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第二章 戴冠者を襲うもの
1権力者の思惑
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得体の知れない使命感がいつもブルゴーニュの胸に重くのしかかっていた。
それは焦燥と言っていいのか、それとも焦がれと言っていいのか、どんな言葉でそれを表現することが正しいのか、それがわからなくっても。その玉座がどれほど欲しいのか、そこに誰かを座らせたいという願いだけは晴れぬ空のようにどっしりとブルゴーニュの心を占領してならなかった。
その願いを自覚したのは、ジャックの言葉によって齎された戴冠者という存在があってこそ。それまでは意味もわからないものへの執着を持っており、日々を酒で溺れる時間に費やした。シャルルは玉座に最近執着し始めたと言ったが、全くもってそんなことはない。彼はそれこそ生まれたその瞬間から、空の国玉座が欲しくて欲しくてたまらなかったのだ。
そしてそのチャンスが今ブルゴーニュの眼前に齎された。
己の欲した立場、役割、責任、責務。だがなぜ、なぜ欲しいのかは思い出せない。もしかしたらかつての青い果実のような思い出がそうさせたのかもしれないし、権力者としてこれを当然だと思ったのかもしれない。そう言った理屈で自分を納得させようとしてもまるで肋骨が浮くような浮遊感を感じた。その気持ち悪さと言ったら表現が難しく、そして頭を振り乱しても収まってくれない頭痛と共にブルゴーニュを襲うのだ。
ブルゴーニュは己の執務室から見えるメアリーたちに与えた部屋を見る。
特に美しい部屋を与えた。それで安心できると思った。隣の男は邪魔だ。例え本当に次期王候補に選ばれた人間ではなくても、シャルルの目の上のたんこぶになってしまう。途中で転換してそいつを王にと言い出す可能性だってある。殺さないと、殺さなければならない。
ブルゴーニュはまるで取り憑かれたようにそう感じた。
それが正しいのだと疑うこともなく、どう殺せば戴冠者であるメアリーも納得せざる負えない状況に落とし込めるか、そうなればやはり暗殺しかない。しかも領土をさってからの方がいい。そうすれば現状的にブルゴーニュを疑いたい状態であっても、領外というだけで話は変わってくる。
民衆はやれ悲劇だとまるで演目のように楽しむだろう。
そこまで考えて、執務室の扉の先に人の気配が集まるのを感じる。
控えめに声を抑えて隠れるように「御目通りを」と語る男のテノールに「至急入れ」とブルゴーニュはいう。
入ってきたのは薄水色のショートで片目が隠れた青年と覆面で顔の見えない五人の暗殺者。ブルゴーニュが神直々にこの北の街ポスを支配するようにと言ってきたとき、密かに作った六人の暗殺集団。
基本的に政敵に向けて放つ存在で、バレてしまってはならない存在だ。
「いいか、鴉達よ。決行はシャルルが共に領外へと出たときだ。アリオストロと名乗った男だけを殺せ」
「はっ!」
鴉と呼ばれた集団はそう言って頷いて見せた。
それを満足そうに見たブルゴーニュは「それから」と続け流。
「メアリーとアリオストロの監視を、この城に常駐するメイドや兵士に扮して行え。少しでも不審なところや反逆の意思を見せた場合報告も怠るな」
「僭越ながら」
ブルゴーニュの言葉に、片目が隠れた青年が塞ぐようにそう声を上げた。
「現在の任務に関しては如何いたしましょう」
その言葉にブルゴーニュの目が一瞬光った。
それは光加減によるものか、はたまた覚悟を決めた目なのか、それとも青年を問いただすものなのか……。
でも確かにブルゴーニュは目の前の青年を見て、重そうに口を開いた。
「ジャックの暗殺はまだできていないのか」
「申し訳ございません。神都ニフタへの方向に向かったのは見えたのですが、以降は魔術を使っての移動を行ったらしく。調査はしましたが、どこに飛んだのかは判明していません」
