本当の王を見つけるまでの予備だとでも思っていたのか、わからない。誰も信じることができない。
あの夢のような言葉は、生きる権利があるといった言葉は罠だったのか、アリオストロはメアリーに握られた手を思い出しながらそんな思考に囚われた。
信じるべきものはやはり己しかいないのではないか、そんな言葉が頭の中に過ぎる。ピクリ、震えた手がメアリーの背を追おうと伸ばされかけたのを止める。その手で握り拳を作って、それを隠すように背に移動させた。
「アリオストロ?」
名前を呼ばれてアリオストロはどきりとする。
脈打つ心臓の鼓動を聞き流しながら、「おう」ともう一度答えてそれから重い足を牛歩の如く動かした。
城壁に囲まれた領地だったからこそか、領主の屋敷と紹介されたのは西洋風の白い大きな屋敷だった。
とてもじゃないがキトンを着る人々が住むような場所ではない。なんていうか、メアリーにはそれがアンバランスに見えてブルゴーニュやシャルルがいなければツボに入っていただろうと思ってしまうくらいなヘンテコなギャップがあった。
しかも庭園そこにあるガゼボ、屋敷を彩るように彫られた女神像のような装飾、そこを守るように槍を持ったスパルタ風な兵士。
笑わせにきているのだろうか、メアリーは必死に頬袋に力を込めながらそう思った。
広場から屋敷まで想定外にもキャビンではなく徒歩で案内されることになった。
街の風景や、歴史、はたまた血統まで説明されたのを聞き流しつつ「へー」とか「そうなんですね」とか適当なことを口にして、やり過ごしたところでこのヘンテコな屋敷に着いたのだ。
時間にして十分程度くらいだな。
ブルゴーニュの自慢話をそこそこに、メアリーは横目でバレないようにシャルルを見る。
一言も発さない様子でついて来た彼であったが、その真意も気になるところではあった。彼も何か仕掛けてくるのではないのだろうか、その瞬間を何よりも警戒していた。
だが、メアリーの警戒に反して、シャルルが道中で仕掛けてくることはなかった。
またそれも意味がわからなくって相手に今後するのが大変だなと思いつつ、メアリーはあることを思い出して話を続けるブルゴーニュに割って入った。
「そういえば、神託によって三日後に神都ニフタに集まらなければならないのです」
「なんとそれはセウズ神も早急な方だ」
「徒歩で向かおうとしていたのですが、アリオストロの話によれば、三日もかかると……」
「安心して欲しい。馬車を出そう。そうすれば一日で着くことができるだろう」
よし、これで行きは問題なさそうだ。
メアリーは勿論、シャルルを次期王候補にするつもりではない。だからここで聞きたかったのは馬車で何日かかるかと言う情報だけだった。
ジャックは己を商人と言い、所属している組織があるといっていたのだ。さっさと抜け出して他の商人を見つけ、馬車に載せて貰えばいい。魔獣やらなんやらとか聞いたのだから、道中の護衛として雇って貰えばいいし、メアリーは戴冠者と言う立場がいかに友好的である過去の時点で理解していた。
領主であるブルゴーニュがわざわざ呼び出すのではなく出迎えた。
その事実だけで、表向きは戴冠者が領主よりも上の立場にある。またはそれに匹敵するほどの価値があると理解した。
最悪戴冠者と言う名前を使って無料で載せて貰えばいい。
戴冠者が乗ったと言う時点で箔がつくだろう。
「長旅で疲れただろう。まずは何の心配もなく休んで欲しい」
ブルゴーニュのその言葉に笑顔で頷いて見せる。
その合間にも情報共有のために「アリオストロも同じ部屋だと嬉しいです」と付け足せば、ブルゴーニュは一瞬戸惑ったように見せる。
「私たちは昔からいつでも共にいたので」
滑らかに出る嘘を言えば、勝手に納得してくれたのか「幼馴染殿であれば、仕方ありませんね」といって笑ってみせた。
目を白黒させるアリオストロの腕をメアリーは掴んで美しく微笑んで見せる。
シャルルの開きかけた口が何かを言う前に、日に焼け、加えて地面に倒れた影響でくすんだ頬に唇をつけた。
じゃりっと唇に砂の感覚が伝わる。
「私の護衛件婚約者なので」
正直なところこの手は使いたくなかったが、護衛がアリオストロでなければならない理由をつけるためにリップサービスを行う。
これも未来の医師として働くためのしょうがない犠牲だ。茹で蛸のように熱を上げるアリオストロの脇腹を強めに摘んで、倒れることを防止しながらメアリーは輝く笑顔の奥底に冷ややかな感情を乗せて口角をさらに釣り上げた。
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