「あいつも鼻が効く商人だ。当分……それこそこの選別の儀が終わるまではポスへと出てこないだろう」
そういうと恨めがましいようにブルゴーニュは舌を打った。
「その、選別の儀とは」
戸惑ったような青年の声にブルゴーニュは気分を良くしたように「次期王候補から王を決めるまでの一連の催事のことだ」と言った。その言葉は北の街ポスに常駐する小神殿にいる天使から聞いた言葉だった。
ジャックの言葉を信じきれず、ブルゴーニュは小神殿へと確認に行っていたのだ。そこで初めて戴冠者という存在を認めて、選別の儀を待ちに待っていた。そしてきっとそれはジャックにも言えることだろう。
彼は戴冠者を連れてくる代わりにアスター宿場連盟公式の建物をポスに建てたいと言っていた。
「どうせ奴は後から徴収しにくる。それまでに殺せればいいということだ」
「何故ジャックを排除するのか聞いても?まだまだ新兵もおります、目標に対して躊躇されても困りますので、我が主人であるブルゴーニュ様の言葉で教えていただきたい」
「問題ない。答えよう」
ブルゴーニュは気を悪くさせることなくそういった。
「ジャック暗殺は未来のためでもある。シャルルが王になったとき、奴は裏でシャルルを操ろうとするだろう。現在に至るまで神による統治の裏で暗躍していたのはやつだ。奴は少しづつ神の時代から人の時代へと移行させようと計略を進めている」
ブルゴーニュは懐からヘンテコな紙を出した。
それは長方形の翡翠色の薄い紙。特殊なコーティングをされたそれには美しい女性の横顔が描かれ、一カルネテルと記載されている。
そしてもう一つ、青銅のような素材で作られたコイン。
ブルゴーニュはそのコインを五枚取り出して執務机に置いた。
「これは、スータコインと呼ばれ、五枚分の価値を持つものが一カルネテルと呼ばれている」
「はぁ……?」
いまいち理解できていない青年に呆れるようにため息を吐いてから、ブルゴーニュは続けた。
「これでなんでも交換できるというのだ」
「なんでも……?」
「そうだ。道具から、神からの恩恵である食物さえ、これを使うことで手に入れられる。その制度を作ったのがジャックであり、これを金銭と呼んだ。もしこれが普及したら、金の取り合いになり、そして神が掲げた優生保護という取り組みはなくなるだろう」
劣性の民が万が一金を多く持っていたら、ブルゴーニュたち優生の民たちの優位性は破壊される。
もしかしたら金で立場を買うなんてやる奴も出てくるだろう。それだとブルゴーニュは困るのだ。特に今広められれば、劣性の民でも王になれる機会を買えてしまう。
だからその前にジャックを殺す。
金銭が普及する前に商人を語った叛逆者に、神罰さえ喰らわすに値しない蛮族にヒトであり北の街ポスの領主として罰を喰らわす必要があった。
「奴がやっているのは明かされていないだけで神を排除する動きだ。小神殿でこのことを話したとき、進んで天使様はジャックを排除することを肯定した」
そう言い、ブルゴーニュは厳しい目で青年たちを見下ろした。
すぐに彼らは傅く。それは厳命を言い渡される前のある一種の儀式でもある。その彼らの頭を見下げながらブルゴーニュは声高に叫ぶ。
「ゆえにジャックの殺害は神が申しつけた厳命とみろ。憎いことだがもしアリオストロよりもジャックを殺せる機会の方が近いのなら、そちらを優先しろ。これは最重要優先命令だ!」
「承認いたしました」
「そして我が息子に栄誉を、王となる栄誉を与えるため、アリオストロの領外での暗殺。そして他の戴冠者の殺害を決行せよ。必ずや、この空の国の王にするためシャルルを支えるのだ!」
それは青年たちにとって背中にびっしょりと汗をかかせるような重い責任であった。
影で薄暗い任務ばかりをこなしてきた青年たちの、光り輝くような任務。この国のために動けることへの、神をも支えることの出来る栄誉。誰もが唾を呑み込む。この任務を遂行するため、ただそのためだけに「はっ!」と声を上げた。
それは焦燥と言っていいのか、それとも焦がれと言っていいのか、どんな言葉でそれを表現することが正しいのか、それがわからなくっても。その玉座がどれほど欲しいのか、そこに誰かを座らせたいという願いだけは晴れぬ空のようにどっしりとブルゴーニュの心を占領してならなかった。
その願いを自覚したのは、ジャックの言葉によって齎された戴冠者という存在があってこそ。それまでは意味もわからないものへの執着を持っており、日々を酒で溺れる時間に費やした。シャルルは玉座に最近執着し始めたと言ったが、全くもってそんなことはない。彼はそれこそ生まれたその瞬間から、空の国玉座が欲しくて欲しくてたまらなかったのだ。
そしてそのチャンスが今ブルゴーニュの眼前に齎された。
己の欲した立場、役割、責任、責務。だがなぜ、なぜ欲しいのかは思い出せない。もしかしたらかつての青い果実のような思い出がそうさせたのかもしれないし、権力者としてこれを当然だと思ったのかもしれない。そう言った理屈で自分を納得させようとしてもまるで肋骨が浮くような浮遊感を感じた。その気持ち悪さと言ったら表現が難しく、そして頭を振り乱しても収まってくれない頭痛と共にブルゴーニュを襲うのだ。
ブルゴーニュは己の執務室から見えるメアリーたちに与えた部屋を見る。
特に美しい部屋を与えた。それで安心できると思った。隣の男は邪魔だ。例え本当に次期王候補に選ばれた人間ではなくても、シャルルの目の上のたんこぶになってしまう。途中で転換してそいつを王にと言い出す可能性だってある。殺さないと、殺さなければならない。
ブルゴーニュはまるで取り憑かれたようにそう感じた。
それが正しいのだと疑うこともなく、どう殺せば戴冠者であるメアリーも納得せざる負えない状況に落とし込めるか、そうなればやはり暗殺しかない。しかも領土をさってからの方がいい。そうすれば現状的にブルゴーニュを疑いたい状態であっても、領外というだけで話は変わってくる。
民衆はやれ悲劇だとまるで演目のように楽しむだろう。
そこまで考えて、執務室の扉の先に人の気配が集まるのを感じる。
控えめに声を抑えて隠れるように「御目通りを」と語る男のテノールに「至急入れ」とブルゴーニュはいう。
入ってきたのは薄水色のショートで片目が隠れた青年と覆面で顔の見えない五人の暗殺者。ブルゴーニュが神直々にこの北の街ポスを支配するようにと言ってきたとき、密かに作った六人の暗殺集団。
基本的に政敵に向けて放つ存在で、バレてしまってはならない存在だ。
「いいか、鴉達よ。決行はシャルルが共に領外へと出たときだ。アリオストロと名乗った男だけを殺せ」
「はっ!」
鴉と呼ばれた集団はそう言って頷いて見せた。
それを満足そうに見たブルゴーニュは「それから」と続け流。
「メアリーとアリオストロの監視を、この城に常駐するメイドや兵士に扮して行え。少しでも不審なところや反逆の意思を見せた場合報告も怠るな」
「僭越ながら」
ブルゴーニュの言葉に、片目が隠れた青年が塞ぐようにそう声を上げた。
「現在の任務に関しては如何いたしましょう」
その言葉にブルゴーニュの目が一瞬光った。
それは光加減によるものか、はたまた覚悟を決めた目なのか、それとも青年を問いただすものなのか……。
でも確かにブルゴーニュは目の前の青年を見て、重そうに口を開いた。
「ジャックの暗殺はまだできていないのか」
「申し訳ございません。神都ニフタへの方向に向かったのは見えたのですが、以降は魔術を使っての移動を行ったらしく。調査はしましたが、どこに飛んだのかは判明していません」
「あいつも鼻が効く商人だ。当分……それこそこの選別の儀が終わるまではポスへと出てこないだろう」
そういうと恨めがましいようにブルゴーニュは舌を打った。
「その、選別の儀とは」
戸惑ったような青年の声にブルゴーニュは気分を良くしたように「次期王候補から王を決めるまでの一連の催事のことだ」と言った。その言葉は北の街ポスに常駐する小神殿にいる天使から聞いた言葉だった。
ジャックの言葉を信じきれず、ブルゴーニュは小神殿へと確認に行っていたのだ。そこで初めて戴冠者という存在を認めて、選別の儀を待ちに待っていた。そしてきっとそれはジャックにも言えることだろう。
彼は戴冠者を連れてくる代わりにアスター宿場連盟公式の建物をポスに建てたいと言っていた。
「どうせ奴は後から徴収しにくる。それまでに殺せればいいということだ」
「何故ジャックを排除するのか聞いても?まだまだ新兵もおります、目標に対して躊躇されても困りますので、我が主人であるブルゴーニュ様の言葉で教えていただきたい」
「問題ない。答えよう」
ブルゴーニュは気を悪くさせることなくそういった。
「ジャック暗殺は未来のためでもある。シャルルが王になったとき、奴は裏でシャルルを操ろうとするだろう。現在に至るまで神による統治の裏で暗躍していたのはやつだ。奴は少しづつ神の時代から人の時代へと移行させようと計略を進めている」
ブルゴーニュは懐からヘンテコな紙を出した。
それは長方形の翡翠色の薄い紙。特殊なコーティングをされたそれには美しい女性の横顔が描かれ、一カルネテルと記載されている。
そしてもう一つ、青銅のような素材で作られたコイン。
ブルゴーニュはそのコインを五枚取り出して執務机に置いた。
「これは、スータコインと呼ばれ、五枚分の価値を持つものが一カルネテルと呼ばれている」
「はぁ……?」
いまいち理解できていない青年に呆れるようにため息を吐いてから、ブルゴーニュは続けた。
「これでなんでも交換できるというのだ」
「なんでも……?」
「そうだ。道具から、神からの恩恵である食物さえ、これを使うことで手に入れられる。その制度を作ったのがジャックであり、これを金銭と呼んだ。もしこれが普及したら、金の取り合いになり、そして神が掲げた優生保護という取り組みはなくなるだろう」
劣性の民が万が一金を多く持っていたら、ブルゴーニュたち優生の民たちの優位性は破壊される。
もしかしたら金で立場を買うなんてやる奴も出てくるだろう。それだとブルゴーニュは困るのだ。特に今広められれば、劣性の民でも王になれる機会を買えてしまう。
だからその前にジャックを殺す。
金銭が普及する前に商人を語った叛逆者に、神罰さえ喰らわすに値しない蛮族にヒトであり北の街ポスの領主として罰を喰らわす必要があった。
「奴がやっているのは明かされていないだけで神を排除する動きだ。小神殿でこのことを話したとき、進んで天使様はジャックを排除することを肯定した」
そう言い、ブルゴーニュは厳しい目で青年たちを見下ろした。
すぐに彼らは傅く。それは厳命を言い渡される前のある一種の儀式でもある。その彼らの頭を見下げながらブルゴーニュは声高に叫ぶ。
「ゆえにジャックの殺害は神が申しつけた厳命とみろ。憎いことだがもしアリオストロよりもジャックを殺せる機会の方が近いのなら、そちらを優先しろ。これは最重要優先命令だ!」
「承認いたしました」
「そして我が息子に栄誉を、王となる栄誉を与えるため、アリオストロの領外での暗殺。そして他の戴冠者の殺害を決行せよ。必ずや、この空の国の王にするためシャルルを支えるのだ!」
それは青年たちにとって背中にびっしょりと汗をかかせるような重い責任であった。
影で薄暗い任務ばかりをこなしてきた青年たちの、光り輝くような任務。この国のために動けることへの、神をも支えることの出来る栄誉。誰もが唾を呑み込む。この任務を遂行するため、ただそのためだけに「はっ!」と声を上げた。
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